『最初から決まってた』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
最初っから決まってた。
最初っから分かってた。
あなたがわたしのことを
好きにならないこと。
たくさんの水をこぼしても。
それでも
最近っから決まってた。
わたしが、あなたを好きなこと。
1度嘘をついた。
私は元々あんまり感情が表に出なくて、
私自身にも私の今思っている感情が分からなくて、
嘘をついて適当に逃げた。
私はあのとき何から逃げたのだったか。
もうそんなことは忘れた。
嘘をつけば上手くいくことを知った。
私は人を騙すのが上手くて、
絶対にばれなかった。
だから嘘を重ねた。
そう。今もばれていない。
ひとつも。そしてこれからも。
でももう何が嘘か分からなくなった。
嘘をつきすぎて、自分にも嘘をつきすぎて、
何が本音で何を言いたくて何が好きで何がしたくて、
自分についてすべてわからなくなった。
自分の存在が嘘のようだった。
もう自分は私自身の嘘で塗り固められていた。
こうなることは、
1つ目から、いや、最初から決まっていた。
「最初から決まってた」
※百合、不穏
【物語の結末は】
蝉時雨に包まれる中、君の涙が夕日を照り返していた。
次から次へと溢れて止まらないそれを、ずっと眺めていたかった。
……でも。
「里穂に一番似合うのは、笑顔でしょ?」
柔らかな茶髪をさらりとかきあげ、その頬の涙を拭う。
白くてしっとりしてて柔らかくて、こんな素敵な存在に触れていい事が未だ信じられない。
震えを押さえ込んで、そっと壊れないように撫でる。
そうすると、この手の中の何よりも愛しい花がほころぶのだ。
「へへ、だって、私が美優ちゃんとなんて、信じられなくって」
「何言ってるの、私こそ信じられないよ」
「嘘だぁ!」
「嘘な訳無いよ」
本当は喋るのも難しいくらい心臓が跳ねていて、そんな胸の内を全てさらけ出してしまいたい。
でも、今はまだその時じゃないから。
まだ暑さを残した風が、私たちのスカートを揺らす。
「……美優ちゃん?」
まだ涙の残る潤んだ瞳が私を覗き込む。
小さな雫の着いたまつ毛、少し赤く腫れ上がった目元。
そしてただあどけなく私だけを映す瞳。
────その全てがあまりにも美しくて。
「夢みたい」
思わずこぼれ出た言葉に、里穂は首を傾げる。
そして途端に顔をまた真っ赤にした。
「え、ゆ、夢みたいって、こっちのセリフだよ!?だって私なんかが……っ」
ぎゅ、と私が両手を握るとびくりと身体を震わせる里穂。
「なんか、って言うならさ」
そのまま私は《彼女》を抱き寄せた。
「夢“なんか”じゃないって、言って欲しいな」
「あ……」
おそるおそると言った手つきで背中に腕がまわる。私が力を込めると、彼女もそれに応えてくれた。
未だ鳴り止まぬ蝉時雨。
予定より少し遅くなってしまったけど、とても順調にことは進んでいる。
どくどくどくと渾然一体とする私達の鼓動。
初めて出会ったあの時から、綿密に描いてきた理想図。
「……みゆ、ちゃ……っ」
「ずっと一緒にいようね、里穂」
誰にも、死んでも、渡しはしない。
そもそもそんなことは起きない、有り得ない。
なぜなら最初から決まっているから。
だってこれは運命なのだから!
笑顔が一番、なんて言ったけれど。
やっぱりどんな顔も可愛い。どんな時だって可愛い。
小さく愛らしい手は弱々しく私の腕を引っ掻くと、そのままとすりと地面に伏した。
さあ、予定通りのフィナーレへいきましょう。
最初から決まってた
って、運命とか必然とかそういう簡単な言葉で
お前が、大好きなあの子と付き合えないまま死んでしまった事実を片付けるけど
最初から決まってることなんかないんだぜ
なあ、お前が創った結末だぞ、これは。
やけに派手な髪をした
俺にそっくりな死神が
そう言って、俺を連れていく
死神の指には、あの子の好きなブランドのリング
そうか、お前は、俺の
#最初から決まってた
人の人生には必ず終了がある
死 ン で し ま ッ た 。
「 も ウ 一 度 」 「 ヤ メ る 」
↑
終了してからまた最初から始めようとすると
エ ラ ー が 起 こ り マ し タ
「 ヤメル 」 「 もう一度 」
↑
エラーが起きる
だって生き返るなんて出来ないのだから
本 当 に ヤ メ マ ス カ ?
「 は イ 」 「 イイえ 」
↑
黙って終わるしかないのだよ
仕方ないさ
だって
最初から決まってたのだもの 。
自傷
刃物で傷を負ったとき
すぐには痛みを感じないように
じわりじわりと
私の人生も痛みだす
いつも痛みは後からやってくる
こんなことは、最初から決まってたんだ。
最愛の人から別れを告げられた、悲しかったし寂しかった、でもそれから一週間たって分かったんだ俺はその女にカモされていたことを。ある日銀行に行ったそこに書かれていた。金額はたったの千円、なんでだ?と思ったがすぐに分かったこの前 通帳貸してと言われて断わったが無理矢理取られた。
そいつは、思っているはず。「さぁーて次はどの男をカモにしようかしら」これも全て最初からわかってたこと
リスナーと配信者。そんな遠い存在。
頑張って努力しても名前を知ってもらったり、好きという気持ちが伝わるだけ。それが実ることはきっとない。
知っていた。だってそれはあなたが活動を始めた以上決まっていたことなのだから
最初から決まってた。
家のペットがなくなってしまうこと。
わかりきってた。
それでも、
あぁ、寂しくて。
それも亡くなってからでしか気付けない。
ここは雲の上…だと思う。
住人の数は多く、皆思い思い暮らしている。
住人は人型だけではない。様々な生き物の形をしていて、皆一様に薄ぼんやり光る発光体だ。
形は違えど皆穏やかで、ここに争い事は無い。
いつまでもここにいたいような気もするが、ここには決まりがある。次の行き先を毎日1回は探さなければならないこと、行き先が見つかったら必ず一両日中に出立しなければならないことだ。
行き先を見つけるには、遠眼鏡を使って下界を見るしかなく、遠眼鏡には数に限りがあるから、毎日順番待ちの列が出来る。
今日も順番待ちの列に並ぶ。先頭を見ると遠眼鏡を使っているのは猫型と人型と…熊型?
猫型の発光体が強く光った。行き先が見つかった印だ。
遠眼鏡を次へ渡し、雲の門へ歩いて行く。門番と一言二言会話し、開いた門から差し込む眩い光の中へ溶け込んで行った。
周りが少しざわついたが、すぐに元に戻る。これが日常の風景なのだ。
自分の順番が回ってきた。遠眼鏡で雲の隙間から下界を見る。
下界に何が見える訳でもない。ただ霧がかかったような霞んだ景色が見えるだけ。皆も同じらしい。飽きるまで眺めて、何も変化がなければそのまま遠眼鏡を次に回して終わるだけ。
しかし今回はいつもと違った。景色が霞んでない。驚いてあちこち見てみると、1つの家が光っているのを見付けた。行き先が見付かったのだ。自分が光っていることに気付いた。とうとう出立の時が来たのだ。
門へ歩いて行く。門番と目が合う。"行っておいで。どうかお幸せに"と餞の言葉を贈られた。ありがとうと微笑むと、光の中へ駆け出した。
―――旅立ち[生]
#35【最初から決まってた】
随分と悩んでいるみたいだね。
君を見ていると清らかで、真っ白で、純粋過ぎて心配になる。
君は汚いものを知らなさ過ぎる。
人を簡単に信じてはいけないし、
人は簡単に嘘をつくって事を知らないといけない。
君は人の痛みに敏感で、すべてを当事者として受け取ってしまう、それは考えものだ。
君の力ではどうしようもない事が、世の中には沢山あるよ。
戦争もその一つだ、分かるかい?
君がこの平和な時代に生まれ、平穏に暮らしているのに、何ら罪はない。
もっと、楽に生きていいんだよ。
そりゃ、食べ物を残したり、物を簡単に捨てたりするのはよくない。
だけどね、美味しい物を食べたり、おしゃれしたり、友だちと笑い合うのは君の生きる権利でもあるんだよ。
それを罪として捉えない。
いいかい、戦争で苦しい思いをした先人たちはこの平和な世の中を喜んでいるよ。
羨ましがって、当たり前にある君たちを恨んだりしない。
君のおじいさん、おばあさんは君が幸せで怒ったりするだろうか、恨んだりするだろうか。
しないよね。
君がこの平和な時代に生きて、自分の好きな事をしている事にとても喜びを感じているはずだ。
君が幸せで心底喜んでいるはずさ。
僕も君には笑っていてほしいよ。
同じ事をあの人にも言われたんだろ?
あの人は君に笑えって、言ったんだろ?
僕も君には笑ってほしいと願うよ。
君の笑顔は、周りを幸せにする。
僕は君が生きているだけで、僕の生きる希望になってる。
いいかい、君が幸せになる事は
最初から決まっていた事なんだよ。
最初から決まってた
♡「どうせだし罰ゲームしねぇ?」
♤「は? 今更かよ」
♢「えー例えば?」
♧「モノマネとか嫌だよ僕」
♡「ジュースおごるとか」
♤「面白くねぇよ」
♢「まあそのくらいなら」
♧「サイダー飲みたい」
♡「よし、決まりだな」
♤「ちっ。ほら上がり」
♡「え?」
♢「俺も引かれて終わり」
♡「ちょ、」
♧「そして僕も引いたので揃って終了〜!」
♡「嘘だろ!?」
♤「ばーか」
♢「ふっふっふ。こうなることは最初から決まっていたのさ」
下校するタイミングで雨が降ってきた。
強風で木々が激しく揺れて、地面には排水溝に収まりきらない雨水が広がっている。部活で外にいた生徒が慌てて校舎や部室棟に駆け込んでいる。
まあ夏ならではの夕立ち、ゲリラ豪雨ってやつだ。暗い色をした雲の反対側は青空が覗いているからそう長くは続かないだろう。
いきなりの気圧変化に頭が割れそうなくらい痛むけど、どうにも雨の日は嫌いになれない。なんだか自分の汚い部分も嫌なことも全部洗い流してくれるような気がしてさっぱりする。
「じゃ、帰るね。バイバイ」
「え!?こんな雨降ってるんだから止むまで待ってようよ」
「明日英語の小テストあるじゃん?風邪ひいて休めば受けなくてすむから今帰るの」
「何をバカなこといってんの。勉強しろよー」
「無理!英語だけは何しても覚えられん」
カバンに大きな袋を被せて自転車の前かごに突っ込む。引き止める友だちに手を振って駐輪場から飛び出した。
後ろから「おバカだなー」と笑い声が聞こえたけど無視した。私はあんたらと違って頭良くないの。
雨粒が叩きつけてきて痛い。目にも口にも入ってきて前も見にくいし、風のせいで進むのもつらい。
でもあんなに暑かったのが嘘みたいに消えていく。涼しいわけではないけど、暑いよりはマシだ。
家につく頃には全身びしょ濡れで、唯一出迎えてくれた愛犬がバスタオルを咥えてパタパタと尻尾を振った。
雨が降るたびにびしょ濡れで帰ってくる私と母のやり取りを覚えたのか何も言わなくてもタオルを持って玄関で待っていてくれるのだ。「ありがとう」といって身体を拭きながら靴に新聞紙を詰め込んで干す。その後風呂を洗って沸かしてすぐに入った。私にしては珍しく長風呂をしたと思う。
もう明日は風邪をひけば完璧である。そのために髪も乾かさず冷房の温度も少し下げておいた。寝るにははやいからスマホをポチポチ弄って愛犬と遊んで、いつの間にか寝落ちてた。
翌朝、見事に身体は怠く熱を測ったらバッチリ38.2℃であった。遅くに帰ってきた母には「またか」と呆れられたが完璧すぎる計画に親指を立てる。
友だちからも『おバカ』とメッセージが送られてきた。
そう、これは英語の小テストがあると告知されたときから計画されていた。この結果は最初から決まっていたことなのだ。
愛犬にドヤ顔してみせたら尻尾で叩かれた。「おバカ」とでも言っているようである。
これでいいんだ。これが青春なんだよ。
【題:最初から決まっていた】
『最初から決まってた』
人生が最初から決まってたとしたら、わたしの人生をプログラムした神はイジワルだと思ってしまいます。
「わたしは前世で何をしでかしたのだろう」と、思うほどの試練ばかりで、そろそろ心が危ういです。
・神は乗り越えられる試練しか与えない
・苦しいのは成長するとき
どこかで聞いた、よくある言葉を絆創膏にして、心に貼れたら、もっと上手に息が出来るかもしれないですね。
最初からきまってた
そうかもしれないし
そうじゃないかもしれないし
結局は自分で決めること
自分の気持ちが軽くなるならどっちでもいい
無駄に苦しむ必要はない
いつだって
その時に最善と思える選択肢を選んできたはずだから
最初から決まっていた
私が私らしく生きることも
不要な縁は途絶えていくことも
淋しくても
きっと最初から決まっていたんだ
[テーマ 最初から決まっていた]
最初から決まっていたことなのに
決まっていたのに
わからなかったことがあった
最初から決まっていたことなのに
60歳が近くなると、産まれた時から何もかもが
決まってたのかなと思う。
学校も結婚も住まいも子どもも、違う道を選びたかったけれど、無理な話で、このまま死ぬまで、
つき進むしかないのか。今からでも方向転換は、
できないものかと思ってしまう。
最初から決まってた
このことが起こるって最初から決まってたんだ。
だから仕方ない。ってことはないと思うんだよね。
今までの行動でその結果になったのだと。
行動したから上手く行った。上手くいかなかった。
【最初から決まってた】
「最初から決まってたからね、ひっくり返すのは難しいよ?」
「『できない』わけじゃないんでしょ?」
尋ねると、「あ〜」とも「う〜」とも言えない声で唸って、不味いものでも呑み込んだような顔になる。出来レースは嫌いじゃなかったの?
「無理だって言わなかったよね?」
「揚げ足取んないでよ。『難しい』と『無理』は同じ意味なんだよぅ。知ってるでしょ?」
「でも、できないわけじゃないよね?」
できるの知ってるからね。考え込むフリをしてもだめだよ。
しばらくして「しょうがないなぁ」のニュアンスで小さく息を吐いて、真っ直ぐこちらを見る。
「まあ、やるからには……やるけどね。あんま期待しないでよ?」
「またまた」
「もう。『またまた』じゃないよ。プレッシャーに弱いんだよ?」
「またまた〜」
「任せなさい」って言ってくれて、大丈夫だよ。
「信頼してるからね」
そう言ったら、下手くそなウィンクを一つ寄越した。