『放課後』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
頭を使ったあとだから、放課後は甘いものが食べたくなる。
駅から高校までの道はたくさんのビルが立ち並んでいるので、マカロン、お団子、チョコレート…何を選んでも食べることが出来るだろう。
背伸びをひとつ、それから机に伏せってため息を吐く。疲れた。
やっぱり、罪悪感はあるけど、ファストフード店に行ってガッツリ食べてしまおうか。しかし、今日は母が晩御飯を作って待っている。
悩む。悩む。
そうして、私が選んだのは、何も買わないことだった。
明日、新作コスメが出る。
300円。我慢すれば、買えるのだから。
帰りに友達からもらった飴を口で転がしながら、帰路についた。
『終礼』
午後3時を過ぎると 人それぞれのルールが遊びだす
右向け右で済むのなら簡単でしょう だけどそんなものじゃない 意見を押し殺してるあの子に気づいてあげて 威張ってる場合じゃないよ あなたの苛立ちは
ただの寂しさなんだから
『放課後』2023.10.12
ロケ車の中から帰宅途中の学生の姿を見つけた。あれは高校生ぐらいだろうか。少し照れたように歩幅を合わせて歩く男女。
「ありゃ付き合ったばかりだな」
からかうように呟く。
「甘酸っぺぇなぁ。俺もあったわ。学生の頃」
一番身長の高い彼も同調して頷いている。今日は俺たちふたりでのロケだった。
「あれぐらいの時って、手ぇ繋ぐのも勇気いったよぁ」
彼はしみじみと言って、他のスタッフと微笑ましそうに初々しいカップルを見送った。
「お前にもそんな時期あったんだな」
「そりゃもう、ドラマみたいに純愛だべ。学校終わったら、昇降口で待ち合わせてよ、外に出るまでは手を繋がないんだわ。そんで、校庭の外に出たら手を繋いでたなぁ。そのあとにいろんなとこでデートしたんだわ」
「ラブホも入ってな」
「そうそう、ラブホもって。んなわけねぇーべや! 清い関係だった!」
ちょっとからかってやると彼はすぐにムキになる。大きい図体をしていても性格はちょっと子どもっぽい。それゆえ、からかいやすくその反応も面白いのだ。
放課後のスーパーで、12年前のドラマの歌が流れていた。とても、とても嬉しかった。
放課後
夕暮れ時、少し肌寒くなってきて紺色のカーディガンを羽織る
暖かく感じる
影はとても伸びて、私の先を歩いている
そんな影と会話をしながら2人で帰る。
今日コンビニ寄ろうかな〜
『何買うの?』
肉まん
『良いねぇ〜』
2人してニヤッとする
コンビニでホカホカの肉まんを買って、それを頬張りながら帰り道を歩く。
あっつ!
呟きながら少しづつ、冷めないうちに。
いつの間にか影は無くなって、ひとりぼっちになる
星が出てきて、月も顔を出す。
あ〜寒
友達のいない私は、そんな妄想をしながら1人で家に帰る
でも寒くなってきて、肉まんを頬張りながら帰れるのは良いよねーと無茶苦茶な事を考えながら自分を慰める。
明日は、おでんにしようと心の中で決め、ワクワクしながら布団に入る。
これで日常は終わり、卒業までの帰り道に制服少しづつ、卒業式が近ずいてくる
もう秋も終わりかもしれない
放課後といえば、高校の頃を思い出す。入学して早々、なぜか生徒会に押し込まれ、違う高校に入った友人には「よほど人材に困っているのか」などと揶揄された。平成が始まったばかりの時代だ。
帰宅の途につけるのはいつも暮れかけの空の下。クラスの皆が楽しそうに寄り道の相談などしているのを羨ましく見送りながら生徒会室へ向かい、実質的には「学校行事計画と運営諸々をいつもやってる、みんなの下働き」に取り組む。
今現在の高校における生徒会役員の実情がどんなものかはわからない。はて、自分自身は卒業するまでずっと生徒会に捕まっていたが、それがこれまでにどう役立っているのかもわからない。鮮やかに明るく印象している思い出は、生徒会室じゃなくて教室の中での友とのいろいろだ。
もっと教室の友達と、鮮やかな放課後を経験したかったとも思う。私の放課後は、なんだか灰色な感じなのだ。
年齢的に、みんなが昔どおりに元気なわけではないだろう。病を得たと消息を聞いた友もある。しかし、人生の放課後にはまだまだ手が届きそうにない。御長寿多き現代で、私は未だにぺーぺーの若造なのだ。
高校3年時の、その年度で定年退職だった担任が言っていた。「オレは生涯青年だ」と。手本にしたい心構えだ。
恋は金より重し、また命より尊し
その男は、自分は世界一不幸だと信じていた。
自分より不幸な者はいない。いたらそいつに今すぐ会いたいものだ、とさえ思っていた。
男は中世の頃から代々続く名家の血筋の人間だった。いわゆる、『王子様』というヤツで、容姿端麗、文武両道、英邁闊達。彼の名声や才能に嫉妬した男たちは皆『王様気取り』『王子様』と男を皮肉な渾名で呼んだ。その一方で、女たちは皆彼に見とれていた。男は学校ではかなり浮いた存在だったし、彼自身それを望んでいなかったのである。
彼は普通に生きていたかった。『王子様』ではない、普通の、平凡な男。そんな普通に憧れていた。そんな普通の幸せに憧れていた。富も名声もくれてやる、どうか俺に普通をくれ、と月に向かって神に祈ったこともあった。
その祈りが神に届いたかどうかは定かではない。しかし、決定的な奇跡としか思えないような出来事が彼に起きた。それはあまりにも突然だった。
なんと、彼の邸宅が火事で焼け落ちたのである。あっという間のことだった。風が強く吹いていたせいで火はたちまち燃え広がり、家族は助かったものの屋敷は全焼、父親が唯一銀行に預金していた金以外全てが焼失した。それでも銀行には充分な金はあったのだが、この時不謹慎にも男は「やった」と内心喜んでいた。
それから彼ら一家は『普通の家族』となった。学校でも皆気の毒に思って前のように皮肉な渾名で彼を呼ぶことはなくなった。男は学校の居心地がすごく良く感じた。皆が自分に同情してくれる。皆が自分を同じように接してくれる。彼はようやく幸せを掴むことができたと思った。
そして、遂に恋人ができた。
決して名家の出身ではない。特別美人でもない。『お姫様』ではない。しかし優れた感性とおおらかさを兼ね備えた少女。男は少女に結婚を申し込み、彼女はそれを受け入れ、家族の反対も押しきり、卒業と同時に結婚した。
しかし、幸せは長くは続かなかった。男は幸せを保つため、一生困らないだけの金を得ようと、資産家になることを目指し、自分の全能力を使ってもう一度金が必要だと神に祈った。
それがいけなかった。
男は少女と街を歩いていると、彼女は突然何も言わずに倒れ、その肉体は人の形をした男がかつて嫌い、また得ようとした無数の紙切れになった。
男は呆然と立ち尽くしていた。目には涙を浮かべ、彼女の身体をかき集めた。
しばらくすると、街中の人間が男を押し退け、大喜びでしきりに紙切れを集めては持って行ってしまうのであった。
【放課後】
「じゃあ、また明日」
必ず、あなたから声を掛けてくれる。
この一日の終わりの時間が好き。
授業中や休み時間に話すことができなくても、放課後だけは、あなたから声を掛けてくれる。
「うん、また明日ね」
私からも手を振って返す、毎日同じやり取り。
何度、繰り返しただろうか。
あと、何度繰り返すことが出来るだろうか。
放課後の学校って、ちょっと雰囲気が変わる。
昼間の喧騒が嘘のように、スンっとした空気になる。
遠くから、運動部の声が聞こえる。
少しの間練習を抜けて、教室に行くのが好きだった。
漫画のようなキラキラとは無縁だったけどね。
部活帰りの真っ暗な廊下をみんなで歩いた思い出。
女子が5、6人集まると必ず1人いきなり叫ぶ。
「キャー!」
すると、一斉に走り出す。
そして私は、いつも1人タイミングを逃し置いていかれる。
女子って不思議。未だに分からん。
paki
放課後
なんで、まだいるんだろう?
なんで、グラウンドの方見てるんだ?
なんで、、、?
この世にこんなに可愛い子が存在している事に衝撃を覚えて2年と半年。
登校する意味の95%は確実にその存在が占めている。
いつもの練習に全くついていけない。、、、なんで?、、、あれ?サッカー部?、、、サッカー部を見てる。
なんで?、、、まさか?いや、ウソ?
なんで、、、、?
校舎を出て、駅まで向かう真っすぐの歩道、少し前を同じ方向に歩いて行く二人の後ろ姿。なんで、、、。
あんな笑顔初めて見た。
こんなに誰かを思う事が嬉しいなんて。こんなに誰かを思う事が辛いなんて。
初めて知った。
初めて見る、あの笑顔、、、。
あの日の放課後から止まったままの時間を、、、あの日からいくつもの偶然と偶然を演じた必然で、たどり着いたこのときに、、、全てを。
内ポケットを何度も何度も確かめる。小さな箱の中で、小さな瞬きを放つ給料3ヶ月分。
あの日の放課後と同じ、喧騒と夕暮れの待ち合わせ10分前。
何度もココロの中で繰り返す、、、。
僕と結婚してください。
ナリスケ
カーテン
カーテンを開けたらそこには
荒廃した世界が広がっていた
昨月突如として現れた怪獣は
すべてを破壊し尽くしていた
もう頼れるものなど何もない
圧倒的な暴力を前に今我々は
ただ平伏すことしかできない
数十年生きた私のこの身体を
奴は安々と潰してしまうのだ
人間がどれだけ抵抗しようが
奴の歩みが止まることはない
私にできることなど何もない
外界とは隔絶された家の中で
我が身の無事を祈るばかりだ
閉めっぱなしのカーテンから
目を背け少し眠ることにした
放課後
【放課後】
誰もいない教室で本を読む
静寂が優しく私を包み込んで
私の居場所を作ってくれる
チャイムがなり完全下校の時間になる
じゃね私一人だけの部屋
また24時間後の私を助けてください
放課後の思い出は
友の弾ける笑顔
尽きない会話
共有した悩みと涙
どれもが
わたしの青春
わたしの宝物
# 放課後 (302)
放課後は駅まで歩いて、駅ビルの中をうろついて、地下のフードコートでひと休みするのが定番だったね
フレッシュオレンジジュースがおいしかった
代わりばえしない毎日も、他愛ない会話も、君と一緒なら楽しかった
きっと一生忘れない愛おしい日々
教室の喧騒を抜ければ、本当の私になれる。
部活で小説やイラストを描いたり、クラスでは絶対にできない黒板にらくがきをしたりするのが、くだらないけど楽しかった。
帰り道は、わざと遠回りなんかして、楽しい時間を延ばしていた。
今になって気づいた。放課後の楽しい時間なんかよりも、息苦しかった教室での時間の方が何倍も愛おしかったことに。
なんで、もっと早くに気づかなかったんだろうね。
放課後みんなでよくカラオケに行っていたあの頃
ほんとはあなたのことが好きだった
あの頃のあなたは気づいてなかったよね
大人になって、あなたから付き合おうって一度だけ言われた
わたしは冗談でしょ?って笑って誤魔化したけど
あの時真剣に向き合っていたら
どんな今があったのだろう
とある噂話がある。
『放課後、誰もいない教室で鏡を割ると、異世界へいけるらしい』
稚拙でくだらない、あくまで話題として出される程度の噂だ。誰もそれがウソだと分かりきっている。
実際にやって動画サイトへ投稿した奴がいて、そこからデタラメだという事も発覚したからだ(その投稿主は炎上して停学になった)。そして噂話だけが残った。
ただの噂、だったはずだ。
俺は、偶然教室に忘れ物をして、放課後取りに行って、家に帰るだけだった。外はもう夕暮れで、ほとんどの生徒が帰っていた。
教壇の上に誰かが忘れていっただろう手鏡が、光を反射して眩しくて。せめて裏返していけよと思いながらその手鏡を手に取った。
そうしたら、上手く掴めてなかったせいか、するりと手から抜けてパキャンと呆気なく音をたてて割れてしまった。
「うっわ最悪…!」
面倒な事やっちまった、という煩わしさと、誰かの手鏡を勝手に割ってしまった、という罪悪感が一気にやってきたが、とにかく割れた破片を集めようとして箒とちり取りを取ろうとした。
「……は?」
変な感覚がして下を見ると、ファンタジーとかに出てきそうな大きな星型の魔法陣が、俺の足元に輝きながら広がっていた。
「嘘だろ…?アレってただの噂話じゃ--」
フォンッ---……
誰もいない教室に、割れた手鏡だけが残った。
お題「放課後」
放課後
夕焼けの教室に二つの人影。
日直で学級日誌を書く私と、出し忘れた課題に取り組む男子生徒。
互いのシャープペンの音が響く。
「そっち、終わった?」
「あと少しで終わりそう」
普段話さない二人の会話は、そっけない。
私の方が先に書き終わり、席を立って帰る準備をする。
「もう帰るの?」
「終わったから」
「ーもう少しで俺も終わるから、一緒に行かない?」
暗くなりつつある中でも分かる、真剣な表情。
「・・・じゃあ、あと少しだけ待つ」
そう言った途端、嬉しそうな表情になって、急いで課題を切り上げる。
二人して、放課後の職員室を目指した。
結局、帰り道も一緒に帰り、翌日クラスメイトから揶揄われることになるが、これはまた別の話。
放課後
小学校
中学校
高校
大学
どれも思い出たくさんあって考えるだけでニヤッとしちゃう
たのしいだけじゃなかったけど
私を形成してるもの
放課後。
軽音楽部の部室に行って、ゆるゆると集まって練習が始まる文化祭前。
「1ヶ月くらいしかないんだな。」
休憩中に、ふと部長がそう口にした。
「そうだぞ。お前は弾けるからいいけど、ついてく俺は大変なんだよ。」
「俺だって今回バタバタだよ。」
そんな会話を聞きながら、後輩の俺は軽くフレーズを弾く。1年以外は文化祭の演奏メンバーだから、どことなくピリついていて質問はできない。
また1人で練習を始めた。
「もっかい通すよ。誰か、撮影してて。」
私撮るよ、とさっきまで熱唱してた女の子。
「ありがとう。」
部長は照れたようにそう言った。
今の好きな人に見せる反応じゃん。
曲を何回か通して、部長から一言貰って帰る。
そんな高一の放課後。