(※グノーシアの話になってしまったので、
クリアしていない人は読まずに飛ばしてください)
(23/02/28、03/02 推敲し加筆修正)
君は今、何をしてるのかな。
そう思っても、これから先、
それを問う術はどこにもなくて。
ここには、君はいない。
ついさっきまで、
君はそこにいたはずなのに。
隣に横たわる人の寝顔を眺めてみる。
…やはり君は、
君では無くなってしまったようだ。
こんなにそっくりなのに、
何故わかってしまうんだろうね。
私と、未だ目覚めない”君だった人“以外、
誰も居ない展望ラウンジは
嘘みたいに静まり返っていて。
君では無くなってしまった君を
見ていられなくて、
そっと繋いでいた手を離した。
ゆっくりと立ち上がり天を仰げば、
眩しいくらいの無数の星たちが
私を見下ろしている。
ねぇ、君はそこにいるの?
そこにいるなら、今すぐ会いに行くのに。
ここから見えるどの星にも、
君がいるはずはない。
考えなくてもわかっていることなのに、
わかりたくなかった。
でも、論理を重んじる私の頭は、
痛いほどにそれを理解してしまっていて。
今の今まで押しとどめていた涙が
溢れてくる。
私は、ここにいて。
君も、そこにいる。
それだけで充分なんだ。
その気持ちに一片の嘘も無い。
君の存在を思うだけで、私は……。
---だけど。
望んでいいのなら。 願えば叶うなら。
----ずっと、そばに居たかった。
今までに感じたことが無いほどの
感情の乱れに、思わず俯いて顔を顰めると、
瞳から溢れた涙が、頬を伝わずこぼれ落ちる。
一つ、また一つと
落ちていく雫が光を反射して、
宙の星を映す展望ラウンジの床で瞬く。
その光が、
この宙には存在しない星を映しているようで。
---ああ、そこになら、君はいるのかな。
そんなことを考える自分に、苦笑した。
2/27/2023, 9:06:58 AM