『梅雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「梅雨」
つ ゆ
口をすぼめて、よんでみる
まだあおい
まだかたい
まだ眠ったままの
まだなんにでもなれると夢見る
手のひらに ちょこんとまるまった
梅の実よ
あなたはこれから
なにになってゆくのか
紅く染められ
人々の眉を顰めさせるのか
酒に浸され
人々を酔わせ惑わせるのか
あなたの未来は
この梅雨がおわる頃に
決まるのだろう
あの空に虹のかかる頃に
決まるのだろう
「梅雨」
『ごめんね。』
きっとこの言葉は、彼女には届かない。
「ごめん。私のせいで。ねぇ、何か言ってよ。」
僕の体を揺する彼女。僕は何も言えない。言えても聞こえない。なぜなら、僕はもう死んでいるから。
あれは僕が生きていた時だった。彼女とのデートの日。僕は張り切りすぎて、集合時間の一時間も早く来てしまった。彼女を気長に待ちながらいた。そして、約束の十分前に彼女は現れた。信号を駆けてくる彼女。僕も近くに行こうとした時だ。赤信号にも関わらず、車が突進してきたのだ。このままでは彼女に打つかる。そう思った瞬間、体が勝手に動いたのだ。彼女を死なせたくない。その思いで、僕は彼女を庇った。そして、体に衝撃が走った。気が付いた時には、僕は死んでいた。
雨音が響く。梅雨の時期か。僕が呑気に思っている時、目の前では彼女が自殺しようとしていた。何度も辞めるよう叫んだが、彼女には聞こえない。ならば、彼女の好きにさせようと思った。
『好きだよ。』
僕がそう言った時、彼女がこちらに振り向いた。そして、何か呟いた。しかし、雨音のせいで聞こえない。それでも確かに届いたのだ。彼女への愛は死さえも消せない。彼女は満足そうな顔で、飛び降りた。
『何考えてるの?』
僕が思い出に浸っていると、彼女が不思議そうに聞いてきた。僕は何でもないよと、微笑みながら答えた。そういえばと思い、僕は彼女に聞いた。
『そういえば、あの時なんて言ったの?』
『あぁ。梅雨送りは一緒にしようねって言った。』
そうだったのか。彼女への愛おしさが溢れてくる。僕は雨音に負けぬ声で言った。
『世界で一番愛してる。』
『私は宇宙一好きだよ。』
『梅雨』
嫌いだとか好きだとかそんなんじゃなくってさ。
「髪の毛元気な季節になったねえ」
「戸倉髪型やば」
「わかめ?」
うるせー!最後のだれだ!!
少し前からくせ毛との戦いが始まった。毎年のことではあるものの毎日負け続けている。ワックスをかけても、年々変わる強化グッズを使っても効果はない。
なんなら、勝てたと思っても時間が経って実は負けてましたなんてことはザラだ。
いっそのことパーマをかけようか?
でも校則で禁止されてるし……。
まあるくなった爆発頭を抱えた私に隣の子がそっと声をかけてきた。
「ふわふわで可愛いね」
ああ天使さま。
あなたのおかげで今日も一日頑張れるわ。
でもそのストレートの髪は許さない。
私の百面相を真正面から見ていた隣の子が笑う。
周りにいる友達もつられて笑い出す。
こんにちは梅雨。今年もよろしくな!
梅雨
あなたは頑張っている。
下を向いてるサラリーマン。
赤いシートと本を持つ学生。
杖をついている老人。
この梅雨の気怠い湿気のなか、懸命に生きている。
あなたがたのことを何も知らないが
あなたたちは頑張っている。
私も負けないでいたい。
おわり
紫陽花が咲く梅雨の季節は
雨音までもが美しく
一時の疲れを癒してくれる。
【梅雨】
『僕達の出会いって梅雨だったよね、しかも台風直撃の』
そう僕は少し笑いながら言うと恋人は僕よりも笑いながら、
『そうだった、、たしか台風直撃でお互い傘ぶっ壊れてる時だったような、』
と言ってきた。
正直僕は恋人と出会うまでは梅雨が大嫌いで、台風直撃ね日なんかは特にだ。
梅雨とか消えてしまえばいいのにと思うほどだった。
でも今は恋人と出逢わせてくれた、台風を直撃させてくれた、神様に感謝しても仕切れないほどに感謝している。
『そうだったね……この出会いは今思うとカオスすぎるよね…』
静かに揺れるキミが
じっと待ち続けるのは
誰の面影なのかな
はやく出逢えるといいねと
触れた花弁が
照れているようにさえ見えた
入梅の午後
梅雨が
土に潤いを与え
生き物が栄える
私が生きているのは、
梅雨のおかげ
でも、
やっぱり
私が生きてるのは
私が生きたいと思っているからだ
《梅雨》
梅雨…ねぇ。もうそろそろ近づいてきたわね。
私の誕生日も…もうすぐだ。
彼は…祝ってくれるだろうか。
程々に期待しておこう。
梅雨。
今日も雨が降っている。
朝も
昼も
夜も
雨がやまない
あぁ。梅雨はいつが終わりなのか。
梅雨はいつ終わるの
私の目から涙がずっと止まらない
梅雨なんているのかな...
俺の1日は、雨から始まる。
朝起きたら雨だった。
雨って言っても普通の雨じゃない、、
梅雨だ。
梅雨は災厄でグラウンドが水まみれ、、
災厄
今日は、練習日だったのに、、
果たして、今日は災厄だったのか、幸運だったのか。
知るよしもない、、
『梅雨』
梅雨の日ってなんだか寂しくなる時あるよね それと同じように君にもこんなに恋してるんだと初めて知った日だった
今年の梅雨入りは遅いと聞く。
太平洋高気圧の張り出しが弱いためか。
梅雨の時期の花といえばあじさい。
今年はきれいなあじさいを見に行きたいな。
窓をつたう雨粒が
何故か泣いている君に見えた
昨日言いすぎてしまったからだろうか・・・
気まずいままに別れてしまい
今日 謝ろうと思っていたのに
朝から雨が降っている
TVから聞こえる梅雨入り宣言
まるで自分の心を写されたかのよう
晴れていれば
買い物にでも一緒にと思ってたのに
雨の中では顔も見えなくなるから
どう思っているのかもわからない
どうしようと悩んでいると
いつもと変わらない君からの電話
窓の外を見れば僅かな晴れ間が覗いてる
よし
きちんと謝まってまた楽しく笑い合おう
「梅雨」
梅雨って鬱陶しいけど、
辺りが雨音で閉ざされて
静かなのは悪くないかな
〈梅雨〉
梅雨は静かで雨音が心地良いのに、
酷く不安定な気持ちに引っ張られる日も多い。
落ち着いて、じっとして、行動に移しては駄目。
No.16『梅雨』
私の心は梅雨のようにジメジメしている。
でも梅雨はあっという間に終わり、夏が訪れる。
それを待とう。例え、夏の訪れが遅いとしても、夏は必ず訪れて私たちを照らしてくれるのだから。
梅雨は好きだけど嫌いだ。
好きなところは、雨がきれいで好きだから。
嫌いなところは、濡れたり、かっぱを着たりするのが面倒だからだ。
だけど、他とは違う魅力があるから梅雨は好きだ。
空はどんよりと曇り
重たい風が木々を揺らしている
肌寒く湿った空気は、息苦しさを誘う
梅雨のさなかの、じめじめとした一日
私は、雨音を聞きながら
ひとり窓の外を見つめていた
私は雨が割と好きだ
あの子に会えるような気がするから
あの日のことは今でも覚えてる
家族とのピクニック
突然雨が降ってきて
両親とはぐれてしまい
迷子になってしまった
心細くて泣きそうになってると
突然あの子は現れた
あの子につれられて
いろんな場所で遊んだ
何時間も何時間も
遊び疲れて木陰で少し目を瞑ったら
なぜか別の場所にいて
両親が目の前で心配そうに
私を見つめている
あの子はどこだと辺りを
見回しても見つからない
あの子はいつの間にか消えていた
あれからもう20年か……
きっとまた会えると
今でも信じてる
「雨雨雨雨雨雨雨。えぇ!?!?全部雨かよ!!!」
週間天気とやらを見て絶句した。
この私。くせっ毛最大の敵である梅雨が来てしまった。
通常であれば若干のうねりで済む被害が大爆発どころか世界終わるレベルなのだ。
「終わった。死んだ。私の恋終了だわ。」
私の初恋。いや、まだ2ヶ月、、、、、。
爆発を最小限にするため、アイロンとヘアゴムという仲間と共に必死に格闘する。
人に見せられるレベルまで抑えられた。
初恋というのは後ろの席の彼。イケメンな上に高身長。いわゆるモテ男、とでも言うのだろうか
彼は私にだけ優しい、いや自意識過剰かもしれない。
密かに脈アリ説を、押しているがこの爆発した頭を見られてしまえば引かれるかも、、、とか良くないことばかり考えてしまう。
ドクドクと、いつもより早い脈を感じながら電車へ飛び乗る。叫びたくなる気持ちを抑え教室に入った。
彼に挨拶をし一限目の準備を始めた。
今日に限って数学、、梅雨が最大の敵であれば絶妙にウザイモブキャラか、。
睡魔のせいでカクカクと下がっていく首を手で抑えプリントを回す。
不意に見える彼の顔に眠気なんてブラジルに飛んでった。
ありがとうなんて言われてしまった日には彼の声がまるで壊れたラジオのように一生再生されている。
ひとつに束ねられ強制的にまとめられた私の髪の毛。
今日はいつもの何百倍も酷い髪。
そんな髪を彼は暇つぶしのように指でクルクルと遊んでいた。
何この人、可愛いがすぎる。
再度キュンとする。これ、脈アリでしょ、。
下校時間。
私は何年か前にコンビニで買ったビニール傘を探していた。
どうやら誰かが間違えて持って言ったらしい。
そこには私のものでは無いビニール傘。
見分けが着いたのはまだ持ち手の部分にビニールが被っていたからだ。
人のを使う訳にも行かず、溜息をつきながら雨の中へ飛び出す。
「え、、ちょ!!まてまて!!!」
いつも後ろから聞いている声。すぐに足を止めた。
彼は私を追いかけ飛んできた。
はい、と傘を私の方へ傾け一緒に帰ろ、と誘う。
YES以外に答えなんてないのに、、と思いながら誘いに乗った。
なぜか耳が真っ赤な彼に疑問を持ちながらも歩幅を合わせ駅へ向かった。
彼は途中で止まった。まだ駅じゃないのに。
「あのさ、、好きです。付き合ってください、!」
もう、7年??懐かしいなぁ、、なんて。
もう社会人2年目になってしまった私たちは彼の家で思い出に浸っていた。