『狭い部屋』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
狭い部屋(6月4日)
狭くて、暗くて、怖い部屋
僕は嫌い
狭い部屋
目が覚めたら、とても狭い部屋にいた。
窓は無く、場所や時間は分からない。
ドアに手を掛けるが、開かない。
ドアを叩き声を上げるが、反応は無い。
へたり込み、考える。
私はどこにいた?何をしていた?
━━思い出せない。
順を追って思い出そうと記憶を手繰る。
━━━━何も思い出せない。
私の名前は?家族は?
心は絶望に満たされた。
過去を思い出して
閉じ籠る私。
体も心も蓋をした私に
光をくれたあなた。
ありがとう。
狭い部屋
いつの頃だろうか
住む部屋の広さが
幸福の尺度のように
勘違いしていた
本当の恋をしていた時
共同玄関、共同トイレ
お風呂も銭湯の彼の下宿
あの狭い部屋で過ごした時間が
今より不幸だったとは
少しも思えない
不便と
不幸とは全然違うものなんだな
あたりまえのことなのに
案外気づけないものなんだな
ダンボールで出来た秘密基地。
作って潜って遊んでた幼き思い出。
狭い部屋より広い部屋に憧れてた頃もあったっけ。
だけど、やっぱり背中を丸めてひっそりと。
狭い部屋にいるのも心地よいから。。
今日も狭い部屋で
ひっそりと、、、
音を奏でる、、
歌ってる♬w
狭い部屋
ぼやけた視界の中、毎日僕に話しかける声が聞こえる。
愛しそうで、どこか楽しそうな男の人と女の人の声。
僕はその声が大好きだ。
…でもそんな声が今日は少し寂しそうに聞こえた。
手を伸ばせばすぐ届くような狭い部屋の中。
(僕がいるよ!)
そんな思いを抱きながら僕は必死に足を伸ばした。
「あっ蹴った!!」
大好きな女の人の嬉しそうな声と
「また分からなかった…うう、次こそは触るぞ!」
大好きな男の人の残念そうな声に安心して
僕はまた狭い部屋の中を揺蕩うのだ。
20代、鬱の中、やっと親元を飛び出して一人暮らしを始めた。辛かった。16時からの仕事に、15時45分にやっと起き上がって出かけていた。帰ったらすぐ寝て、食事も味を感じずただ生きる為に手頃な物を買って食べ、家にいる間は、ほとんど動くことも出来ずその場で泣いてやり過ごしていた。誰にも助けを求められず、狭い部屋の中。
狭い部屋
それでも
あのときのふたりには
楽園のようだったんだ
空っぽの部屋にひとり
こんなに広かったっけ…?
どこにでも行ける。
どこまでも行ける。
限りない自由が怖い。
どこに行けばいいのか。
どこまで行けば許されるのか。
壁を立てる。
私を隔てる。
世界を隠す。
どこにも行かなくていい。
ここで蹲っていてもいい。
世界に果てがないことを知りたくない。
もう足が動かない。
もう息が続かない。
この狭い部屋で朽ちていく。
「狭い部屋」
私の心の中。
狭くて暗くて悲しい部屋。
誰かのノックを待ちながら、
部屋が明るくなるのを期待して。
でも本当はわかってる。
この部屋を広くできるのも、
明るくできるのも、
結局自分なんだって。
陳腐な事しか言えない私だけど。
それすらも愛せるようになれたらいい。
狭い場所は好きだ。カプセルホテルなんて、わくわくする。
しかしどうしてか。私の部屋は狭いが、窮屈で嫌だ。この差は何だろう。
わたくしが選択し、わたくしが塗り替え、わたくしが電気屋に並び、わたくしがエアコンを購入した、わたくしが電灯を取り付けたこの部屋。
人形箪笥一竿、PCデスク一対、仕事書類一式、文房具ラックひとつ、レコードプレーヤー一式、CDセット各種、etc etc…
最近来たリフォーム屋が言いました。
「いいえ六畳ではありません、四畳半ですね。」
狭い部屋
狭くて暖かい部屋がある。
それは家族がいる部屋
狭いけど心が温まる
憩の場所
敷きっぱなしの布団
寝ても取れる場所にあるスマホ
脱ぎっぱなしの仕事着
疲れて1歩も歩けない自分
仕事は辞めたいけど辞めたいと言える勇気もない
苦々しい笑顔で毎日を過ごす
やめたら楽なんだろうけどやめて何が残る
どっちに転んでも自分を殺しにかかってるんだと思う
いつかこの気持ちにも決着をつけたい
でも今は寝たい
朝なんか来なければいい
できることならずっと寝ていたい
この狭い部屋だけが私に安らぎをくれる
狭い部屋より広い部屋に憧れた。
でも今は狭い部屋で暮らした方が
なんだかんだ楽しかったなと思うときがある
広いからいいときも狭いからいいときも
いつしか わかること。
納得できました。狭いから。狭くても楽しかった
あの頃が恋しい。
大人になったからそう、思うのだろうか。
ここの部屋、こんなに狭かった?
そんな話題に 成長の記録。家族の行き来。
みんなの、いた青春時代。
あの頃が恋しい。
狭い狭い部屋
あなたとふたりのせまいへや
あなたは
「秘密基地みたいね?」
といった
そうさ
ここは僕たちの楽園
永遠に時間の止まった
子供だけの楽園さ
狭い部屋
狭い部屋というのは、窮屈だが、広い部屋というのも孤独感があって寂しくて嫌いである
狭い部屋
広い部屋の方が若干好き
狭いところも好きだけど
僕は外に出られない。
この狭い部屋ひとつが僕の居場所。
窓はいつも外から勝手にブラインドがおろされる。
壁は頑丈な割に薄いので騒音が素通しで辛い。
しかもここは屋上階らしく、暑さ寒さの差もひどい。
居心地最悪な空間に閉じ込められて、もう十数年。
初めは自分がここに居る理由が何も分からずに恐怖と苛立ちに駆られて泣き叫び、獣のように暴れていた。
けれど年月をかけ窓越しに学びを施された現在、諦念と怠惰によく馴らされ、日々静かに時間を喰んでいる。
今、僕が知ってるのは、この部屋が存在するこの世界と自分自身の運命とが完全にリンクしているってこと。
僕の死、イコール、世界の死。なんてこった。
だから僕は静かに、大人しく、できる限り密やかに生きることを決めた。勇壮な冒険者の気質なんて端から持ち合わせちゃいない。
何もしないことで世界が、そう、僕を受け入れてなお毎日を真剣に楽しく生きている君の命が救われるなら、僕は喜んでこの無為徒食の日々を受け入れる。
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狭い部屋
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所感:
ラノベでありがちなテンプレタイトルより。
「転生したら知らない奴の脳髄だった件」
子供の頃のおもちゃ達
棚の上のぬいぐるみ
中学校の教科書ノート
彼からもらった贈り物
部屋に染み付く記憶の跡で
ここは少し手狭になった
「またいつか」と呟きながら
記憶にそっと蓋をした
「狭い部屋」