『花咲いて』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
花咲いて
夏の青空の真下で車を走らせていると、ふと視界の端に鮮やかな黄色が映った。
「わあっ!ひまわり畑だよ!」
助手席の君が、それこそひまわりのような明るい声をあげる。隙を見て彼女に視線を移すと、弾けた笑顔が眩しかった。
窓の奥、橋の下に咲くひまわりを、そのまま移し取ったよう。
「ねぇ、見える!?…あっ、でも、運転中なの忘れてた!ごめん!」
もう目線は真っ直ぐ前に戻したのに、彼女のちょっと慌てる様子が目に浮かぶ。
「大丈夫、さっき見たよ。綺麗だった」
君のように、なんてキザな台詞は言えなかった。
「見えた?よかった。私、ひまわり大好きなんだよね〜。ここ通ってくれてありがとう!」
「どういたしまして」
むしろ、喜んでくれた君にありがとうと伝えたい。君の、嬉しそうな顔が好きだから。
一つ、間をおいて、覚悟を固めた。
「…なぁ。降りて、もっとよく見てみないか?」
「いいね!行ってみようよ!」
バックミラー越しに、君の鮮やかな笑顔が見える。
ここを通った理由は二つ。
単に、君の笑顔が見たかったから。
もう一つは、ひまわりが咲いたら、君に好きだと伝えたかったから。
いつか踏み潰してしまおう。
私を愛したあなたに花が咲く前に。
花
は
咲
い
た
涙
枯
ら
し
た
分
だ
け
人の心を浴びて花開く
綺麗な言葉をかけ続けた花は
美しい花を咲かせる
罵詈雑言を浴びせた花は
花咲くことなく枯れ落ちる
咲かそ
咲かそ
心の花を
あなたはどんな花になる?
心を映す
花咲かそ
芸人ばかりがでているテレビを眺めながら、自分の尊厳さえ削られるような気持ちになる。毎日考え事をして何も手につかない。手に入れるまでてこでも動かない幼い日の私と何も変わらない。スマホの検索履歴を消去する日々。利用されたそうな君を利用している。まどろみのなか、君の大きな手がさほど私と変わらないと知ってしまった。私の頭を撫でるこの手がずっしりと重いから。滑らかにそのまま私の頬を撫でる。
花咲いて花散る。人生まれ人死ぬ。そんな当たり前なこと分かっていたよ。それでも人が生まれる瞬間は花が咲くみたいに美しくて人が死ぬ瞬間は花が散るみたいに寂しかった。けれど何だか安心感もあって涙は出てこなかった。
花咲く空はあまりにも青すぎた。
この空の空虚さはどうにもならず確かにそこにあるのに何故かそこになかった。
花咲いて
落ちて
誰かの肥やしになって
わたしのかけらが花になる
そうやって生きたい
あなたと会うと、私の心に花が咲く。
華やかで綺麗な、優しい気持ちになる。
もっと可憐になりたい。綺麗だと言ってほしい。
いつでも、花のような笑顔でいた。
でも、でも、
花は散ってしまった。
「花咲いて」
「ねぇ、蓮見て!」
先程まで僕と並んで歩いていた幼なじみの岩崎透が突然しゃがみこむ。このような突飛な行動は透にしてはよくあることで、僕──七雲蓮──は眉一つも動かさなかった。透はふわふわした奴で、昔からあっちに行っては怪我をしてこっちに来ては怪我を怪我を増やしてと危なっかしい。僕は降っている雨も気にせずに足元の何かに夢中な透にさしている傘を傾けた。
「何、透。どうしたの。」
「みて、ここ!ちっちゃいけど綺麗な花が咲いてる!」
「ふふ、ほんとだね。青い花びらが雨に映えてる。」
透の視線が釘付けにされているのは青色の小さな花だった。特に野草に明るくない僕には名前は分からなかったが、その花を見てキラキラと目を輝かせている透がとても可愛らしくていつまでも見つめていられた。
「ねぇ、蓮は何色の花が好きー?」
「んー、あまり拘りはないけど、この青い花は今まで見てきた中でもすごく綺麗だって思うよ。」
「わかる!俺もこの花すげー好き。」
そう言ってふわりと笑う透。ついその可憐さに心を揺さぶられて抱きしめてしまいそうになる。でも僕は透とのこの距離を保つために絶対にそれを理性で押さえつける。青色の花は本当に美しくて、花の名前が分からないのが悲しくなるほどだった。それでも僕の目には透の花が咲いたような笑顔の方が、道端に咲いていた青の花よりもずっと美しくうつって見えたから。
リトープスっていう多肉植物を知ってる?
一見、丸味をおびた石ころみたいなんだけど、ちゃんと育てるときれいな花が咲くんだってさ
僕も、今は道端の石ころみたいに地味で目立たない存在だけど、いつか大きな花を咲かせたいな、なんて思ったりするんだ
花はいつか開花する。
それは他より遅いかもしれない
それは他より早いかもしれない
だが、努力を絶やさなければ
花は開花する。
誰かが言っていた
「才能は開花させるものセンスは磨くもの」
信じて、進み続けた先には希望の山だった。
【花咲いて】
#花咲いて
赤白、黄色にピンク橙色。
店先に並んだ花々たちは、いわゆるトップスター。
私はお店先にある花壇に生えている、名もない草。
普通なら邪魔な雑草として引っこ抜かれて、ポイと捨てられるだけの私を、この花屋の店長さんであるあなたは可愛らしいといって大事に大事に育ててくれていた。
そして今日も、綺麗なニンゲンの女性に買われていく、大きくて綺麗な百合の姉様を見送りつつ、あなたがジョウロから降らせてくれる雨を体いっぱいに浴びている。
ジョウロから最後の一雫がぽとりと葉っぱに落ちたとき、私はあなたに見てみて、と無言でアピールをしたわ。
それに気がついたあなたは身をかがめて、そっとそれに触れてきたの。
頑張って咲かせた花はとてもとても小さな花だけど、こうして花咲いて見せることが出来たのは、きっとあなたの愛情のおかげよ。そういうように、一生懸命葉を揺らしたわ。気持ちの上だけ、の話だけど。
そうして咲いた花が、実は世界にたった一つしかない新種の花で、それを知ったあなたが二重の意味で喜ぶことになるのを、店長であるあなたも、そして花咲かせた私自身もまだ知らない。
枯れる直前がクライマックス
私もそんなふうに生きたいものです
「花が咲く」
花が咲くって言ったら人の心と考えます。
理由は、花にも心というものがあると思うので花がしおれてしまうとぐったりした様子が現れたり、元気に満開に花が咲いていると、元気な様子が出てきたりするから、人の心と同じだなと思いました。
人の心も同様に、『疲れ』や『今日は気分が乗らない』という様な感じが出るとマイナスな考えになったり、『今日は調子が良い』や『いい事が増えた』等という様な感じが出るとポジティブな考えになるから、花の表現の仕方がすごく似てると思いました。
もし、花がしおれていたら水をかけてあげれば、少しずつ元気になり、綺麗な花が咲くと考えます。
その為、花に水をかける感じで人が悩みを抱えて居たら声を掛け、寄り添い助けてあげる事が大事だと考えました。
花が綺麗に咲くように、人の心は大事なんだと考えさせられました。
終わり。
特別クラスの男の子。
たったひとりぼっちのクラスに通う子。
何かの病気で、普通のクラスには通えない子。
誰かと話をしているところを見た事ない。
先生とか送り迎えのお母さんとも話をしてるの見た事ない
でも、見た目は普通の子。
普段、どんな授業うけてるかもわからない子。
先生たちは私達には何も言わない。
でもみんな知ってる子。
私達より少し早く帰る子。
一階の窓際の席になった私は、その子と先生がお母さんの迎えを待っているのを見た事がある。
夏の暑い日に、太陽に向かって伸びたひまわりを見てその子はニッコリ笑った。
私以外誰も見てないと思う。多分。
迎えに来たお母さんは凄く美人でびっくりした。
先生もにっこりして、男の子の手は先生からお母さんへ。
瞬間、男の子の眉に皺が寄った。
さっきまでひまわりみて笑ってたのに。
お母さんは優しい笑顔で何か話しかけてから男の子の手を引いて歩き出す。
それからなんだか、男の子が帰る時間は観察した。
綺麗なお母さんはいつも違う服で、キラキラ。
男の子は、お母さんが来ると眉に皺を寄せる。
帰りたくないのかな?
ある日、私のクラスのサボテンが花を咲かせた。
男の子が、サボテンの花を見て笑った気がした。
だから少し手を振ってみた。
男の子も手を振りかえしてくれた。
日の加減で笑顔かどうかわからない。
男の子をじっと見つめたけれど、男の子はぐんっと強い力で校門の方へ引っ張られて行った。
それから男の子は学校に来ていないみたいだった。
いつもの時間にいないから。校庭に。
夏休み前なのに席替えがあったから、また通い出したのかもしれないし。来ていないかもしれない。
二学期になったら特別クラスに遊びに行ってみようかな。って思っていたら、夏休みの間に男の子死んじゃったっぽい。
学校が写し出されたニュース。同じ学年の男の子。
その子が死んだってニュースだけ。あの子かな?あの子しかいないよね?名前知らない同級生は。
ニュースではお友達と川に遊びに行って溺れちゃったって。
私達もよく行く近所の小川。
あの子が来ているのは見たことないけどなぁ
お母さんはフィルムを貼られたような映像で「なんであの子だけがこんな目に…」と泣き喚くテレビ映像。
私の親からも危ないからあの川に行くなと言われた。
ひまわりが咲いているのを見るとあの子の笑顔が見える。何年経っても。
私しか知らないあの子の笑顔だったら悲しいな。
才能は花が咲く様に一瞬で、すぐに枯れてしまう。
どんなに綺麗な花でも、新しい事に価値がある様に、代替え品を世の中はずっと求めている。
だから、画面越しに輝く貴方が早く朽ちてまたあの日の様に話せる事を私はずっと願っている。
貴方は花なんて言う程綺麗じゃない。
それでも私は、花より美しいと思っているんだ。
「花咲いて」
花を咲かせることは
自分が人から見られたり
攻撃されても大丈夫な準備ができた合図
他の花の花粉を受け入れて
自分は花弁を落とし
実を結び種を残す覚悟だの
哀れで可憐で気高い花嫁。
そういうわけで
わたしの花は
咲く準備は当分整わない
「花咲いて」
小学生の卒業式に、
校長先生が贈ってくれた言葉。
念ずれば、花開く
当時は古臭い響きだな、なんて
ありがたく受け取ることができなかったけど、
可能性ある子供達にとって、
とても意味のある言葉だったんだと、今は思う。
#花咲いて
『花咲いて』
今日、1つ決めた。
気持ちが、穏やかで
ホッとした。
良かった…。
花咲いて
水がなくなり
枯れてゆく
まるで儚く散って行く花火のようですね。
俺は好きな人お祭りに誘えなかったな。