『柔らかい雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
霧のような小雨だ。
傘を差す労力>雨を身体で受ける、の。
方程式が成り立った。
閉じた傘を持ったまま軒下を抜ける。
雨の感触はまるで、夏に嬉しい道端のミストのようだ。
生憎今は夏ではないのだが。
歩行者用信号が点滅したのが見えたため、足を止める。
道ゆく人々は傘を差しているので、
横着をしているのは俺だけらしい。
丁寧な暮らしをしている人が随分多いようだ。
「今帰り?」
振り返ると丁寧な暮らしがいた。間違えた。同期がいた。
部署は違うが、丁度帰りの時間が一緒だったようだ。
俺の隣に並んだ彼女は、よいしょ、と傘を閉じた。あ。
「悪い、まだ雨降ってる」
俺が閉じてたから勘違いしたんだろう。雨が柔らか過ぎて、傘にぶつかる音が聞こえないせいもあるだろうけど。それにしたって戦犯は俺でしかない。
「知ってるよ」
ばさばさ、と無遠慮に傘の水滴を飛ばしながら彼女はなんて事ないように呟く。おい、スラックスに飛んでんだけど。俺一応スーツなんだけど。まぁ元から濡れてるしいいのか……じゃなくて。知ってるって言ったか?こいつ。
「駅までいっしょに濡れて帰ろうよ」
にこ、と。一瞬目が合った彼女はあまりの衝撃に動けなくなっている俺を置いてまた傘を見ている。仕上げとばかりにとんとん、と傘の先端で地面で叩いて水を落とす。俺が呆けているうちについにマジックテープがくっつけられ、傘は完全に役目を終えてしまった。俺の脳と同じように。
青になったよ、なんて微笑まないでほしい。いっそのこと俺が傘を差そうか。しかし彼女が差さなければそれはただの相合傘でしかなく、つまるところ詰んでいる。チェックメイトだ。今まで気にならなかったはずの雨が、揶揄うように俺の頬に当たった。
『柔らかい雨』 白米おこめ
雨が降っている。
オノマトペで表すと、しとしと。
そんな感じの柔らかい雨。
空は灰色。明るい灰色。
もうすぐ雲の切れ目が見えるかな。太陽出るかな。
そうしたら虹、見えるかな。
たまには童心に返って空を見上げてわくわくするのもいいよね。
「柔らかい雨」
あなた方が
煙になって空に昇る時
晴れているのに
必ず雨が一時降りましたね。
何人目かの時
不思議に思って聞いてみた。
「泣いているのかもしれないね」。
それを聞いて
あなた方がながした涙の意味を
今でも時折考えてる。
柔らかい雨。中学校から家まではきつーーい坂をのぼって2分、柔らかい雨に振られながらゆっくりゆっくり登って帰る。家に着く頃には意外と濡れてて寒かった記憶
お題「柔らかい雨」(雑記・途中投稿)
……何だそりゃ。
柔らかい雨があるなら硬い雨があるのかって思うし、硬い雨っていうと豪雨かなって考えたから小雨の事か。
柔らかい雨
薄曇り、うっすら陽も射してる中、優しい柔らかい雨が降りだす。霧雨のようなそれに傘を差すほどでもないとそのまま歩き続ける。
しかしどんなに優しかろうが雨は雨、水である。目的地に辿り着く頃には存外しっとりと濡れそぼっていた。
優しい雨はその柔らかい感触に見合わず質悪ぃ…
いっそのこと、突き刺すように鋭い雨にしてくれれば。
柔い雨は遠くから静かな音を連れてくる。
冷たい雨粒が髪を伝う。雨の冷たい感覚すら、なくなってきてしまいそうだ。
ははっと嘲笑が漏れる。
ああ、わかってたのにな。
どうせこうなるなら、雨がふるなら、突き刺すように鋭い雨にしてくれればよかった。
───ねえ、知ってる?
「ゆう...! こんなとこにいた...!」
雨で汚れることを厭わないような雨を弾く足音。
勢いあまって腕に絡み付いてきた暖かい体温。
果てしなく続いていた空を遮断した淡い色の傘。
「冷たっ、風邪引くって...。...なにがあったの?...なんて聞かないけど、聞けないけど、俺はゆうの味方ってことだけ覚えといて、ほしい」
真っ直ぐに見つめてくるきみの視線が怖くて、また目を逸らす。
───その優しさがいちばんつらいんだよ。
無邪気な太陽を向けられる、醜い感情にまみれた人間の気持ちなんか、...知らないね。
いっそのこと、突き刺すように鋭い雨にしてくれれば。
─柔らかい雨─ #111
#柔らかい雨
もしも江戸時代の人が現世にタイムスリップしてきたら
雨は心の拠り所になるかもしれない
人々は昔と変わらず傘をさし
晴れの日の耳障りな喧騒も、聞き慣れた柔らかい雨音が覆ってくれる
雨宿りをする小鳥たちの姿も変わっていない
同じ様にもし僕が今
300年後の未来にタイムスリップ出来るとしたら、
凄まじく技術進歩した世界を想像し胸踊らせることだろう。
でも一方でもし雨が降っていたならば、
聞き慣れた雨音と、そして相変わらず傘をさして行き交う人々の姿を
やっぱり見たいと思うのかもしれない
静かな雨が降っていた
細やかな雨粒は優しく肌を撫で
午後のぬるんだ空気に触れて
むしろ温かくすらあった
涙を隠すように
激情を鎮めるように
灰雲が薄闇を抱き
喉震わす言葉は
風が巻いて逝った
やわらかなやさしさが降り頻る
花を枯らし根を腐らせる
実を落とし種子を沈める
心地良いだけの毒物を
そうと知れど尚手放せず
‹柔らかい雨›
柔らかい雨
3ヶ月ぶりに見る
君の笑顔
せっかくの日にこんな五月雨
それが気にならないほど
君のことしか見えなかった
今日はじめてみた!1日に1つのお題について書くらしい。
さっそく書いてみよっと!
柔らかい雨…
柔らかい飴…
ソフトキャンディ…
ハイチューだ。
柔らかい雨が降る
雨が降ると空を見る習慣がある
だから私はビニール傘を好んで使う
雨を見ると自分の心と
リンクする瞬間があった
機嫌が悪いときは黄色の雨
機嫌が良いときは黒色の雨
世間の言うイメージとは逆になる
今日は柔らかい雨
周りの音が騒がしい
そっと耳をふさいだ
柔らかい雨
しばし休業中です、うどんだったら痛くない!
貴方の言葉選びが好きだった
貴方の匂いが好きだった
貴方のむちむちな手が好きだった
バンドの事を一生懸命にする所が好きだった
自分の興味あること、
すると決めたことは徹底的にする所が
もやもやしながらでもちゃんとする所、
何も考えてなさそうな顔も
話しててもたまに自分の世界入っちゃう所も
全部
全部好きだったのに
貴方から急に何も言わず離れていくなんて思わなかった
バンドマンでも貴方は違うと思いたかった
今もまだ好き
どうすることも出来ないけどきっとまだ
嫌いになれない
春の日差しのように暖かく柔らかい光のような雨は私の凍った心を雪解けのように溶かしてくれる。包み込むように、寄り添うように
そのような存在に私は、憧れるのだ。
土砂降りの雨は好きじゃないけど
柔らかい雨なら好きだ
私の中の悪いもの全部
優しく洗い流してくれるから
#柔らかい雨
【柔らかい雨】
何をしてもつまらない
ひとりじゃないのに孤独と感じる
頑張ってる自分が馬鹿馬鹿しくなる
そんな気持ちになることなんて日常茶飯事で
それでもそんなことがあるからこそ
ちょっとした小さな幸せにも気づける
今はやまない打ち付けるような激しい雨も
いつかは柔らかい雨となって
乾ききってしまいそうな自分を潤してくれるはず
きっと人生のうちで
"消えてしまいたい"と思う日は何度も来るだろうし
"生きていたい"と思う回数より多いかもしれない
それでもいつか
"生きていてよかった"って思える日が来るから
そう信じていないと乗り越えられないから
その日まで頑張って生きようって
柔らかな雨に打たれながらそう思った
自分の今までが無駄にならないように
そんなことをしたら
今までの自分があまりにも可哀想だよ
#柔らかい雨
綿布団のような厚ぼったい雲間から
ゆっくりとそれは落ちてきた
あっちに行こうという貴方に手を引かれ
森の合間にあるテントに辿り着く
子供の頃好きだった遊び
部活ではどんなポジションだったか
お互いの家族のこと
初めてしたアルバイト
柔らかい雨に打たれる緑葉を眺め
他愛もない話を繰り返す
たまには雨も悪くない
ゆっくりとした時間を二人泳いでいた
昨日の学校終わりの帰り道頭の上に何かが落ちてきた「あー、雨降ってきた?今日の天気予報は100%晴れだったのに」友達はそう呟く。なぜ雨は晴れよりも嫌われているのだろうか、その理由ははっきりしている雨は今の人間にとって色々面倒だからだ、洗濯物、通勤通学何もかもに都合が悪い、そう言われている。だが本当にそうなのだろうか本当に雨は人間に害を与えているのだろうか、雨が降っている時間のあの静かさ、雨の匂い、すべてが本当に悪いところなのだろうか。私は雨が好きだ雨が降ると何もかも全て忘れて無心になれる。その時間が好きだ。今日も柔らかい雨が降る
④