『衣替え』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「コロモガエ?」
「衣…seasonal change of clothes…あと何だ、
reorganize one’s wardrobe、分かる?」
「小さな分かる」
「"少し"分かる」
「スコッシ分かる」
そういえばンㇽバヤが越してきてまだ二か月。これが
初めての秋だ。彼女は長袖の服を持っているだろうか。
「ンㇽバヤ、故郷に四季はあった?」
「昔ある…あった。今はない」
窓越しに揺れるイチョウの黄色を眺めながらvivid colourいいねと呟く姿は私達と何ら変わりない。
それはそうだ。系外惑星出身の銀河難民がここで暮らす条件には地球人への擬態も含まれていた。
「地球のfallout shelterは、四季があると教えられた。だから、今、楽しい」
「それは良かった」
最後に地上で落ち葉を踏んで歩いたのは3年半前。私の子供も本当の季節を一つも知らない。
けれど、スクリーンパネルの調光は確かにやわらかな秋の日差しを再現していて、これが現実でないとはもう思えない。ちりちりと風に舞うイチョウの葉は私の不安を覆い隠すように静かに降り積もっていく。
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「衣替え」
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所感:
自分自身がカッチリした衣替えとは縁の無い暮らしなので、「衣替え」を知らない人のことを書いてみようと思った結果、なんちゃってSFになりました。
とうとう秋になってしまった。
クローゼットの奥から上着をひっぱり出して
あなたを想う。
人の心も簡単にしまい込めたらいいのにね。
あなたの事を思い出さないように
奥へ奥へ。
そこにあった事すら忘れてしまって
見つけ出せないくらいに。
そうしたら、次にひっぱり出した時には
思い切ってさよならできるかな。
またこの季節を好きになれるのかな。
-衣替え-
この服には思い出が詰まってるの
穴だらけの服を握りしめて過去を振り返る
〈もう過去に拘るのはやめたら?〉
人から見たらその程度である。だがそう言う人にも自分事では、なにかの思い出はあるのだろう。だが傍から見たらその程度なのだ。
馬鹿だなあ。服をしまうと、思い出なんて一緒に閉じ込めて忘れてしまうくせに。
[衣替え]
秋になって冬になる。
未だに夏を捨てきれない。
変わらなくちゃいけない。
私と家の「衣替え」
今までの私達とは、さようなら。
大丈夫。夏はまた来てくれる。
多分ね。
昨日彼氏と別れた、浮気されるのが、怖くて、彼氏から逃げた。
ここ何年も秋の衣更えの時期は嬉しい気分になる。
というのも、秋の衣更えは即ち、お気に入りのコートの出番がやってきたことを表すからだ。やや薄手で黒一色のベルトが2本ある、少々凝った造りのコートを私は秋から次の春までおよそ半年着続ける。
10年程前に見つけたそれは今でも一番気に入っていて、コートを新調する気は当分起きそうにない。当初は"お値段がかわいくない~(泣)"と分不相応な買い物のような気もしていたが、結果的にはとても良かったと言える。慧眼であった、などと自画自賛したくなる。
そしてもう一つ、この時期に衣更えするのが「香り」だ。
仕事柄、おしゃれをするにも制約があるため、私は香りでささやかなおしゃれを楽しんでいる。金木犀の香りが漂ってくる頃になると夏物から冬物へと香りを取り替える。暑い時期は柑橘系などの爽やかな香りが好ましく感じるが、気温が下がると少々甘い香りが恋しくなる。
でも慎重に。
強すぎればただの香害だ。あくまでかすかに、がポイントだ。
この香りも10年近く変えていないが、最近売っているのを見かけない。よもや廃盤になってしまったのかと焦ったが、先日売りに出ているのを見つけた。
なくならないうちに買っておかねば。
お題:衣替え
そろそろ衣替えしようと思う。
妊娠した。この子を産むと同時に私は産まれた赤子に乗り移って新しい体を手に入れる。私はこういう種類の生物で、こうすることで永遠に生きる。
その為に結婚した。夫は何も知らずに赤子になった私を育ててくれるに違いない。
妻が出産と同時に死んだ!悲しいが。まだ遺体が新鮮なうちに古い体を脱ぎ、妻の体を着た。こっちの方が若いからね。美人だし。
古い体はバレないように代わりに火葬する。こういうこと慣れてるから出来る。自分より若い体に乗り移っては永遠に生きる。
妻は知らないだろうが、世の中ってホントいろんな人がいるよね。
変わらない感触が
親しくなりたい彩りが
灼けた素肌を覆い
熱を生みだす
新たな世界に
静かに足を踏み入れた
/ 衣替え
もうすぐ雪が降ってくるよ
車のタイヤも衣替えしないといけないね
少しずつ心地よい風が吹き始める。
時には冷たい雨にさらされ。
時には日差しが強い日もある。
夏服が長袖になり、
下着が冬用になり、
そろそろ、カーディガンを羽織りだす。
ゆっくり。
ゆっくり。
心地よい季節は短く、
寒い冬に向けて準備をする。
ゆっくり。
ゆっくり。
今年も去年の。一昨年の繰り返し。
(衣替え)
「は、はくしゅ……」
親友と近くの川で花火をしたのが二ヶ月前。
そして、二学期が始まってから明日で一ヶ月。
「寒くなってきたよね。」
隣で友達が笑った。そういえば、まだ、制服は夏服のままだったっけ。
「もうそろそろ衣替えの季節かもね。」
「ね。」
短い会話が続く。ふと、ぼんやりと今年の夏を振り返った。
当然のように、親友との花火は楽しかったけれど、久しぶりに会ったからか、前よりは会話が続かなかったな、だとか。
今年は海にもお祭りにも行かなかったな、とか。
「思い返せば、今年はあんま、なんもしなかったかもなぁ……」
「そう?」
「そうそう。」
今、一緒に帰ってる友達とだって来年になったら話さなくなるかもしれない。
「ねぇ、あのさ……、私たち……」
ずっと友達だよね?
そう、言い切る前に、友達はこっちを見て笑った。
「じゃあ、来年の夏はなんか一緒にしようよ!海にも行きたいし、花火とかもいいよね!あとは……」
それだけでなんだか、救われたような気がした。
衣替え…大好きだったこの服ともさよならしなきゃいけないのね、また巡り巡って逢えますように
君から貰った服とか
見るだけで苦しくなるから
全部衣替えの時に捨てちゃったな。
夏ももう終わりだね。
衣替えしてたらさ
あなたに貰った物が沢山出てきてさ笑
捨てようにも捨てられなくて
全然あなたの事忘れられなくて
あなたと離れた後別の人と恋もした
だけど急にあなたの顔が浮かんでくる事がたまにあってさ
ほんと困ったよ笑
あれ、やめてよね
だからさ、もう思い出さないために
あなたの物全部捨てるよ
懐かしい場所にいった
見慣れた顔ぶれ
ここは私がいなくても
普通に動いてる
そう…
ここに心を留めることは
もう必要ない
古い心を脱ぎ捨てて
新しい心で新しい場所へ
10月だというのに
日中なんてまだ暑い
朝晩なんかは冬みたいなのに
10月の秋の空
半袖着ていてもそこまで季節外れに見えないのは
やはり暑いから
車の外気温35度だって!
でも君は一足早くに衣替え
今年も
青空の下
金色に輝いている
風に舞って微笑むかのよう踊って落ちる
緑色だった、銀杏木
いつも一番に秋を知らせる。
そろそろ秋物でも買おうかな。
お題
衣替え
079【衣替え】2022.10.23
そろそろ十月も終わるというのに、やっぱり日中はそこそこ暑い。朝イチから今日はなにを着るべきかちょっとだけ困る日が、あいかわらず続いている。去年か一昨年までは、これってなんか変だよ、と感じてばかりいたのに、今年は、もう、なんかそんなもん、になってしまって違和感を感じない。地球温暖化にともなう気温上昇のほうが、ついに日常化してしまった、ということなのだろう。
ということで、今日もお天気アプリは、半袖に一枚羽織る、がオススメ。毎日の気温がこんな調子じゃあ、いつになったら衣替えができるのか、見通しもたたない。
いっぽうで、夜はしっかり冷えるから、寝具の装備は一週間ごとに分厚くなっていっている。もうすでに、パジャマはもふもふのやつに変えた。こちらは着実に衣替え、いや布団替えが進行していっている。
あともうすこしで、毎晩、電気毛布のスイッチを入れなきゃ寝てられない夜が続くようになるのかな。そのころにはさすがに、半袖の服も衣替えだよね。
店先に「衣替えしました」と張り紙が貼ってあって、確かに寒くなってきたもんなと思いながら、ぼくはその定食屋に入った。
スタッフの衣装が冬仕様にでもなったのかなと見渡したがいつもと変わっていない。
注文した定食を食べ、お店を出たとき、あっ! と思う。
コロッケの衣、いつもよりサクサクだったな。
『制服』
夏服の初日は照れる
君が「可愛いね」って言うから
冬服の初日は寂しい
春になったら君と離れ離れになるから
だから私は寒さを理由に
帰り道、君に甘える
#衣替え
衣替え
心を入れ替えて
冬の準備をする
楽しみになってくる