『善悪』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
額縁から彩り
結んで辿ったとして
思考はかき消されて
空へ
揺らがない羊
幼い子の知恵
杖は鬱つに蛇を生む
優しさは朧げに
歩むでしょう
「善悪」
あなたはいつもいい子ね
あなたに頼めば心配いらないね
あなたに任せるわ
積み上げてきた信頼をどう壊してやろうか、と
偽善の顔で微笑み返す
真の善悪を知るには
故(ふる)きを温(たず)ねていくこと
そして子どもから学ぶこと
小さくても善と悪を持っているから
このケーキを食べるべきか否か。
帰宅するなり「ケーキ買っておいたから」という一言が聞こえて、私の心はぐらぐらと揺れた。
成績が良かった時のご褒美はケーキ。それは昔からの約束だったから、お母さんは何も考えずに買ってきたんだろう。もしかしたら、先月からの私のダイエット宣言なんて、もう忘れてるのかもしれない。
テーブルの上にはケーキの箱。それを開けるべきかどうか。決められない私はただじっと箱を見つめる。
今日くらい食べたっていいさと、悪魔が囁く。
日々の積み重ねが大事なんですと、天使が私を諭そうとする。
どうしよう。頭の中で天使と悪魔が言い争う。まずは制服を脱ぐべきだって天使が言う。スカートがキツくなってきたから焦ったんだっけ。そうだよなぁ、食べちゃ駄目だよなぁ。
でもせっかくお母さんが買ってきたのに? あのケーキ屋のおじさんが丹精込めて作ってくれたのに? 悪魔がそう主張する。どちらの言い分も正しい。そこに善悪なんてない。だから私には決められない。
そうやって立ち尽くしてどれだけ経ったのか。
ぺたぺたという足音が聞こえたと思ったら、すっと横から小さな手が伸びてきた。
「お姉ちゃんダイエット中でしょう? 私が食べてあげる」
「駄目っ!」
意地悪げなミホの声に、私は反射的にそう叫んでいた。
ダイエットは大事だ。日々の努力が結果を出すのもわかる。テストの成績が良かったのもそのおかげだ。でもこの図々しい妹に取られるのだけは、それだけは許せない。
「えぇー?」
それまで動けなかったのが嘘みたいに、私の手が箱へと伸びた。
「これは私のだから!」
「君には善悪の区別が無いのですか」
「ぜんあく」
驚いた。俺の先生はずいぶんと素っ頓狂なことをお言い為さる。
「世の中にはひとつの物差しで測れないものがごまんとあります。ええ、確かに有ります。そう君にも教えました」
「そうですとも。自らの経験に基づく偏見に満ちた道徳を、物心つかぬ内からご教示くださったじゃあないですか」
ああびっくり。まさか性格同様ひん曲がった口先から「善悪」なんて非常識な言葉が出てくるとは思わなんだ。
「先生、先生。俺の目を見てくださいよ。焦点は合ってますか、ご気分はどうですか。子どもが昼間から酒を飲んじゃあいけませんよ」
「……はあ」
生意気め。俺の顔を見てため息なんざ百年早い。
「いいですか、学生の身分で毎夜酒場を渡り歩き喧嘩相手を川に投げ込んだ後仕送りで色町を漁るのは絶対悪です。言い訳のきかない悪です。分かりますか、分かろうとしてくれますか」
「ふむ。大丈夫ですか先生、息が切れてますよ」
口をたくさん回したくらいでこのザマだ。普段ろくすっぽ自分の言葉を持っていない証左。
「君、」
「はいはい、はい。学生の身分で毎夜酒場を渡り歩き喧嘩相手を川に投げ込んだ後仕送りで色町を漁るのは絶対悪なのですね。覚えました」
毎夜はだめと。
「どうしてお前はそう……。その歳にもなってモラルが育っていないのは問題ですよ」
「それは自虐ですか。己の教育の敗北を認めますか」
「………はあ」
生意気め。俺の顔も見ずにため息なんざ千年早い。
「もう僕にはお前の存在自体が悪に思えます。そう思いたくないのは本心です。それでも悪に思えた方が幾分気が楽になる事も確かなのです」
「そりゃいい。それはとてもいいですね、先生。先生はやはり教師に向いてます。俺が悪なら、俺の為すことすべて悪です。そうしたら、もうそこには善悪が無いのと同じでしょう。いやまったく、俺には思いつきもしない解決方法だ。いいですね。今日今この時から俺は悪に成りましょう。その方が先生も、色々と言い訳が立つでしょう」
「それは……、それは、困ります」
「困る」
意外。例のごとく、屁理屈並べるなと目くじらを立てるものと。もしくは図星を突かれて動けず、それ以上責めるなと眉を下げて訴えてくるものと。
「困るとは何です。よもや今更俺に善に成れとは言わないでしょう。……言いませんね?」
「言いません。それだけは言えません。僕は、お前に善悪に成ることを望んでいるのではないのです」
「では何をお望みで」
「僕の教え子であることを」
「は」
「お前がこの先も、この手を取ってから寸分の乱れも無く、僕の教え子であることであることだけが望みなのです」
「先生」
「嗤いますか。嗤いますね、いつもの事です」
「いやいやいや、何を言う。先生、先生、やっぱりアンタは強欲の人だ。お子さまだ。お坊ちゃまだ。出会った日から寸分も乱れも無い。ふふ、いや、これが笑わずにいられますか。先生の嫌いな嗤いじゃあありませんよ、本当に愉快なんです。先生、せんせぇ、いいですよ、なるたけ叶えてあげますとも。先生が先生である限り、俺も善悪でなく先生の、先生だけの教え子で居てあげます。いい子、いい子。今日は素直で可愛い、可愛らしい」
今日は花街代が浮きそうだ。仕送りにも手を付けない。ほら、なんて良い子。
「ああ、やはり酔っているのかも知れません。頭が回っていない。忘れなくていいが、忘れても良いです。良くないことを言った」
「なに、人間なんざ生まれてからずぅっと酔ってるようなものです。ねえ先生、愉しく酔い続けるには善悪なんかで遊んでる暇はありませんよ」
「……お前がそう言うならそうかもしれない。もう疲れました」
「はいはい。帰りましょう、帰りましょう」
疲れるだろう。善悪なんて教えられても無い空虚の剣を振りかざしてみたものの、その細腕には重すぎるのだから。
#善悪
善悪…それが分からない僕らは、まだ幼すぎたんだ…やっていい事か、いけない事かも分からないまま、僕らは、罪を沢山犯した…そんな僕らは、一生誰にも救われる事も報われる事すら無いだろう…だから、僕らは、犯した罪全てを一生涯背負って生きて行く…神様にも許されない、誰にも許されないこの世界で僕らは、静かに息を引き取った…死ねば楽になれる気がして…僕らは、暗闇の中でそっと、息を引き取ったんだ…
誰かの善は誰かの悪だし誰かの悪は誰かの善。一方通行の善悪なんて存在しない。だれかのスキャンダルとか誤ちとか外野が騒ぐことじゃないよね。
匿名のちっちゃい画面内の世界でしかイキれないお前の倫理観なんて誰も求めてねえから(笑)
善悪を語れるほどこの世を知らぬ幼き者に
世の多くを知るからこそ善悪を語れぬと
長く生きし者は言う
善悪
ヒトはすぐに善悪をつけたがる
自分の基準だけで…
善悪もわからないの…?
吐き捨てられた言葉
知るかよ
善悪の基準なんて人それぞれだろ
社会の固定観念押し付けんな
『善悪』
良かれと思ってやったことなのに、ことごとく悪いと言われて、あるいは悪い結果になってしまい、そんなつもりじゃ無かったんですけど、言われてみれば悪かったです。
起こられっぱなしの人生で、いつも不安だ。何が正しいのか考えても無駄だし。絶対間違ってるから。私は生まれながらにやることなすこと悪いので、バンドやりたかったです。
善悪
この世界は醜い。
何が正しくて何が間違っているのか。
善人なんていない。いるのは悪人だけ。
なのに「自分は正しい、間違ってない」
「アイツは悪いやつ」なんて決めつける。
醜い。醜い。醜い。
私達に善悪なんてつける資格なんてないのに。
この世界は最高に醜い。
善悪。しっかりしてよ。思わせぶりは完全に悪の方だと思うんですが!?
「一緒に帰ろー」
私の名前を呼ぶ男子。仲のいい子である。
「いいけど、私歩きだよ?」
「仕方ねぇな。一緒に歩いて帰ってやるよ。」
「えー!?カッコイイ。ありがと〜。」
なんて会話をして帰る予定だったのに…なぜここに幼馴染くんが!?毎回不思議に思う。いつも私の隣にいること。歩いて帰るのはいいんだけど、やっぱり2人きりになるの。途中で分かれ道があるから。君はいつも私に向かってニッコニコしやがる。私のバッグを叩いたり、軽くタッチしたりたまに優しく殴ったり…全部私にしかしてないのに君は私に興味無い素振りを見せる。私の勘違い。最近本当に寂しいんだよ?君の思わせぶりにも疲れてきた頃なの。もう君のこと考えるの、やめていいかな?私、時間も余裕もなくて疲れちゃったの。それでも君は私にニッコニコしてるんだ。
ーアホたれー
善悪
どちらも表裏一体…
何が善か悪かは
体調や気分でも
変わる…
でも…
本質は変わらない
そこだけは揺らがない
表面上の善悪より…
内面の深いところの
善悪は本物
大切に…
でも
いつもは隠れていて
見えなくても…
いざとなれば、
本性がみえるもの
なのかもしれない
善悪の判断って、何が正しいのか分からない。
私にとっての善でも他の人にとっては悪かもしれないから。
例えば、雨で濡れてる人に傘を差し出したとする。
私にとってはその人のためを思ってした善。
だけどその人にとって私は、雨に濡れるのが好きなのに邪魔してきた悪になる。
そして私は自分がした善を受け入れなかったその人を悪として見る。
こうして私たちはお互いに勘違いしたまますれ違って、もう交わることもなくなる。
それが本当の悪なのに。
善悪
悪意のあるツイートからはどす黒い闇のオーラが見える
厳しさの中にも力強い言葉や優しさのあるツイートからは光が見える。
子どもたちを危険なSNSの世界から守りたいです
今目の前にいる友達はニコニコしているけど
目だけが笑っていない。
すごく嫌そうな顔をしているあの子は
本当はすごく優しい子。
見た目で善悪の判断なんてできないんだ。
なら私は、どんなふうに見えているんだろう。
お題〈善悪〉
善悪なんて知らない
そんなの偽りだ
違う…お願い…違うの…に…
私は…あなたを助けたくて…
褒められたくていいことをたくさんしただけなの…
偽善じゃな…い…の…に…
善悪ってなんだろう
だって、群れ衣を着せられたり
やってない事をやったと言われたり
誰も庇ってはくれない
そう考えると、この世界は、
悪に染まってるのだろうか
でも、庇ってくれる人もいる
それは嘘だと言ってくれる人がいる
これは、善だよね
だから、よくわからないんだ
善悪が、本当にわからないんだ
題.善悪
私はきっと、いつまでも
「善い人」のままなんだろう。
衒妻の、あなたの友達でいる限り。