放課後
夕焼けの教室に二つの人影。
日直で学級日誌を書く私と、出し忘れた課題に取り組む男子生徒。
互いのシャープペンの音が響く。
「そっち、終わった?」
「あと少しで終わりそう」
普段話さない二人の会話は、そっけない。
私の方が先に書き終わり、席を立って帰る準備をする。
「もう帰るの?」
「終わったから」
「ーもう少しで俺も終わるから、一緒に行かない?」
暗くなりつつある中でも分かる、真剣な表情。
「・・・じゃあ、あと少しだけ待つ」
そう言った途端、嬉しそうな表情になって、急いで課題を切り上げる。
二人して、放課後の職員室を目指した。
結局、帰り道も一緒に帰り、翌日クラスメイトから揶揄われることになるが、これはまた別の話。
10/12/2023, 1:06:19 PM