『海の底』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
最後に会った貴方は、
誰かの香水の匂いを漂わせていた。
ネオンがそこらじゅうの海に反射する。
へらへら笑った貴方の顔が目に浮かぶ。
癪で仕方なかった。
あの日二人で買った婚約指輪。
あの時は、幸せだった?
いいなあ。
なんだか妙に苛々して、手の中にある冷たいものを投げ捨てた。
宙を舞って、音を立てず沈む。
どんどん、海の底に、真っ暗の中に溶け込む。
ああ、清々した。
今の自分には必要じゃないはずだ。
自然と、足はあの人の家の反対を向かう。
どうやらもう二度と、あの家に帰る気は無いらしい。
帰りにコンビニでコーヒー買ってかえろ。甘いやつ。
海の底
人魚姫と
姫の声に焦がれた
魔女の
住むところ
ずっと憧れの場所だった
海の底まで沈んだら、楽しいだろうな
何千メートルの深海に
何があるのかな
きっと見たこともない生き物や
変な世界が広がっているんだろうな
だけど
本当のところ
海の底なんて真っ暗で
何にも見えないんだろうな
楽しい時も苦しい時も憧れた場所
何も感じなくなったのは
歳のせいかしら
君への思いは海の底深い深海へと沈んでいった
海の底を覗いたら何が見えるだろうか
♡ 海の底 ___ .
好きな人のためなら泡にでもなれる。
いつか彼女は僕に向かって言ってきた
人魚姫のように美しかった
どんなに想い合っていても決して結ばれるこのとのない私達
『最期は2人で一緒にいよう』
彼は私にそう言って海の底まで離れられないように繋いだ手を紐できつく結んだ
ふわふわした感覚 隣には大好きなあの人
やっと一緒になれるんだ。
2人で沈んでいく海の中で私達はキスをした
来世では結ばれますように 𓂃 𓈒
私がまだ幼かったとき、
海の底には、豊かで平和な「人魚の王国」が
広がっていると信じてた。
あの日からずっと私の心は海の底
海の底
海の底
ただただ冷たい。