『繊細な花』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
繊細とは、上品だ、とか、ほっそりとしている、とか、そういう意味があるらしい。「繊細な花」とは、
上品な花ということだろうか。
花についての知識はさほどない。薔薇、紫陽花、タンポポ、、、頑張ればもう少し思い出せそうな気もするが、パッと思い浮かぶのはこれくらいだ。僕からすると、道端に生えている雑草と生け花の見分けがつかない。こうやって、日本人独自の感性は失われていくのだろうか。
したがって、僕に「繊細」などというお題で良い文章を求めないでもらいたい。ありきたりなものか、無機定型文くらいしか書けないと思う。感性というのは、人の心を構成する上で、大切な要素だ。素晴らしい芸術に触れることが出来れば、僕の感性も取り戻せるだろうか。
いつもどこか遠い顔をして、近くにいるのに遠くにいるようなそんな感覚。きっと、心を覗かれることが怖いそんな繊細な花のような君の心に壊れないようにそっと触れて知りたい。
触れたら散ってしまいそう
壊れないように
大切に見守るの
繊細の花
繊細な花
これは幼い頃の話である。
「あ!この花きれい!」
綺麗な花を見つけた。
名前は知らない。
とても綺麗だと思って、その花に触れた。
ポトリ、
「え、」
花が、落ちた。
本当に軽く、少し触れただけなのに。
悲しくてどうしたら良いかわからなくて泣いてしまった。
その花は軽く触れただけで
落ちてしまうくらいに繊細だった。
風が吹いただけで落ちてしまうくらい繊細だった。
今でもその花を見るたびに思い出す。
繊細な花
繊細な花。繊細な人。繊細な物。
繊細すぎると言われることもあるけれど。
自分の花なのだから。
繊細な花を認め、一緒にゆっくり進んでいこう。
細かい点も見逃さず。
ただ、時には見逃すことも大切に。
繊細な花──────繊細な命を、大切にしよう。
#繊細な花
たったひとしずくの
優しさでも
キミの影に見え隠れする
哀しみにさえも
一喜一憂しながら
色を変え生命を煌めかせもする
時には淋しさに渇れはてて
朽ちてしまいそうになる
恋を知った花は
恋に染まった花はいつも
あなたという光を追いかけ
美しく咲きたいと願うのです
繊細な花
僕は昔から生き物を育てるのが苦手だった。
毎日水をあげる事を忘れてしまう。
小学3年生の時ホウセンカを育てる宿題が出た。
もともと水をあげるのを忘れがちだった。
そしてトドメの1週間の旅行。
帰ってきた時には枯れていた。
ホウセンカは多分他の花よりも
多く水が必要だったはずだ。
花に心があるかはわからない。
でも僕は悲しかった。
水をあげるのを忘れてしまうけれど
やっぱり悲しかったんだ。
僕は生き物は育てられない。
責任がとれないなら育てちゃダメだ。
繊細な花。少し触れただけで散ってしまいそうな、崩れてしまいそうな花。私はその花が大好きだ。だからいつも触れずに見ていた。
その花は今日、散ってしまった
硝子でできた繊細な花。
窓辺の陽射しを受けて複雑な影を落としている。
毎日眺めて楽しんでいたのに、ある日落として割ってしまった。
粉々になった硝子の破片。
あの頃の日々が蘇る。
ごめんね。
こんなこと言っても元には戻らないのだけれど。
ごめんね。
繊細な花
心のような
泥水で汚れて枯れそうな
だけど太陽のようなあなたの笑顔で大きく花が咲く
愛でていたい
大切に愛でていたいな
うっかり誰かが摘み取らないように願う
なくなると寂しい
あると、ほっこり心温かくなるよ
いつまでも咲いていてくれ
繊細な花
花に例えると
繊細な花
しんどすぎるほど
人間関係に
過敏で
気にしすぎ
分かっているだけに
生きにくい性格
なな🐶
2024年6月25日1582
せ、繊細な花ですか、?
繊細…えっと、意味わからんぐらい当たり判定ちっちゃいゲームの花とか、?
―繊細な花―
繊細な花を美しいと思った
過酷な環境下でも健気に咲き誇る姿に
魅了されていた
今でも、繊細で微妙なものは全て
美しいと思う
ただ、美しいものを美しいと
思えなくなってしまった
それはきっと心が穢れ、
視界も酷く濁ってしまったせいだ
彼は繊細な人だ
鉄壁なような部分を持ちながら
隙間を見せた時に
私が守ってあげるよ
世界中を敵に回ったら
私だけに見せてくれたから
私がいつも通る大好きな道には繊細な花が咲いていた。
いいことがあった日、辛くて泣いた日、逃げ出したくなった日、いつもそこには人の心のように繊細で綺麗な花が咲いていた。
触れてしまえば壊れてしまう。
枯れてしまうようなそんな花だった。
ある日友達が言ったの
「この花は1度枯れてしまったらもう二度と花を咲かすことは出来ないんだよ。」
私はそんな花を見ているのが好きだった。
でもね、もう二度と繊細で綺麗に咲く花を見ることはできないんだ。
だって、私もう死んじゃったんだもん。
繊細な花はまるで私のように二度と花を咲かすことはなかった。
君はとにかく横暴で、ガサツを絵に描いたような
人間だった。
上級生と喧嘩ばかりしているから、日に焼けた顔はいつも擦り傷だらけで、人の心配も笑い飛ばす。
正直君のことは嫌いだった。周囲から優等生といわれて、日々平穏を心がけている私の杞憂を、君は
豪快に丸めて放り投げてしまう。
それなのに中2のとき、私は君と、職場体験で老人ホームに行った。問題児の君と、優等生の私を先生は組み合わせるしかなかったのだ。
流れる汗も乾くような暑い日だった。
老人ホームの中庭を掃除しているとき、いつも乱暴に動く君の手が、ふととまっているのに気がついた。
うだる暑さに目を細めて、植木鉢いっぱいに溢れる真っ赤なハイビスカスを、君はじっと見つめていた。ハイビスカスなんて、別に珍しい花でもないのに。
「俺、小学生のとき、沖縄に住んでいたんだ。」
君の呟きに、私は「そう」とこたえた。君の出自になんて興味がなかった。
でも次の瞬間、その腫れぼったい瞳から流れ落ちるものをみて、私はぎょっとした。
ぽろりぽろりと、海の雫が落ちてゆくみたいに、
君は涙を伝わせていたのだ。人はこんなにも静かに泣けるものなのかと、私は息を呑む思いで見つめることしかできなかった。
結局、それから私たちは終始無言で、特に何事もなく職場体験は終わった。中3になると君とクラスも離れて、涙の理由もわからないまま、あれからもう関わることはなかった。
高校の修学旅行で初めて沖縄に行ったとき、
あの華やかな花たちがお墓にばかり咲いていてたのには驚いた。
ハイビスカスの花びらにそっと浮かぶ朝露は、あの日どうしてか泣いていた、君の涙のようだった。
#99 儚くも肉食
毎日世話する僕さえも
隙あらば取り込もうと
狙っている貪欲な君
温室の外ではすぐに枯れてしまう
儚くて繊細な花なのに__
お題「繊細な花」
花、繊細な花とはなんだろうか、儚い、一瞬で散る花を言うのだろうか、分からない。しかし、花というものは咲く瞬間散る瞬間どちらも美しい。繊細や花とはそういうことだろうか。
風が撫でれば花弁が落ちるほど繊細な花は、いつもショーケースの中にいる。
繊細な花は自分が閉じ込められている理由を知っているし、たまにショーケースを開けて水をくれる人が、自分を大切に扱ってくれているということも分かっていた。
彼は時間が来ると、ショーケースの小窓を開けて、水をくれる。
そして、今日の出来事や思ったことを繊細な花に教えてくれる。
繊細な花はその時間が好きだった。
彼の言葉はいつも優しくて、語る世界は彩りに溢れていた。
このまま続けば良いといつも思うのだ。
彼が部屋を出ることが増えた。
明るくなる前に家を出て、暗くなってから帰ってくる。
表情は活き活きとしているように見えた。
一緒にいる時間は減ったけど、繊細な花はそれでも嬉しかった。
彼が楽しそうに話すのを聞いているのが好きだった。
そのうち、彼が帰るのが遅くなった。
前までは家にいる日もあったのに、最近は毎日朝早くから家を出ていく。
表情は沈んで、しおれているように見えた。
繊細な花は彼が心配だった。
彼は相変わらず繊細な花へ水をくれて、話をしてくれた。
だけど、彼の言葉は少しずつ変わっていった。
トゲついて、ザラついて、語る表情も深刻そうで。
繊細な花はそのことが悲しかった。
ある日、彼は帰ってきても、繊細な花に水をやらなかった。
帰ってくるなり、泥のように眠ってしまって、朝が来ると慌てて出ていった。
繊細な花の花弁が一枚、落ちた。
そんな日がいつしか増えていって、ついに繊細な花の花弁は1枚になった。
命が終わりに近づいている自覚はあったけど、枯れたくないとそう思う。
その日、彼はまだ日が高いうちに帰ってきた。
なんだか清々しい顔をしていて、繊細な花も嬉しかった。
彼は繊細な花に語りかけた。
彼がごめんねとしきりに繰り返すから、謝ることなんてないと伝えたかった。
目を合わせてくれたのは久しぶりだった。
彼とたくさん話すことができて、繊細な花は幸せだった。
彼は最後に「ありがとう」と言うと、銀色に光るものを持った。
尖った方を胸に当てて、笑顔を見せた。
昔の彼に戻ったように見えた。
部屋の真ん中に鮮やかな赤が咲いた。
夕焼けが差し込む部屋で、繊細な花は生きる意味を失った。
繊細な花に水をあげる者はもういない。
そうして部屋の真ん中と隅っこで、一人ずつ枯れていった。