『狭い部屋』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
昔から狭い部屋が怖かった。
別に、親に虐待されていたとかではないし、いじめられていたとかでもない。むしろ、家族仲は良い方だ。友人とも良き関係を築けている。
物心ついた頃からそうだった。小さな部屋に一人きりで閉じ込められていると、何故か焦りの気持ちが湧いてくる。早くここから出なければ、逃げ出さなければ、と。
そして、それは他人がそのような状況でも、この変な焦燥感が心の底から這い出てくるのだ。例えば、ペットショップ。犬や猫があんな小さなガラスケースに閉じ込められているのを見ると、「今すぐに助けなければ!」と思ってしまう。
「だからって…!」
現在、必死に自分の腰を掴んで行かせまいと頑張っている友人が叫んだ。
「サーカスのライオンの檻を壊そうとするのはやめろ!!!!!!」
だって体が勝手に!!
~狭い部屋~
怒られて納戸に閉じ込められたけど
あの方が一緒にいてくれて
暗闇なんて怖くなかった
56文字の黒の史書
狭い部屋
少し、汚い。
けど安心する
自分の家だからじゃない、
狭いとこが落ち着く。
それに狭い部屋の隅が
もっと好き。
だから押し入れとか
暗くて、高いとこが安心する。
猫みたい。
犬より猫の方が好きだから、
かもしれない。
あなたをこんな狭い部屋に閉じ込めたのは誰
早く外に出ようよ、ねえ
私と一緒に行こうよ
もう鍵は開いているんだよ
【狭い部屋】
新しい自宅の自室は、自分にとって広すぎる空間だ。
でも、友達を一人でも招き入れた途端に「あ、狭いな」と感じることがあるのは、なぜだろう。
狭い部屋で二人で一緒に本を読む時間が好きだった。一人で本を読むと何だか足りなくて少し寒いような寂しいような気持ちになった。なぜかは分からない。こんなにも狭い部屋なのに一人で居るのは嫌だ。狭い部屋でまた出会えることを夢見て今日も一人眠る。どうか、良い夢が見れますように。
私の心にはふたつの部屋がある
実際にはひとつの部屋なのだろう
ひとつは真っ暗で圧迫された狭い部屋
ひとつは真っ白で果てしなく広い部屋
そこはわたしともう1人のわたしが共存する部屋だ
もう1人のわたしは今も体育座りをして俯いている
最近はあまり叫ばなくなった
静かにただ静かにその場にいるだけ
わたしは隣でただいるだけ
何も聞けないし何も話せない
ふたりでただその場で時間だけがすぎていく
そんな部屋
前まではふたりで私の生活を営んできたけれど
仲良く話ができる日は来るだろうか
狭い部屋にはいい思い出がない、あるいはいい印象がないって人の方が多いと思う。私もそうだ。
狭いからと言って暗いとは限らない。
僕はいつも狭いこの部屋に閉じこもる。
「僕」はこの体の主人格だったが、学校での日々に疲れて今は違う人格に預け閉じこもり続けている。
だってこの部屋は僕から辛い事、苦しい事を忘れさせてくれる。殻に閉じこもったまま。何もかも観ないふりをしていく。もう幾日過ぎたか分からない。
「早く死なないかな。この体。」
毎日毎日狭く暗い部屋から祈っている。
「ボク」はこの体の主人格が作り出した別の人格だ。
「僕」は学校での辛い日々に疲れたのか今は暗い部屋に
閉じこもっている。誰も僕を救えない、ボクでさえも。
だから、こうして僕の振りをし続けながら願う。
「僕」があの暗い部屋から出てきて生きられるように
なることを。それまでは「ボク」が君の辛さを背負って
生きていくから。
「誰も君を待っていなくてもボクは待ってるから。」
『狭い部屋』
居心地がいい 私の世界
想像で広がる庭
物理的な大きさなど
私には関係ないのだ
狭い部屋。
私の部屋は、狭い。
ベッドとタンスを置くだけで
スペースは取られ、パンパンに
なった。
でも これくらいの狭さが
私には 丁度いいのかも
しれなくて。
もう一つ
できることならもう一つ。
あなたを隠しておけるくらいの
地下室も欲しかったなぁ…なんちゃって★。
狭い部屋に押し込められた三角と丸と四角
ぎゅうぎゅう
形はゆがんで
くるしくて
押しつぶされて
真っ黒になる
あんなにつやつやで
ぷるぷるだったのに
床にへばりついて溶けて
もう剥がれない
上を向けばほら
あんなところに窓があるのに
上を向くこともない
窓の外にはあんなに星がきらきら
またたいているのに
見えるのは真っ黒だけ
狭い部屋に帰りたい。
会社の飲み会の中、彼はそう考えていた。
友達とはいえない同僚、説教くさい上司。
(はぁ、つまんない。)
けど彼は二次会まで行く予定になっている。
狭い部屋でしたい事も無いから。
彼には新しいことが減ってきた。
もうこのまま不安と共に年を食っていく。
これでいいのか迷いながら。
――狭い部屋――
明るいとも暗いとも考えなかったものだ
勢いだけは天才らしく
傍から見れば壁や床に転がる凡才
息の根を止めたことで得たもの
1粒も気付かず埋もれ死ぬだけ
本物は狭い部屋にいたはず。?。?。
カーテンの隙間から夕日のオレンジ色が差し込んでいる。その光から隠れるように部屋の隅でうずくまっていた。少し冷えた空気を肺いっぱいに吸い込む。遠くに聞こえる、子どもたちの楽しげな声が耳につく。自分の部屋にいるのにどこかへ逃げたいと思いながら、結局動きもしないで夜を待つ。
ため息を、吐いた。訳もなく泣きたくなった。一人でいることがひどく寂しいのに、誰かと会うことの方がとても怖い。有り余る時間の中で焦燥感に追われている。だから夕方は嫌いだった。外から聞こえる喧騒に取り残されたわたしだけが、悪い子であることを自覚してしまうから。
日の傾きと共に細くなっていく光と、ゆるやかに暗くなる室内をじっと睨む。まぶたは重いのに目は冴えていく。この狭い部屋にだけ満ちた重苦しい空気の中で、無駄に繰り返すばかりの呼吸がいつか止まりますようにと。生ぬるい吐息を溢すことも止められないまま、独り善がりに祈った。
狭い部屋
苦しいことがあるとき、狭い部屋には居たくないなって思う
自分の気持ちを閉じ込められてしまいそうでしょ?
しんどい時には
大きな窓が開いて風通しが良くて、明るい日差しが入ってる様な
広ーーいトコで寝っ転がりたい!!
気持ちの良い場所で、そうしていると
なんだか、全てが何でも良くなってくるのよ
そんな事気にしなくていい!って
【Close yet far】
あなたの吐いた息が 私の髪を揺らす
あなたの目の中の 私と目が合う
そうしていつも側にいるのに
どうしてわからなくなっていくの?
近づけば近づくほど
心だけが遠く離れていく
あなたの右手が 私の左手を包む
あなたの肩に 私の涙が滲む
狭い部屋で寄り添っていても
広い砂漠で何かを探しているみたい
あなたの全てに触れていても
心だけが見つからない
#狭い部屋
狭い部屋
狭い部屋の中で
私は1人ぼっち
だって私は
友達もいないから
狭い部屋で
ポツンと
居てる
狭い部屋
僕はずっとずっとここに閉じ込められている。
外の景色を見たのは何年前の話だろうか。
『狭い部屋』
それは人間1人が、腰を下ろすスペースがあるだけの、正しく小部屋だった。
私はソソクサとその部屋に入り、鍵を閉める。
こういう部屋に長居する人もいるけど、私はサッサとおいとまするタイプだ。
用は足した。さて、行くか。
私は手近のペーパーホルダーに手を伸ばす。
でも、私の手は空を切った。
ホルダーに取り残された芯が、カラカラと虚しく回転している。
しまった。
でも諦めるのはまだ早い。
買い置きのペーパーは?
私は体を捻り、後ろのタンクの上を確認する。
でも、タンクの上は、薄く埃が積もっているだけだった。
バカな。詰みだと。
私は歯を食いしばって羞恥心を堪える。
そして、天を仰いで声を絞り出した。
「誰か、紙持ってきてくださいっっ!」