『放課後』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
放課後の
人気の無い教室は無機質で
何処となく寂しく
毎日居る場所なのに
一人でいるのは怖かった
夕日の迫るグラウンドでは
部活動の掛け声が賑やかで
好きだった先生や憧れの先輩
その存在を探す事だけが
日々の楽しみだった
次からは真面目に・・
と新調したノートは
いつも落書きだらけで
教科書の伝説の人物は皆
最終形態まで進化し
ページの右下はいつも
パラパラ漫画になった
ロンスカは注意する先生達も
夏仕様の膝上丈はスルー
まだ若い先生ばかりで
色々ゆるかったあの頃は・・・
って・・・
何十年前の話やねん!
「放課後」
放課後、カバンを肩にかけて教室を出る。
遊びの相談をする級友の声を後ろに聞きながら、図書館へと向かっていく。
今日は水曜日。
私の図書委員の当番の日であり、密かに楽しみにしている日だ。
カウンターの奥へとカバンをしまい、返却ボックスに溜まっている本を棚へと戻し始める。
さて、今週はあの人は何を借りるのだろうか。
賑やかな声は遠くなり
みな向かうべき場所へ 足早に
ずっとここには居られない
進み行く 心悲しさを抱いて
/ 放課後
-最終下校時刻を知らせる鐘が鳴る-
窓の外は既に夕日が落ち始めてきている。
(もうこんな時間か…帰る準備をしなくては)
カバンの中に教材を詰め教室を出て階段を下り、静まり返っている下駄箱で靴を履き替える。
いつもこのぐらいの時間まで部活をしている友人と一緒に帰ろうかと考えていると突然背後から肩を掴まれる。
「わッ!?」
驚いて後ろを振り向くとそこには制服を着た友人がいた
「な、なんだ君か…びっくりさせないで、心臓が飛び出るかと思ったよ…」
友人は軽く微笑みながらごめんと謝り、一緒に帰らないかと誘った。承諾して一緒に下駄箱から外に出る。
空は教室の窓から見た時よりも薄暗くなってきていた。校門の方まで歩き、楓並木の道に曲がると大きな夕日が浮かんでいて、オレンジ色の眩い光が辺り一体を包み隣を歩いている友人の顔がよく見えない程眩しかったが、それと同時にとても綺麗だった。
「眩しいが、とても綺麗な黄昏だね」
そう言うと、友人が私に黄昏は昔、光の影響で向こうにいる人が誰か識別するのが難しいから「たそかれ」誰そ彼と呼ばれていた事を教えてくれた。
「まるで今のことのようじゃないか」
友人は少し間を置いて…そうだねと呟いた。友人の顔は光のせいで影になっていて表情が読めない。
そのまま友人と雑談をしながら歩いていると、目の前を紅い楓の葉が舞い落ちた。それをなんとなく目で足元まで追うと、途端に違和感を覚えた。
今、夕日は目の前にある。
夕日の光で影は今後ろ側にあるはず。
木の影は後ろを向いている。
私の影も前には見当たらない。
なら、なぜ友人の影は前にあるのだろう。
ソレに気づいた瞬間もう1つ頭に浮かび上がる。
(友人の顔が、思い出せない…)
決して、ド忘れしたというような事では無い。隣を見ても彼の顔は見えない。
全神経を頭に集めて考えたが、友人の名前も、クラスも、出会い方も思い出せない。まるで存在自体していなかったかのように何も分からない。
背筋が凍り、嫌な汗が頬を伝う。意を決して友人に問いかける。
「君は、誰だ…?」
「友人」と認識していたそのナニかの口元が歪んで弧を描いた。
思わず「…ヒッ…」と叫びかけたがその声は、声になる前に消え失せてしまった。頭の中では警報音が絶え間なく鳴り響き、この場から今すぐ逃げろと訴えている。
引き返そうと全速力で走る。だが、校門の手前の曲がり角で足がもつれ転んでしまう。恐怖で腰が抜け、立てず、焦りからか、呼吸が浅くなる。ナニかがすぐそばまで迫ってきてもうダメだと思ったその時…
「兄さんッ!!!!」
よく知る後輩の声が響いた。その少年はこちらまで走ってきて私のことをナニかから守るような形で抱きしめた。このままではこの子が危ないと思った次の瞬間、ナニかは後輩のカバンに着いている物に反応したかのように呻き声を上げながら消え去った。
「…き、きえ、た?」
「兄さん、!兄さん大丈夫!?ケガはない!?」
あまりの勢いで捲し立てるものだから、気圧されながらも大丈夫だと答えた。心配だというのがありありと伝わってくる表情をしているから緊張がほぐれ、気持ちがとても楽になった。
とりあえずベンチに座って話そうという事になり2人とも立ち上がると、少年のカバンから何かが落ちた。拾うと、それは魔除けのお守りだった。どうにもこのお守りのおかげで九死に一生を得たということらしい。私のためにお守りをダメにしてしまって申し訳ないと言うと、
「兄さんの事を守れたんだ、誇らしいよ」
と、恥ずかしげもなく言うものだからすごい。ちなみにこの「兄さん」というのは可愛い後輩兼友人が、私に親しみを込めて呼ぶあだ名みたいなものだ。
「兄さんは黄昏時は知ってる?」
「あぁ、知っている」
誰そ彼など知ったのは先程だが思い出したくないため口には出さなかった。
「黄昏時は別名逢魔が時とも言って魔物に遭遇しやすい時間帯でもあるんだ。」
だから私は遭遇してしまったのかと納得する反面この後輩は本当に博識だなと感心してしまった。
いつも部活でこの時間に帰っている後輩にこの時間に帰るなら僕と一緒に帰ろうと誘われてしまえば断る選択肢などどこにもない。
「喜んで」
そうして2人は一緒に帰路に着く。
放課後、親友のSとぼくはスクールバスでスイミングスクールに通っていた。
毎回、到着までばか騒ぎをしては怒られた。なにせ、ぼくらはアホな小学生男子だったから。
ある日、隣のシートでSは静かだった。
両手にいくつかの消しゴムを持ち、順番にかいでいる。
バス停前に数台のガチャガチャがあり、不人気で捨てられたものをSは拾い集めるくせがあった。
「これ、○○の匂いシリーズなんだよ」
「へえ…その黄色のは?」
「バナナの匂いだよ」
確かにバナナの匂いがする。
「こら、ふごいよ」
Sはニヤッと笑い、黄土色の消しゴムを差し出した、
「な、なんだよ。これ…」
「うんこの匂いだよ」
ぼくはあきれて、通路の反対のシートに逃げた。
「ふごいよ、うんこの匂いだよ」
Sは盛んに黄土色のブツをかぎ続けた
「絶対おれに近づくなよ!」
Sはニヤニヤしながら、ほかの消しゴムの匂いと較べているようまった。
少ししてSの動きが止まった。
鼻を黄土色の消しゴムに近づけたまま。
そして吐いた。
けんかの理由は
なんだったのか
どちらからはじめたのか
どちらが悪かったのか
そんなこと
どうでもいい
放課後の教室になんて
残らなければよかった
夕陽が傾く通学路は
変にまぶしくて
隣を歩くきみがいなくて
泣きたくて
泣きたくなくて
空を仰いだ
どうすれば
自分に素直になれるのだろう
なんてあやまれば
きみはまた笑ってくれるだろう
#放課後
放課後
放課後はダッシュで帰宅していた。
部活もしてないし、友達と放課後の教室でおしゃべりすることもなく、自宅へ直行していた。
家が楽しかったわけでもなく,誰かが待っているわけでもないのに。
なんでだろう?
もしかしたら、1人になりたかったのかもしれない。
学校にも家にも居場所がない、この世に自分の居場所がない感覚がいつもあった。
孤独な思春期女子。
毎日放課後に
君と帰った道
君と通ったコンビニ
毎日手を繋いで家まで送ってくれた君
1年経っても2年経っても
全然慣れなくて
恥ずかしくて
毎回顔が真っ赤だった
君は余裕そうに
「顔、真っ赤だよ?」
微笑みながら言ってきた
「冬だから寒いの」
毎回同じような会話
私の手が君のポッケに入る
それだけで
心まで暖かくなった気がした
君と過ごす放課後は
あと1年か、
「放課後」
日が沈む。
今日も終わる。
あの子は寄り道。
あの子は部活。
あの子は帰宅。
誰もいない教室で
また明日。
「青春ごっこ、したことあるの」
そっと打明け話をしてみたらあなたは予想通り少し戸惑った表情をした。これだけで終わる話でもないから、気にせず言葉を続ける。
学校帰りに家の前を通り過ぎてそのままずっと夕陽へ向かって走ったの。何だか突然、若者らしいことをしてみたくなって。でもね、ごっこ遊びだから、制限時間は山の端に太陽が隠れてしまうまで。
真っ赤な夕焼けは眩しくて、温かくて、追いかけているだけでとてもワクワクしたよ。どこまでも行けるような気がしたし、どこへでも行ける自信だってあった。けど暗くなった頃辿り着いたのは結局、隣町の端っこでさ。
少しがっかりもしたけれど、これは私の足が遅いんじゃなくてこの大地が遥かに広いんだと、気分は却って清々してたのが、今思うとそれなりに青春感あるね。
「今も?今もここを出て何処かへ行ってしまいたくなったりするときがあるのかな」
ふと思い付いた顔で、けれど真面目な瞳で訊ねてくるあなたは何を心配しているんだろう。いつだって私はここに戻って来るし、むしろ何処かへ行くのなら……
「そのときは二人一緒にね」
************
「放課後」
「放課後」
あの空は何色だった?あの時の匂いはどんなだった?音は?天気は?
そんなこと考える、教室の中をイメージして
永遠に止めておきたかった時間
わたしたちは、わたしは、どうすることも出来ずに、数年経ってしまった。
時間を止められるなら、偉い人達が研究してるはずだ。
でも、それがない。
時間を止めるなんて、無理なのかもしれない。
放課後
放課後は必ず部活に行ってたっけ。
経験した部活は演劇部と合唱部。
なんで入部したのか忘れちゃったや。
かけがえの無い仲間、だとかに縁遠い青春だったな。
表面上は取り繕えるから一人になることはなかったけど、
本質が見抜かれてたんだろうなぁ。
放課後にあまり良い思い出は、ない。
『放課後』
早く早く帰らなくちゃ
藍色の夜が迎えに来るよ
放課後=部活
淡い思い出などない
丸坊主の部員120人で練習⚾
原点です
飲み会の席では帰るの1番最後になっちゃう。
何なら、トイレにすら、なるべく行きたくない。
私がいない間に、楽しい事が起こるかもしれないから。
大人になっても、そんな欲張りになったのは、学生の頃のあの放課後があったから。
好きな仲間と勝手に居残ってた。
あの放課後があったから。
「此処から先、魔境」とか通ってたのかなってくらい。行きは爆速で駆け抜けるのに帰りときたら毎日「今日はこっちの道に何かある気がする」ってやってたわ。「さてはこっちか」とか、「いやこっちかも」とか。人様んちのタンス開けたりしないし宝箱もないけど脳内マップは絶対作成してたわ。
家帰るのってなんであんなに時間かかるんだろうね。踏ん張るイッヌの散歩かよ。
昼寝してた。
ちょっと寝過ぎたかもしれないが、晩御飯を買うついでに散歩でも行くことにした。
ゆっくりと準備し、なんだか騒がしい外へ出ると子供たちが笑いながら帰路に着いていた。
「そういえば、この時間は小学生と鉢合う時間だったな…」
すれ違った子供たちの背を少し見て、自分も昔放課後はあんなに笑って帰っていたなと苦笑した。
「さっさと、晩飯を買って寝よ」
寝ぼけた頭で考えていると、秋風が頬を撫でた。
#放課後
放課後
誰もいない教室
ベランダから見る校庭
部活に励む君を見てる
走り込み飛ぶ姿
何度もここで見ている
いつも外を見てるね
誰を見てるかは内緒
私の視線は誰を見てもいい
そんな自由な時間
思いを伝えることはない
そっと見ているだけ
君に気づかれない自由も
この放課後にはあるから
がむしゃらに走る
君をずっと応援している
こんなに遠いけど
たまらなく愛しい
そんな思いを許す時間
今日も夕焼けは美しい
言葉というのは贅沢で高価なのだ
欲しい腕時計に手が届かないように
毎日辛い人生を送っている人間には
気品な言葉はまた、高価で手が届かない
私の、自分のに見合った言葉は
自販機の100円コーナーに並んでいよう
あの数人の仲間達とふらついている大学生の言葉も
おおかたメルカリで販売されていた物であろう
「放課後」
教室で、一人音楽を聴きながら、海を眺めていた。
夕日が綺麗だなと思っていた。
窓からの海が見える景色が綺麗で、決めた高校。
いくつになっても、忘れられない景色。
紺の制服と、机と椅子。
教室にただ一人いたこともあった。
MDプレーヤー。
夕日。
あの景色。
君にも、いつか、見せてあげたい。
10.12