『自転車に乗って』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
自転車に乗っていつもの帰り道を通る。特に変わり映えもしない。いや、この前、新しい家が建っていた気がする。うろ覚えだけど、そんな気がする。
自宅に帰るまでは1時間くらいかかる。ちょっと栄えた街中を通って、人の少ない田畑だらけの道を走って、寂れた町のさらに端っこまで続く。
スーパーもコンビニもない、もちろん自販機なんてもってのほかだ。どこに行くにも時間のかかるこの町、いや、集落が俺の生まれ育った場所だ。
これから先もずっと通るであろう帰り道に面倒を感じながらも足を止めることはせず、だらだらと自転車を漕ぐ。あー面倒くさい。
No.90『自転車に乗って』
自転車に乗って私はどこまでいけるだろう。
分からない。
それを知るためには挑戦するしかないんだ。
自転車に乗って
君と出かけたい
君は前カゴの中
私はペダルをこいで
君に知らない世界を
見せてあげたい
君は目を真ん丸にして
全力拒否かな
自転車に乗って
どこへでも行っていた
あの頃
今は
全く乗らなくなってしまったけれど
また自転車に乗って
出掛けてみたい
電話をしたのに
寂しくて
声を聞いたのに
苦しくて
欲ばかり増えて行く心
触れていたいのに
遠すぎて
触れて欲しいのに
遠すぎて
心の穴が拡がっていく
もっと呼んで
もっと聞いて
もっと 好きでいて
あなたの気持ちは分からないけど
私はあなたのどこにいる?
私の気持ちも分からないでしょ
携帯抱いて、泣いてるなんて
笑い声が好きなのに
切なくて
今も話してるのに
どこか遠い
両思いのはずが片思い
もっと知って
もっとかまって
もっと 私の事考えて
あなたの気持ちはどこにあるの?
あの頃はもっと分かったのに
私の今の気持ちなんて
きっと気づいてないんでしょ?
おはようも おやすみも
私にだけ言って欲しい
名前を何度も呼んで
私をあなたで満たしてよ
もっと素直に
もっと伝えよ
もっと 居られるように
あなたの隣で手を繋いで
離れていても包まれたい
このままずっと ふたりでずっと
笑いあっていられるように
自転車に乗って
(本稿を下書きとして保管)
2024.8.14 藍
自転車に乗ってどこか遠くに行こう
誰にも見つからない場所へ
風を切って前へ進もう
見つからない静かな場所へ
自転車に乗って進もう
果てしない大地の上を
冷たい風が吹き抜ける
さあ早く行こう
日が暮れる前に
自転車に乗って遥か彼方へ
★自転車に乗って
暇なとき、家にある古い辞書を使って占いじみたことをする。
目をつむってパラパラめくって、開いたページで適当に指を置く。指を置いた場所に載っている言葉が今日のキーワード。
「ほかに誰がいる」という小説で主人公がやっていて、めっちゃ楽しいじゃんそれ!と思って私もマネするようになった。
今日は英和辞書でしてみたけど、go on a bike(自転車で行く)だった。まさかのお題と一緒。これ、嘘じゃないよ。まじだよ。アプリ開いてびっくりした。
みんなやってみて。
高校生の私は、
毎朝自転車に乗って
新聞配達をしている。
家族を養うためだ。
配達後、
シャワーを浴びる。
ひと息ついて、テレビをつけた。
「2歳児の描いた絵が4300万円の値がついた」
と、ニュース番組で特集されていた。
私の人生はなんなんだろうか。
いなずま:今日雷すごくね???
えほんとそれな
今コンビニ行こうとしてたんだけど流石に無理?
いなずま:むりです
いなずま:俺と一緒に行く?
え、いいの?
いなずま:俺電気無力化できるからな〜〜
じゃあお前がいいなら一緒に行く
とでもいうと思った?
いなずま:やっ
いなずま:え
無力化はできるけど一緒に行っちゃ俺死ぬのよ
いなずま:あ、確かに
いなずま:ごーめん
いいって、お気遣いありがと
いなずま:ていうかなんで雷落ちてんの?
なんか乾燥してるからとか聞いたことあるけど
なんでお前は知らねーのよ
いなずま:いや知ってたって!偏差値79舐めんな
偏差値79は俺もそう
てかやっぱ自転車で行くべきじゃねーわ
いなずま:え、自転車乗ってたん?
そうでーす。前みづらい
いなずま:あ
え、なに?
うmpわfおよmgda
j(G_p&aak#(jt
いなずま:うわwなんだこれww
知らねーよ…
#2024.8.15.「自転車に乗って」
自転車に乗ってコンビニ行こうとしたけど雷すごすぎて行くのやめた。hrak。
ちなみに最後の誤字は「なんでお前ここにいんのよ」って書いてます。
最後いなずまはしょうゆ顔テープを見つけて「おーい!」って言おうとしたら自分にちょっとだけ雷が落ちてテープが焦ってました。
雪国出身の自分は高校時代の冬の朝、自転車に乗って汗をダラダラ垂らしながら遅刻してはいけないと必死に雪道の上でペダルを漕ぎ続けていた。
無論雪道でしてはいけない危険なこと。しかし周りに誰もいないのならばと周囲を確認してから必死に漕いでいた。
ズササと先人が通って硬くなった雪を切り裂きながら無理やり車輪で再開拓する。朝食に出た目玉焼きのぱさつき気にせずもっと素早く食べていれば。そう後悔しながら雪をどんどん勢いのまま蹴散らしていく。
しかし大通りに差し掛かる手前の道で盛大に滑り思っきり脇に積み上がった雪へ全身が飛んだ。嘘みたいな一瞬の出来事。すぐさまヘルメットの隙間に入る雪を振り払い立ち上がってからいったん状況を振り返りふと思った。
すごい恥ずかしい出来事だったけどあんな見事な吹っ飛びがあったことを誰にも知られないのは悲しい。身体の跡がわからないほど崩れ落ちた雪山をみてそんなことを遅刻を忘れてのんきに思ってしまった。
なんか悔しい。何かがあったんだと存在を残したい。謎の悔しさを解消するために恐ろしく馬鹿らしいが雪山へ身体と自転車の跡が残るようにわざと身体をもう一度倒した。
よし、これで一件落着。これで存在を残して心残りなく再び登校できる。そう思いペダルに足をかけると、こちらをものすごい目で見つめている親子と目が合った。
目玉焼きをもっと素早く食べていれば。
詩(テーマ)
『自転車に乗って』
自転車に乗る、漕ぐ
風を感じる、風になる
坂道では立ち漕ぎ、鬼の顔
坂道はスリリング、飛んでいる
流れる景色、人の声
変わらぬ太陽、鉄板焼の道
水着の子供、プール帰り
夏はどこまで、開放的なのか?
暑さで脳が、やられるのか?
君に「好きだ」と、告白できたら
急に夕立、降りそうだ
自転車に乗って、君を乗せて
遠い未来まで、行きたくて
自転車に乗ろう
そして私たちは風になるの
そうしたらいつだってあなたと一緒にいれるはずでしょ
─────『自転車に乗って』
自転車に乗って
君と出逢ったバス停に行こう
向日葵の花と
君の気さくな笑顔が眩しくて
思わず声をかけた
思い出の場所に
今度は
僕だけじゃなくて
自転車の後ろに君を乗せて
サドルに跨がる。
ハンドルを握る。
ペダルを漕ぐ。
あとは冒険心に背を押されるまま。
自転車に乗って日本一周したらどうなるのかな
まず、体力持たないねぇな
日本一周したいなぁ
自転車旅したい
自転車レースしたい
自転車破壊したい
ストレス発散してコロナをぶっ飛ばしたい!
自転車に乗ってどこまでも行こう
そこに輝く希望あるから~ランランラン
ラララ
《自転車に乗って》
私は今、彼の漕ぐ自転車の後部に乗り、下り坂で思い切り風を切りながら。
『…………ひっ!』
……声にならない悲鳴を上げています。
事の始まりは、帝都の過去の技術を改めて見聞し体験しようという研究の一環。
輸送機器の中でも少人数用乗物担当の人達が、今普通に使われている宙に浮かんで走るタイプの乗物以前の物を復刻させてみようという事で、資料に残されていた自転車を数台作り上げたそう。
エンジンが付いていないとは言っても乗り物なので、当然正確に作ることが求められる。そこはさすが帝都の技術者。完璧だった。
ここまでなら、おお凄い、の一言ですむんだけど。
その担当の人達が嬉しそうに彼の元へやってきて、
「二人乗りも含めて安全性のテストは済んでおりますので、是非お試し下さい!」
なんて嬉しそうに試作品を持って来たのが、私の運の尽き。
機械文明が一番発達してる帝都で生まれ育った彼は、人力で動く乗り物にはさほど縁がなかった。
帝都は彼が生まれる直前くらいに機械技術の頂点を極め、乗り物はただの電動ならともかく地面から10センチほど浮いて走るタイプが主流。
比べて他国は逆に機械がほぼ導入されていないから、大使として赴任していた時はリヤカーなどの単純な作りの車両は見ていた彼。
そのせいか、人力の自転車という試作品に興味津津で。
「なるほど、ここがハンドル部分で、これを握るとブレーキが働くわけですね。」
などと技術担当の人達から説明を受けながら、彼は走行練習を熱心にしていた。
最初のうちこそバランス取りや速度の調整に苦心していたけれど、そこはさすが軍人として戦ってきた人。
持ち前の体幹のよさもあって、15分も経てばスイスイと乗りこなすようになっていた。
その時の様子は、まさに喜色満面。
幼い頃から家族に虐げられて、軍人として育てられてきたからかな。
大掛かりな軍用機や飛空船に仕事などで乗る機会はあっても、純粋に乗り物に乗って楽しむことはなかったんだろうな。
普段は真面目で堅実な彼が、時折スピードを上げたりしながら、笑い声さえ聞こえてくるくらい楽しそうで。
大人になってからでも、彼がこんな風に無邪気に楽しめて本当によかった。
私も嬉しくて頬を緩ませながら様子を見ていたら。
「そうだ。僕が漕ぎますから、後ろに乗ってみませんか?」
と、それはもう無邪気な笑顔で。
これを断れる私ではありません。ええ。
気が付けば即座に快諾し、スカートを巻き込まないようにしながら彼の座る座席の後ろに腰掛けておりました。
「ちゃんと掴まっていてくださいね。」
と言われたので、軽く彼の腰に手を回す。
う、初めてでドキドキする。
「では、行きますよ。」
そう言った彼は、ペダルに掛けた足に体重を乗せゆったりと発車した。
ふわ、と体重が移動する。
あわてて前に自分の体重を移動させる。
緩い上り坂もあるからか、ゆったりと走っていく車体。
緩やかに揺れる彼の背中。
少しだけ彼の背中を掠めた頬が、熱くなる。
身体の横をすり抜ける風が、少しずつ速くなっていく。
ドキドキしながらも重心の移動に気を付けていると、前から弾むような声が掛かった。
「バランスとか大丈夫ですか?」
ああ、凄く楽しそう。幸せだな。そう噛み締めながら、
「はい、大丈夫です!」
と答えたら、ふふ、と笑い声。
「ああ、ここから下り坂ですね。少し速度が上がりますのでしっかり掴まっていてください。」
え? はい?
坂道?
前が見えていない私は気が付かなかった。
今までは、緩やかだけど確かに上り坂だった。
上った先には、当然下り坂があるわけで。
彼は座席に腰を落ち着けると、ペダルから足を離した。
ここで、一つ。
私、実は絶叫マシン系が大の苦手でして。
そんな物があるわけがないこの環境。今までそんな話に私が触れているはずもなく。
重力に任せて下っていく、二人乗りの自転車。
そして冒頭のとおり、私は声なき悲鳴を上げることに。
い…いやーー!!
ちょ、ちょっと! ホント速過ぎるスピード落としてーー!!
多分、時速としては30キロ行ってるかどうか。
それでも、怖いものは怖いのよダメなのよ!!
恐怖に煽られて、無我夢中で彼の背中に力一杯しがみつく。
急に力を入れたからか、その背中からびくりと動きが伝わってきた。
何で驚いてるの。驚いてるのこっちだから!
ちょっと今はごめん必死過ぎて構っていられない!
坂道を下る速度と重力に耐えかねて、強く目を瞑って彼の背中にしがみつき続ける。
何も考えられなくなった頃、気が付けば乗っていた自転車はその動きを止めていた。
座りながら、とりあえず地面に足を着く。
自転車を漕いでいるのは私ではないにも関わらず、私の息はもう絶え絶えで。
心臓は、これ以上ないほどバクバク跳ねている。
言葉を悪く言えば、跳ね散らかすという表現がしっくり来るくらい。
こんな精神に来る思いは、どれくらいぶりだろう…。
私がそのままの体勢で呆然としていると、彼が申し訳なさげに話しかけてくる。
「あー…すみません。調子に乗り過ぎてしまいました。大丈夫でしたか?」
さすがに、ちょっとこれは。
「…あんまりだいじょばないです…。」
いつもは慎重に行動する貴方が!
子供か!
ジェンダー恐れず言わせてもらいます!
初めての乗り物を前にすると!
男は皆!
子供になるのか!
目を瞑ったまましがみついた腕に力を込めると、寄りかかったところと回した手からドクンドクンと早くて強い音が。
あれ? そういえば私がしがみついてたのは…?
目を開いて冷静になると、自分の行動のとんでもなさに仰天した。
慌てて身体を起こし彼から手を離そうとしたけれど、それは大きな手に包みこまれて叶わなかった。
「…本当にすみませんでした…。」
その囁くような声音は、しょんぼりしたから?
それとも…。
「…いいです…。」
どちらにしても、こう答えるしかなかった。
あなたには話せていないけれど、あなたの辛い過去も知っているから。
こんな行動も、いいです、と。
《自転車に乗って》
軽やかにスイスイ進める
きっと気持ちいいだろな~
人生もスムーズに進んだらいいのに…
わかば
━━━
《自転車に乗って》
うろうろ遠回り
疲れてしまったよ…
あおば
自転車に乗って
数十年ぶりに自転車に乗った。何の旅でもない。ホームセンターに猫のトイレの砂を買いに行くだけ。
自転車は高校生以来だ。乗れるかな、と不安だったが、実際に乗ってみると、なんの問題もなく走れた。風を切りながら進むこの感じ、懐かしい。
自転車の乗り方というのは、長期記憶というらしい。他には母国語や楽器の弾き方などが長期記憶に含まれる。長期記憶はなかなか忘れるものではないらしい。
ところで、私は車の免許はマニュアル車の免許だ。けど、実際にはほとんどオートマ車の運転のみだ。もし、いま、マニュアル車を運転しろと言われたら、正直、かなり不安だ。
私の半クラッチは、長期記憶ではないと思われる。まあ、ほとんどが教習所の時のみだ。記憶に残すほどではない、と脳が判断したのかもしれない。
──自転車のお使いに戻る。
昔とはまったく違う町を走っているのに、何故か懐かしい感覚がよみがえってくる。
ブレーキの感触、電柱の避け方、歩行者の避け方。車道と歩道を行ったり来たり。
坂道に差し掛かる。
そういえば。
先に下校した好きな子に追いつこうと、全力で坂を下って、1回転半の大転倒をしたことがあったっけ。
その時の記憶が浮かぶと、恋のドキドキと、宙に浮いた時の、これはマズイ、と意外に冷静に思った感覚、が体に蘇った。こんなにはっきり思い出せるとは……。
あの恋と、あの大転倒の恐怖も、忘れ去ることのない、私の長期記憶なのかもしれないなあ。
とにかく、もうさすがに転びたくない。2袋買おうと思ったけど、1袋の砂だけで帰ろう。
安全運転でね。