『胸の鼓動』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【胸の鼓動】
◀◀【きらめき】からの続きです◀◀
⚠⚠ 警告。此ノ囘ヨリBL展開ニ至レリ。誤讀危機囘避ノタメ、各〻自己判斷ニテ下記本文すくろーるヲ願フ。以上、警告終ハリ。 ⚠⚠
食事を再開してメインディッシュに取り掛かる。程よく冷めて味わい深くなったボリューム満点のビステッカ。下に敷き詰めてあった付け合せのキノコのアーリオオーリオは肉汁がたっぷりと染み込んでいて、これもまた絶品。美味しさに勢いづいて半分ほど平らげ、小休止にふたたびワインをかたむけながらゆったりとした心地で二人は会話中心にくつろぎ、エルンストが気になっていたことを口にした。
「ところでアラン……旅行中なんですよね。どういった旅なんですか?」
「ああ、特にあてのない旅さ。昨日ふいに思い立って休暇をむしり取ってね。気の向くまま車を走らせて、のんびり愉快に過ごせられればいいなと思ってたんだけど。道の途中で強引に引き止めてきた誰かさんのおかげで、波瀾に富んだ旅の幕開けとなったよ」
戯れがちな上目づかいでじゃれるように皮肉を言うアランの、どこか色気のある表情に思わず胸の鼓動が跳ね上がる。ワインのほろ酔いも加わって、エルンストは顔が赤らむのを自覚しながらうなだれ気味になって恐縮した。
「……それじゃ、今日が第一日目だったんですね……そうとは知らず……申し訳ないです」
なんだか小さくなっていくようなエルンストが愛らしくて自然と浮かんだ笑みが深くなる。誠実でまじめ、初々しい若者。気の利かせ方も悪くなく、なかなかの多才。良い人材を見つけた、この縁は大事にしなければ。
「感謝したつもりだったんだけど」
深めた笑みのまま悪びれることなく、アランはワイングラスをエルンストへ軽く掲げた。
「君という楽しい人物との劇的な再会、素敵な場所での満足いく最高の食事。こんな愉快な旅のはじまりはちょっとないよ。まさしく君のおかげだエルンスト、今ここでちゃんとお礼を言っておかなきゃいけないな。ありがとう」
アランに率直な感謝の言葉を告げられ、しょんぼりしていたエルンストの顔に喜悦の光が晴れやかにあらわれる。が、なぜかまたみるみるしぼんでいき、ガックリとへたばってしまうように椅子へ沈みこんで、片側の肘掛けに寄り掛かかりかろうじて姿勢を支えるといった、より悲愴な観を呈していった。その様変わりに驚いてアランは掲げたワイングラスをテーブルに置き、急激に元気をなくしたエルンストを慎重に気遣う。もしかして疲労限界にきた前兆だろうか?連日のオーバーワークの後に気を緩ませると危ないと聞く、ストレスを与えないようにゆっくりと抑えた声音で声をかけた。
「 ―― どうしたんだエルンスト?なんだかつらそうだ、気分が良くないのかい?どこかで横になって休ませて……」
「……いえ ―― 大丈夫です、そんなんじゃ……ないんです……」
アランの言葉にエルンストが絞りだした声を被せた。話しかけるのをやめてアランは黙って見守り、エルンストの言葉の先を神妙に待つ。
「……ごめんなさい、心配させてしまって……その……」
いったいどうしたんだろう?片手で胸元を押さえてなんとも切なげに眉根をひそめている。二人の沈黙に店内を流れるロマンティックなBGMがいたづらに耳を打った。
「その……あらたまった感謝の言葉を聞いて……ああ、食事が終わったら、あなたはまた旅に出て……もうお別れしなければいけないんだなと思うと…………苦しくなって……」
そこで言葉を切り、淡い金色の濃く長い睫毛を半ば伏せて項垂れた。
―― 哀愁ただよう佇まいにあつらえたような情感あふれるBGMが響きわたる中、またもや予期せぬ想定以上のエルンストの超越した言動にアランは絶句し、しばしポカンと思考停止状態に陥ってしまった。
―― とにかく…… ―― そう時を置かずになんとか立ち直ると、アランは落ち着いて状況を把握する。
エルンストは体調が悪化したわけじゃなかった、と分かり胸をなでおろした。が、自分との別れに際して、そこまで悲嘆に暮れるなんて ―― と仰天させられることひとしおだった。――……なんというか……今どきめずらしい、人情味が深くて情熱的な子なんだろう ―― 病院でのハグもそうだったし。そう結論に至って脱力したアランだった。
それにしても ―― またもしてやられたか、エルンストに ―― 急におかしさが込み上がった。クスリと笑ってワイングラスを手に取り、一口味わって気を取り直すとアランはエルンストに向かって口を開いた。頭の片隅で考えていたことを実行するちょうどいい機会だ、僕もすこし脅かしてやれ ――
「エルンスト……君、本当に僕をドキリとさせる天才だね。まさか別れのことなんかで苦しんで、大袈裟にしんみりし過ぎだよ。あまり自分勝手に感傷的になられると、僕としては非常に困るんだけどな」
突き放すような冷めた口調でのセリフ。言葉どおりそのまま受け取れば、人でなしの薄情野郎と頭にくるだろう。エルンストはどういったものか、打ち拉がれた顔を上げ、悲しげに見開いた水色の双眸を言葉もなくアランにひたむけた。少しおふざけの度が過ぎたかな……微かな罪の意識を覚えながらもドライを装った調子を変えずに続ける。
「僕はまだこのあとも君と別れるつもりはこれっぽっちも無かったんだ。そのことで話し合いたいことがあったのに、言い出しづらくしてくれてまったくひどいよ。ああもしかしてエルンスト、言葉とは裏腹に、本音は僕とはさっさとおさらばしたいからあんなことを言ったのかい?」
突然ガタンと勢いよくエルンストが席から立ち上がった。瞳はアランに向けられたままだが、悲しみの翳りは消え戸惑いと喜びと期待が入り混ざった面持ちでテーブルに手を据え、やや屈みがちに身を乗り出してアランに問うた。
「 ―― 僕の本音はご想像にお任せします。あなたなら正しくお見通しでしょうから……でも……どういうことでしょう?僕と……まだ……?」
この体勢ではしゃべりにくいな、苦笑いをにじませてアランも立ち上がるとエルンストの傍らに立った。エルンストもアランに向き直り相対する。面と向かってまじめな話をするときのクセ、前髪を掻き上げ、ほんの少し背の高い彼を見上げてアランは説明した。
「この先、君なしで旅を続けられる自信が無くなってね。だって初っぱなからいきなり君に刺激的な思いをさせられてしまったんだ、もう平穏無事で退屈なだけの、いつもと大して変わらない不毛な時間を一人旅で過ごすことにはなんの魅力も感じなくなった。じゃあ残された休暇をどう使おう?そんな自問に思い巡らせたら、我ながら良いアイディアが閃いてね。食事が終わったら君に打診しようと思っていたんだけど……」そこでいったん停止。次に控える大事な取引の誘い文句のために軽く息をつく。かたや息を呑んでアランを見据えるエルンスト、さあどんな答えが返ってくるだろう?楽しみに待ち構えて右手を差し出し言い添える。
「エルンスト・ヴィルケくん、ぜひ君を僕の一週間の旅の相棒に雇用したい。報酬ははずむつもりだよ、どうかな?」
言い終わると同時になんの前触れもなくまたハグされた。今度はかなり激しいかも、不覚にもよろめいてしまった。
「 ―― ヴィルケくん、このハグは、契約に応じるという握手の代わりと解釈していいのかな?まだ報酬や他の細かい条件の話をしていないけれど……」
「報酬なんて要りません、条件だってなんだって呑みます。アラン……ジュノーさん、あなたについて行きます」
即答だった。取引成立。企業同士での他の交渉も毎回こうだったら良いのに ―― などと思いつつ、なんだかお互いプロポーズみたいなやりとりだったなとアランが一人のんきにクスクス笑い彼の背を抱き返すと、二人分のエスプレッソが乗ったトレンチを持って呆然とこちらを見て立ち尽くしているクラーラ ―― エルンストの伯母さんと目が合った。とりあえず手を振って挨拶する。
「もう終わったと思って食後のエスプレッソを持ってきたのに……まだ食べ終わってないの、あんた達!」
その一喝にエルンストは我に返り、泡を食ったようにアランの首に回していた両腕を外してハグを解き、真っ赤にした顔で伯母を振り返り言い訳する。
「あの、伯母さん、これはその……」
「いちゃついてないで、いいから早く食事を終わらせなさい!残したら二度とスペシャルランチもディナーも無しだからね!」
テーブルの空いてるスペースにエスプレッソを置き、そう叱って甥の尻を手で打擲するとまた出ていった。アランは口元と腹をそれぞれ両手で押さえて笑いをこらえながら笑っている。エルンストは打たれた尻をさすりつつ嵐が去っていった方を恨めしげに一瞥すると、アランへ向き直ってポツリと告げた。
「食事……終わらせてしまいましょうか……」
「ああ、これ以上なく賢明な意見だ、エルンスト。あの有能なシェフに嫌われたくないからね」
二人うなづき合って席につくと、笑い合いながら大急ぎでテーブルの上の美味なるものを一口も残さず片付け終えた。そして伯母さんにご挨拶をと名残惜しくも席を立ち、彼女がいるであろう厨房へ連れ立って向かった。
▶▶またどこかのお題へ続く予定です▶▶
㊲胸の鼓動
もうすぐ
会える
3ヶ月ぶり
鏡をみて
時計をみて
高鳴る
この胸の鼓動が
聞こえないようにと
祈った
「胸の鼓動」とかけまして
「マスクを配布」と解きます。
その心は「心臓/晋三」です。
高鳴る胸の鼓動が止まらない。
未来への希望が止まらない。
このワクワクに乗ってどこまでも。
久しぶりにあった貴方
やっぱり
どうしようもなく愛おしかった
優しい言葉を紡がれれば
胸の鼓動が鳴る
綺麗な微笑みを向けられれば
胸の鼓動が鳴る
貴方のそばにいれば
胸の鼓動がなる
_胸の鼓動_
今日このアプリを見つけ試してみた。
このアプリを試している間は、死なないだろう。
休日は人と会わなくていいので気が楽だ。
正直、家族といるのも苦しい。だからずっと
部屋に籠っている。
最近は、母親からの嫌がらせがエスカレート
している。私の気持ちも分からない癖に、
まったく癪に触る。目障りで鬱陶しい。
私の行動にいちいち文句を付けてくる。
自分がしたことなのに、他人が文句を付けてくる
意味がわからない。私のためらしいが、
そうだと思った事は一度もない。
親友といる方が私のためだ。
(初めて書きました。どうか暖かい目で見てくだい
)
ドキドキ…
胸の鼓動が抑えられないなんて
いつの話しでしょう?
ここ最近は…
無いに等しい。
たまには、
ドキドキしたい…な。
梅茶々
「胸の鼓動」
これは、私のことです。
最近動悸が激しく、とても気持ち悪い。熱もあるので病院に行ってみたらストレスによるものですねと言われた。
最近嫌なことが沢山あって、なので皆さんも自分を大切にしてあげてください。
眠れない夜に
聴こえてくるのは
恋の足音
#胸の鼓動
ありのままの
私の魂
きらめく瞬間、早くなる
青く晴れた日手を取り合った時
とある人との再会
幾度と聴いた音を皆と交わす時
きらめきを忘れぬよう
胸に手を当てて、感じて、続いて
#胸の鼓動
貴方の近くにいると、胸の鼓動が高鳴るの
何かの病気かしら
貴方と話していると、胸の鼓動が高鳴るの
どうしてなのかしら
貴方と食事していると胸の鼓動が高鳴るの
心配になっちゃう
貴方に触れられると、胸の鼓動が高鳴るの
一体どうしちゃったのかしら
貴方といると、おかしいの
ちょっぴり怖いけど、
貴方のことは好き
また鼓動が高鳴るの
いつもより
大きく
あなた
どうして
鼓動が高鳴る
鼓動がとまる
あなた
どうして笑ってるの
今、目の前に私の片想い中の先輩がいる。
同じ部活で、同じチームになった
こんなに近くで先輩のプレーを見れる事で、
私の胸の鼓動がドキドキで鳴り止まない
いつの間にか「胸の鼓動」よりも「動悸」を感じるようになってしまった。
心臓の鼓動がとまらない限り生きることは続くのだろうか
止める方法……
思いつくかぎりでは苦しさや痛みを伴うものばかりだ
『胸の鼓動』2023,09,09
眠ろうと目をつむり、横になってから数分たったのか
心臓のドドドドが始まった。
この上なく安静な状態なのにまるで全力疾走した後のよう。
時計に目をやる。蛍光塗料のボンヤリ光る秒針。
耳に聞こえる心音で10秒間に27回、28回?
早くてカウント出来ない。
苦しい、心臓が口から出てきそう。
そんなことあり得ないが、そんな感じ。
仰向けより横向いてた方が楽なので転がる。
あーあ、まいったまいった隣の神社。
治まってもしばらくスゴい疲労感で寝付けない。
とりあえず暴れる心臓をなでてやろう。
はい、ねんねんよ。おころりよ。
胸の鼓動の数というのは決まっていて、それがゼロになると人は死ぬらしい。
それが本当ならば、運動している人ほど寿命は短くなるし、緊張しやすい人の寿命だって短くなるはず。長生きしたければ、穏やかに生活をしなければいけなくなる。元々、私に長生きの願望はないが、学校の先生がそんなことを話していたせいでふと気になったのだ。
だが、今の私は心穏やかに生活するなんて到底できそうにない。原因はサッカー部の幼馴染だ。今まで意識してこなかったのに、先日急に告白してきた。
「部活の大会でレギュラーに選ばれたら、付き合ってくれ」と。
一年生なのに、レギュラーに選ばれるわけなんてないと言い聞かせていた。だが、実力は誰よりもずば抜けていることもわかっていた。マネージャーを務めている私でも、彼が先輩を差し置いてレギュラーに選ばれる可能性があることは十分にわかっていた。そのせいで、メンバー発表の日までずっと意識してしまっているのだ。
目が合っただけで笑いかけてくる。点数を決めると真っ先に私に手を振ってくる。他の人たちにからかわれても堂々と振り向かせたいんだと言っている。寿命が短くなっているのを感じながら、日々を過ごしていた。
そして、試合メンバー発表の日。背番号順に発表されていき、ついに最後の番号が言われる時。幼馴染の名前が呼ばれた。彼は小さくガッツポーズをして、私に向けて小さくピースしてきた。
帰り道、幼馴染と会う前に早く帰ってしまおうと急いだが、待ち伏せされていた。
「付き合ってくれるよな?」
あんなに幼くて可愛らしい顔をしていた幼馴染はどこにもいなくて。しっかりと男の顔になっていた。凛々しくて、力強い目に、この人になら寿命を短くされてもいいかもしれないと思った。
鼓動のリズムは生と命を
我々に認識させる
母の鼓動を聴いていたころの安心感を
血が巡る温かな身体を
愛する者が生きていることへの感謝を
鼓動一つで感じることができる
鼓動のリズムは着実に
時が経過していることを
我々に認識させる
老いの恐れ
病の恐れ
死への恐れ
愛する者と別れることへの恐れ
時には限りがあることを
鼓動ひとつで感じることができる
いまという時を大切に
命のビートを強く刻んでいけ
"鼓動"
明日か明後日から、また書き始める。
たぶん明後日から少しずつ。
枠だけ置いとく。書けたら編集する。
この胸のときめきは
なんだか久しぶりのことで
まさかこんなことでって
驚いています
なんだろう
ただ 笑っている声で
ぼんやりとした顔で
友達と歩いている姿で
本当にただそれだけで
実は
歌がうまいこと
勉強ができたこと
口が悪いこと
友達の前では すぐにかっこつけること
あなたを見ていて知りました
あなたがいてくれるだけで
今は生きるのが楽しい
あなたには
つたわらなくても
今はいいかな
この胸の鼓動を
伝える言葉が見当たらないから
胸の鼓動
ホームセンターに来ると、いつも胸がドキドキする。
店内を父と歩く場面が浮かぶ。その後しばらく何とも言えない苦しい感覚が続いて、徐々に元に戻る。ここまでがセット。
これが何年も何年も続いてる。
昨日初めて、思い切って立ち止まってみた。そして「もうドキドキしたくない」って思った。
そのままノロノロ移動してネジ売り場に来た時、胸の奥から何かがぬっと上がって来た。思わず小声で返事した。
「ああそうか。安心してたんだ。ずっとそれ言ってたのね…」
誰もいない通路で目を閉じる。3秒くらい。深呼吸。。
目を開けると、売り場の床に四角い日向が並んでるのが見えた。天窓から差す光が作る、日差しのかたち。
それらが一瞬粉々に砕けて、またすぐ元に戻ったように見えた。舞い上がる金色の粒子。。
…違う!全然元通りじゃない。
もうドキドキしてないし、長年親しんだあの苦しい感覚がない。
ずっと知らせてくれていた胸の鼓動。
私はやっとそれに気づいて、乗りたかった線に乗り換えたんだ。