『君は今』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
読み進める小説の
主人公と同化していく
きみは今どこにいる
太陽の動きに合わせて
東の方から西の方へ
当てもなく歩く景色は
永遠に明るい
その強い日差しを受けて
眩しそうに目を細めてる
きみは今どこにいる
(君は今、現実逃避)
同窓会の欠席は1人だけだった。
それが河本陽菜乃だと知った時、落胆と安堵が両立していた。
河本陽菜乃は高校時代の元カノだ。
別々の大学で遠距離恋愛をしていたが、ちょうど1年くらい前、好きな人ができたとフラれてしまった。
僕自身、まだ諦めきれていないところがあったので、会う機会が喪失したことは残念に思う。
ただ、実際に会えたとしても何を話せばいいか分からなかっただろう。
微かな引っ掛かりを残しながら、会は始まった。
久しぶりに会うやつと昔みたいに話せるかと心配していたが、杞憂だったようで会は非常に盛りあがった。
高校時代、一番仲の良かった康介は、先週プロポーズの末、婚約までしたようで、結婚式の展望について一生懸命語っていた。
瓶ビールを追加するため、中座してカウンターに向かうと、翔太くん、と呼ぶ声が聞こえた。
振り向くと、門倉栞がこちらにいたずらっぽい笑顔を向けていた。
「久しぶり」
門倉栞は高校時代、陽菜乃の親友だった。
陽菜乃と同じバレー部で、僕が陽菜乃に告白しようとしていた時は、かなりアシストしてもらった記憶がある。
こっちこっち、と手招きをするので、移動してグラスを見た。
コップの1/8くらい、赤色の飲み物が残っている。
「カシオレ?」
「いや、なんか変な名前のやつ。分かんないけど面白い味するよ」
飲んでみてよ、と差し出されて軽く呷る。
「あー、たしかにそうかも。あれに似てる、えーと」
「ドクターペッパー」
「それだ」
指を指すと、自慢げな表情。
「そこまで飲んだし、飲み干しちゃってよ」
「えー、あんまり好きな味じゃないんだけどな」
「応援したげるから」
別にいいか、残りはほんの少しだし。
そう思って、残りを飲んだ。
後味は微妙に苦かった。
そこからは色々な話をした。
班活動の話や文化祭の話。
そして、陽菜乃の話。
「そっかー、別れちゃったんだ。あんなに応援したのに」
残念そうに栞が言う。
「その節はほんといろいろ助けてもらって……」
拝む僕の肩をやめてよー、と叩く。
その話を詳しくしようと思った時、幹事の声がスピーカーから響いた。
「大盛り上がりのとこ、悪いけど、もう会場時間です!話し足りないぶんは二次会で!」
最初の席に戻るよう促されて、じゃ、と手を振って席に着いた。
まだ少し話していたかったが、仕方がない。
二次会は各々行くようで、ロビーにグループがいくつかできていた。
康介のところに混ざろうとした時、袖を引かれた。
栞だった。
「私と行こうよ。まだ話し足りないでしょ」
かなり迷ったが、栞のところに行くことにした。
栞の希望で外れのバーに歩く。
かなり酔っているようで、足取りはふらついていた。
それほど飲んではなかったみたいだけど、弱いのかな。
かくいう僕もかなり酔っているようで、頭がズキズキと痛んでいた。
喧騒から離れて、街中を抜けた。
しばらく歩いて小さな石橋を渡る。
「こんなところにバーなんてあったっけ」
頭を押えながら聞く。
栞はスっと立ち止まった。
「体調は大丈夫?」
お酒のせいだろうか。会話が噛み合っていないように感じた。
頭の痛みはさっきより増していた。
「いや、まあ。ちょっと、ヤバい、かも」
ふらつく僕の様子を見て、気遣ってくれたのだろうか。
いや、さっきから栞は一度も振り向いていないはずだ。
ようやく振り向いた栞は涼やかな目をしていた。
そのまま後ろ歩きで数歩進む。
足取りはしっかりしていた。
この表情の意味はなんだろう。
考えようとするが、上手く頭が回らない。
視界が歪む。
足を踏み出そうとして、転げてアスファルトに頭を打った。
「ああ、大丈夫?」
栞は僕に肩を貸してくれた。
ぶつけた痛みはほとんど感じない。
内側から蝕むような痛みが響いている。
「気をつけてよ。もし、流血なんかされたら、手がかりが増えちゃうじゃない」
言葉の意味がよく分からなかった。
うまく聞き返すこともできずに、呻く。
「じゃあここで別れましょうか」
それじゃ、と聞こえて体の支えが消えた。
続いて衝撃と冷たい感触。
川に落とされたのだ、と理解する。
だけど体は動かない。
流されながら、痺れた思考で必死に考える。
栞はなぜ僕を殺したかったのだろう。
陽菜乃を奪ったあの人を、私はどうしても許せなかった。
私との約束を塗り替えて、翔太に会いに行く陽菜乃が許せなかった。
元々両想いだと知っていたから、なるべくうまくいかないよう策略していたが、実を結ぶことはなかった。
陽菜乃が別れたと聞いた時、初めて神様に感謝して、そして思った。
二度とこんなことが起こらないように頑張らなくちゃ。
翔太と会わないようにと脅迫の手紙や嫌がらせを繰り返した。
陽菜乃が弱っていくのを見るのは辛かったが、フォローも余念なく行っていた。
同窓会も思惑通り、断ってくれたようだ。
しかし、陽菜乃がうわ言のように呼ぶのはいつも翔太の名前。
存在を消すしかない、と思った。
この辺は人通りも少ないし、川の流れも速い。
行方不明の死体が上がるのは、いつになるだろう。
飲ませた毒は存分に効いていた。
自力で上がってくるのは不可能だ。
陽菜乃は今、何をしているのだろう。
この後、会いに行こうかな。
私の鼻歌が静寂に弾んでいた。
君は今
君は今何を考えているのだろうか。
きょうだい達のことかな?
ママと暮らしたらどんなに、楽しいのかなとか考えてくれているのかな?
それとももうパパ達と暮らしたくないから、こっちへきたいとおもってもくれているのかな?
だとしたら嬉しいなぁ
お題:君は今
君は今何をしてるの?
真っ先にそれが頭の中で出てくる。
昔に友達になった子、今はどうしてるのかなぁ。
ふっと会える時が来るのかな。
その時まで待ってみようかな。
君は今、空を飛んでいる。立つ鳥跡を濁さずとは誰が言ったものか。ひゅうひゅうと落下していって、そのままどんどん小さくなる。どんどん飛んでどんどん小さくなる君を目の前に、僕はフェンス越しに見つめることしか出来ない。
ぐちゃり。
ああ、僕が早く君を捕まえられたのなら。
僕がもっと早く君の不自由に気がつけたのなら。
君はここを飛び降りたりなんかしなかったのかな。
君は今
笑った時も
悲しい時も
いつも一緒
何をするのも
2人だったね
新しい日々は
1人歩く道のり
肩を寄せる
そんな感覚を
もう1度と
思ってしまう
あの日々のこと
朝まで語り尽くし
思い出したい
そんなことを
描くように
朝の青い空を
どことなく
見てしまう
君は今
どこにいるかな
どっかでこの空を
見てたりしないかな
見えないからこそ
近くに感じるなんて
手に触れない
それなのに
心に触れる
気がしてしまう
涙の笑顔が
じんわり疼く
滲んだ思い出が
雲に流されていく
ここにもまだ
残ってはいるけれど
お題『君は今』
白くて背の高い花。
あの花が咲くと僕は君を思い出す。
あの花が好きだった君に縁起が悪いから摘まない方がいいと言うと、
「こんなに可愛いのに、縁起が悪いの?」なんて言って、
ずっと見てたね。
僕は最期まで言えなかったけど君のことを想っていました。
お見舞いに毎回詰んでいくと
「縁起が悪い花なんでしょ?私は好きだけど…」
なんて言ってたけど本当は貧乏になるって言われてるだけなんだ。
だから、入院してる時だって僕は詰んで行ったんだ。
それに気付いてたかな?
遠いところに行った君とはもう会えないけど、
僕の想いは届いてたかな…
あの花…ハルジオンの花言葉は追憶の愛
僕にとっては貧乏草なんかよりも
そっちの意味合いの方が強かったのかな
今でも君を想い続けてるよ。
【君は今】
君は今
何をしていますか
楽しかったあの頃のこと
覚えていますか
長らく会えていなくて
お互い違う道を歩いてきたから
少し気まずいけれど
記憶の擦り合わせを
今
「君は今」
何処へ
遠くへ
何処へ行くの
遠くに行くの?
でも
まだ
貴方と一緒に居たいよ
君は今
何処へ居るのだろう
探すから
見つけるから
待ってて
地獄でも
何でも
行くから
カシャ
とやけに耳馴染みのいい音が聞こえた
音のした方を振り向く
そこには、カメラを構えた君がいた
それでやっと、さっきの音とシャッターの音が
結びつく
ファインダー越しに目が合って、同時に頬が緩む
「何撮ってんの!」
「内緒!」
桜が散って、それと同時に君はいなくなった
振り向くとそこには、花見をしに来たんだろうカップル
桜の写真を撮る後ろ姿に君が重なってしまった
背丈も格好も全然違うのに
君は今もファインダーを覗いているんだろうか
君と君の大切な人の時間を切り取っているんだろうか
君に未練なんてないんだけど、ただ、
もう少しだけ君が写す綺麗な世界を見ていたかった
なんてね
#君は今
君は今、どうしているのか。
僕には分からない。
ただ、僕は君ともう少し永く。
1時間…いや、1分…いや、1秒でも永く一緒にいたかった。
君は、僕の何がきらいになったのか分からない。
でも、次合うときは、君ともう1度一緒にいたくなるような僕になるから。待っていてね。 僕より
【君は今】
登場人物
僕…藍野時 紗風(あいのとき さふう)
(※グノーシアの話になってしまったので、
クリアしていない人は読まずに飛ばしてください)
(23/02/28、03/02 推敲し加筆修正)
君は今、何をしてるのかな。
そう思っても、これから先、
それを問う術はどこにもなくて。
ここには、君はいない。
ついさっきまで、
君はそこにいたはずなのに。
隣に横たわる人の寝顔を眺めてみる。
…やはり君は、
君では無くなってしまったようだ。
こんなにそっくりなのに、
何故わかってしまうんだろうね。
私と、未だ目覚めない”君だった人“以外、
誰も居ない展望ラウンジは
嘘みたいに静まり返っていて。
君では無くなってしまった君を
見ていられなくて、
そっと繋いでいた手を離した。
ゆっくりと立ち上がり天を仰げば、
眩しいくらいの無数の星たちが
私を見下ろしている。
ねぇ、君はそこにいるの?
そこにいるなら、今すぐ会いに行くのに。
ここから見えるどの星にも、
君がいるはずはない。
考えなくてもわかっていることなのに、
わかりたくなかった。
でも、論理を重んじる私の頭は、
痛いほどにそれを理解してしまっていて。
今の今まで押しとどめていた涙が
溢れてくる。
私は、ここにいて。
君も、そこにいる。
それだけで充分なんだ。
その気持ちに一片の嘘も無い。
君の存在を思うだけで、私は……。
---だけど。
望んでいいのなら。 願えば叶うなら。
----ずっと、そばに居たかった。
今までに感じたことが無いほどの
感情の乱れに、思わず俯いて顔を顰めると、
瞳から溢れた涙が、頬を伝わずこぼれ落ちる。
一つ、また一つと
落ちていく雫が光を反射して、
宙の星を映す展望ラウンジの床で瞬く。
その光が、
この宙には存在しない星を映しているようで。
---ああ、そこになら、君はいるのかな。
そんなことを考える自分に、苦笑した。
君は今
ほぅ、と息継ぎ
絹の肌
爪で残した
赤い運命
【君は今】
君は今…なにを見てる?
物憂げな顔をして、ずっと窓の外見てるね。
雨…だよ?
もう、僕の話は興味無い…聞こえてないね。
だから、僕も黙ってしまう。
同じ窓の外を見る。
もう、窓越しにも目が合わない。
…ズルいなぁ。君からは伝えないんだ。
わかったよ、いつでも悪者は僕だ。
だから、自由にしてあげる。
「僕達、終わりにしようか。」
その言葉を聞いた君の表情は忘れない。
君は今…なにを見てる??
何を求めて生きていこうか?
私は探していた。
幸せは結婚することなんだと。
思う時がある。
でも私は恋愛さえまともにできないのかな。
光は自分でつかむもの。
私だけの幸せがあるなら私はそれでいいよ。
時期や流れに逆らわない生き方をしていこう。
幸せな時間が増えて行きますように。
【ゆりかご】
君は今
夢を見ている
僕の作った
水槽《 ゆりかご》の中で
そして、
僕は待っている
完成体となった君が
目覚める瞬間を
お題「君は今」
君は今何をしていて、何を考えている
好きだった期間が長すぎて忘れ方がわからない。忘れたい。話したくない。考えたくない。
大丈夫だって思いたくない。辛すぎた。
でもどうしても考えてしまう。気づくと記憶に残るあなたがいる。
後悔したくないのに何もできない。
何もできないのに後悔したくない、何もしてないのに勝手に傷ついて苦しんで諦めて。
結局一人で何をしていたのだろうか。
気持ちを整理してもきっと一生あなたが心に残ってる。見ているとすごく心が痛くて、どうして、?って思う。
君は楽しんでいますか?苦しんでいませんか?頑張りすぎていませんか?時には自分では解決できない辛いことが起きても、その波はおさまるからそれをしんじましよう。休んでも大丈夫。
2023/2/27
「貴方は何の不満も無いみたいですね。」
「う~ん。特に変化を望んでいる訳では無さそう。」
「何を欲しているか、何をすべきか或いは何をしたいか、よく理解してますね。」
「君は今の暮らしに満足している。」
占いをしてもらうと大抵そんなことを言われる。そしてプロアマ問わず口を揃えて言うのが、
『どうして占いに来たのですか?』
という台詞。そんな事私自身にも分からない。
君のすべては、君の一生は
僕だけが知っていたかった