『別れ際に』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
別れ際に
俺には大っ嫌いな母がいる。
あんまり俺が嫌うもんだから、アイツも俺のことを大層嫌っていただろう。
俺はアイツと少しでも早く離れたくて、アパートに引っ越し一人暮らしを始める。
もうすぐ家を出る。
荷物は全部引っ越し業者が先に持っていってくれた。
俺は電車でそのアパートまで向かう。
家を出る前、母がやたらと話しかけてきた。
「いい子にするんだよ、迷惑かけないようにね、ちょっと聞いてるの?」とか最後の最後までキショい親だよ。
一体俺を幾つだと思ってる。
「うっせーな💢2度と帰ってこねーからな!」
という言葉だけ残して家を出た。
別れ際に、母が何やら小声で呟いた。
「わ...はきr...れて...と大...よ」
そんなこと、いちいち気にするわけがなかった。
次の日、母が死んだと連絡が来た。
自ら踏切の中に入って電車に轢かれたようだ。
即死。
正直、悲しい気持ちなど微塵もなかった。
喜びの一心だけ。
最後に母の顔を拝みにいったが、もちろん遺体は原型を留めていない。
ふと横を見ると、少し大きめのバッグが置いてあった。
どうやら事故当時母が所持していたものらしい。
少し興味があり、中を見てみると、割と分厚めの本のようなものが入っていた。
表紙には「大切な思い出」と書いてあり、おそらくそれはアルバムなのだろう。
開いてみると、俺の写真や俺と母の写真など、母にとっての俺との思い出がたくさん詰まっていた。
それを見て一気に涙が込み上げてきた。
いつも、特に荷物もないのにやけに大きいかばんを持って行っていると思ったら、このアルバムを毎日、どこに行く時でも持ち歩いていたんだ。
俺はなんて親不孝ものなんだ。
誕生日や母の日に、一度でもプレゼントをあげたことがあったか?
日頃の感謝を伝えたことがあったか?
そんなことをしたことは、たったの一度もしたことがなかった。
俺は母の亡骸にこう囁いた。
「クソババアが...なんでこんなもん持ち歩いてんだよ...
気持ちわりぃ...」
こんな言葉しか出てこなかった。
ちゃんと感謝を伝えようとしたのに。
そういえば、母はなんて言ってたんだ?
人生最後の別れ際に。
「わたしは嫌われてもずっと大好きだよ。」
一昨日運良く手に入れた新聞紙を片手に外門を潜る。
いよいよかと意気込まずにはいられない。
送別の街「ベルエスク」
この街には、東西を隔てるように開いた大穴が存在する。
当然、好奇心に駆られた結果帰ってこなかった者も少なくはないのだが、この街の二つ名とは関係が無いというのもまた驚きだ。
地図上の理由で、この街を終着点または中間点とする者たちが多いらしい。
実際、近くの酒場へ向かう道中にいくつかのパーティが解散するのを目の当たりにした。
解散を惜しみ道端で話し込む者、反対に明日にまた約束があるかのように平然と別れを告げる者。
自身はどうだっただろうかと考えずにはいられない光景だった。
「待ってるからね」
ふと聞こえた言葉が、過去の記憶と重なった。
声がした方を振り返れば、当然知らない者達が集まっていて。彼らはその一言のみを残し、颯爽と二手に分かれていった。
最後に声を発した者の横顔は、復帰を疑う余地すら持たない程に晴れやかで。彼らの事情は知らずとも、彼らの絆と信頼がみてとれた。
そんな一部始終を見た気になった私は、もう一度心の中で覚悟を決めなおし、改めて歩を進めることにした。
今別れた彼らとは別の方向へ。
「別れ際に」
「お疲れ様です!ボス!」
「お前、こんな時間だってのによく元気でいられるなぁ」
「オレくらいの年齢だったら余裕ですよ」
「俺が耄碌ジジイだって言いたいのか?」
「まぁ事実なんでそうとしか言えませんね」
「ちょっとくらいは否定してくれよ……」
「でも、そんなボスもオレは大好きですよ」
「ありがとうって言ったらいいのかわかんねぇ」
「あっ、ボス!今晩ボスの家に泊まりに行っていいですか?」
「はぁ?なんでだよ」
「ボスと一緒の空気を吸いたいからです」
「うっ、……断る」
「えぇーっ!なんでですかー!?」
「そりゃ急に言われても用意が出来ねぇからなぁ」
「一緒の空気吸いたいってところは何も言わないんですね」
「別にそのくらいはいいだろ。仕事で吸ってるんだし」
「たしかに。じゃあ、事前に言っておけば泊めてくれるんですか?」
「まぁ、そんな頻繁でなければな」
「よし、これからボスん家に泊まる計画立てちゃお」
「嫌な予感しかしねぇな」
「んじゃ、さよならー、ボス」
「おう、またあしたな」
「【別れ際に】言ったこと覚えてる?」
君の声が責めるように聞こえたのは
きっと後ろめたさのせい
君の言う「別れ際」は多分最後の時のことで
どうして今頃そんなことを言うのか
そう最後の方は
あまり話もしなかったから
言ったことなのか言われたことなのか
分からなくて黙ったまま
もっと君のこと知っていたらよかった
高校卒業の日、先生は言った。
「人生は選択の連続です」
その後に続く言葉を思い出すことができない。
卒業してから今まで、確かに選択の連続だった。
時に自分にとって、間違った選択をしてしまった気もする。
先生はあの後何て言ったのかな。
迷う時もあるけど、自分で決めた道を信じて進んでほしい。
そう言ったのかな。
わたしは自分の道を信じきれなかった。最後まで自信を持てなかった。
選択を間違ったのではなく、正解にしていける力がなかったということか。
今を生きる事に精一杯なわたしにこれから先、どんな選択が待つのだろう。
「気をつけて帰ってね」
普段正面からぶつかり合っている親友が言うのには少し丁寧すぎる言葉だ。少し違和感を覚えていたけれど、本人から聞くに、これは"まじない"らしい。
言葉にするだけで相手が事故に遭う確率が減るんだと。なんともそいつらしいと思って笑ってしまった。
今じゃ2人の分かれ道の合言葉のようになっている。
別れ際に
題 別れ際に
いつも一緒にいてくれるって言ったじゃん。
そう言った金髪の少女は泣きながら、遠慮がちに黒髪の少女の服を引っ張る。
その行動に黒髪の少女は、やっぱり愛おしいなあ、と呑気に考える。だからって引き返す事はない、もう決めたのだ。
約束を守れなくてごめん。…でも、もう決めたんだ。
そう言っている黒髪の少女も涙目だ、やはり彼女も金髪の少女と一緒に生きていたかったのだろう。
だが、神様は許してくれない。
何故って?そりゃあ、そういう運命だからに決まっている。
さて…この後、黒髪の少女は何も言わずに列車に乗っていき、金髪の少女も諦めて帰っていく。
なんで知っているの?って……何回も見たことがあるからさ、そして彼女等が次に会うのは戦場。
ほら、黒髪の少女が動き出し…て……
別れ際に何か囁いた。こんな事初めてだ。
まさか、今回は運命が変わるのか?
いや、これだけで変わるとは到底思えないが…
っは、面白い。今回はどんな物語を繰り広げてくれるのか。
二人で生き残る事はできるのか
【お題:別れ際に 20240928】
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(´-ι_-`) 入力が遅いんだな⋯⋯ムムム⋯。
転校する友達がいた
女の子だったが、
とても仲が良かった
急に転校するなんて
最後に送別会をした
クラス全員と先生で、
会が終わって、
その子と話しながら帰った
そして、その子に一言
これまで、オリゴ糖と
もうその子と会っていない
どうしてだろう
「田中さん、田中さん、ちょっと今いい?」
『あら、三浦さんどうしたの?私あと5分で休憩終わりやからそれまでなら』
「来週の金曜日、夕方からのシフト入れてたんやけど都合悪くなってしもてねぇ。申し訳ないんやけど交代してもらえへんやろか?」
『あら珍しいね?何か急用でもできたん?息子さん帰ってきはるとか?』
「違うのよ…それがね、こんなこと言って信じてもらえへんと思うんやけど…この間道端で子犬というかね、厳密には子犬じゃないんやけど…」
『えぇ何?歯切れ悪いわねぇ。拾ったの?』
「子犬というか…魔獣?」
『魔獣!?』
「そうなんよ〜、魔獣にね、世界を救って欲しいって頼まれちゃってね」
『それってよくある…魔法使い?魔法少女みたいなこと?うちの娘が小さい頃アニメみてたわ』
「まぁそうなんよ。そういうこと」
『えぇ〜!!まぁ信じるとして…それってもっと中学生とか高校生の女の子がなるもんなんじゃないの?』
「そうでしょ、私もそう思ったんよ。魔獣にもそう言ったんよ。そしたらね、”最近は親の許諾なしに未成年をスカウトすると後々法的な問題に発展するケースが多いピピ!”言うてね。あと、ほら、最近の子ってあれでしょ、ドタキャンとかも多くで現場に来なかったりするんやて」
『そういうもんなん?うちの店長とおんなじ様なこと言うわねぇその魔獣』
「それでね、断ろう断ろう思ったんやけどだんだんそのピピちゃんが可愛く見えてきてねぇ、私でよければ、って引き受けちゃったの。それで世界征服企んでる魔女が現れるのが来週の金曜日っていうのよ」
『あらぁ、そら断れへんねぇ!そやけど申し訳ないんやけどね、私もその日用事あるのよ。代わってあげたいのは山々なんやけどね』
「そうやんねえ、いや急に言うてこちらこそごめんねぇ。松本さんと勝元さんにちょっと聞いてみるわ!ところで田中さん、ご予定ってなにがあるの?いつもの社交ダンス?」
『こんなこと信じてもらえへんと思うんやけどねぇ、その日は世界征服のためにこの町を襲いに来る予定なの。あら、休憩終わりやわ。じゃあね、ごゆっくり!』
お題:別れ際に
別れ際に
今日もあなたがやって来て、外の世界のことをたくさん教えてもらった
ただ夕暮れ時しか会えないからすぐにまたねをしなければならない
別れ際にまた明日と言ってあなたは帰っていった
『 別れ際に 』
私は昔、不運な雨女でした。
偶然だとか思い込みでは無いと言えました。
楽しみな筈の旅行や外出も嫌になってしまった。
何かと不幸な人生でした。
落ち込んでいるのが普通の状態でした。
逆に考えると、私は天候を操る能力が有るのかもしれません。
私が特別な人間だからでは無く、人は各々、不思議な力を持っているのかも知れないです。
私の鬱々とした思考が、天候に反映されてしまっていたのかもしれません。
私の好きな小動物は、小さなトカゲです。綺麗で可愛い。滅多に見かける事は無いです。というか、ここ数年見かけて無いです。
蛇も、小さいのなら好きです。龍は天候を動かすらしいので、それと関係あるのかも知れない。
この頃、前向きな気持ちになるように努力してます。
雨女じゃ無くなったし、あわよくば雨を止ませる事も出来るようになるかも。
意識して雲を見ていると、龍に見えて来るし、
トカゲも地面を気を付けて見て歩けば、見つかる。
きっと、龍の化身だ。私の前に現れてくれるようになった。
『こんにちは。僕はヤモリだよ。
あと、向こうにいるのはイモリだからね。
別に良いんだけど、好きなら見分けてね』
そういえば小動物とお話が出来る様な気がする。
「別れ際に」
緑色の飴を口に含んだ。
青りんご味なのかマスカット味なのか。
そっと唇に触れた貴方の舌。
嗚呼、キウイ味じゃないか。
そう囁いて、ゆっくりと反対側に歩き出した貴方は…
【#90】
『別れ際に』
別れ際にこんなことを言うのは気が引けるけど、最後なので言わせてもらう。
ああ、いや、別れたくないとかそういう話じゃなくて。
君のその精神力に感心してる。
なんのことか解らないって顔してるね。無理もないと思う。君はまったく気づいてなかったから。
君の好きな色はなに?
君の好きな花はなに?
君の好きな曲はなに?
戸惑っているね。
昨日までは淀みなくスラスラ言えたことが、今はまるで思いつかないんだろう?
ちなみに、昨夜の電話でなにを話したか覚えている? え? 電話をした覚えがない? ああ、そうか、それも残らないようにしてたっけ。
いや、いいんだ。
これでもう、君に用はないよ。
それじゃ、サヨウナラ。
「明日の十時にいつもの場所で集合ね!」
それが彼女との会話の最後。
よく一緒に御飯に行く知人がいる
私、結構奢ってあげます
この前も奢りました
別れ際に「また行こーね」って、、汗
#別れ際に
別れ際に最後の道連れ。
若い男女は、ともに相手の首に手を回しながら絡み合う。そして、棒倒しのように湖に飛び込んだ。
平日を休んでの逃避行の果てだ、と男の方は思った。
最後の空は夕焼けの色を呈していて、その一部が湖の水に映り込んでいた。
引き寄せたほうは女からだった。
いつもそうだ、と男の方は思った。
意気地なし。最後まで意気地なし。
自分を悪罵しながら身体が沈んでいく。
女の青いロングスカートで、足先はまったく見えなかった。ザブン、と音を立て、湖の水に触れるや色と服が水の中に溶けていく。煮溶けた肉じゃがのように、液体に負ける固体。消える。
夕焼けの赤さと彼女の青さ。それは年齢も込みである。だからこんな無謀な結末となったのだ。
夕焼けの色は実は戦争末期であり、この国の滅亡寸前を示す色彩である。
だから、だから男の方は意気地なしなのだ。
男は国のために死ぬことすらもできぬ。
身体が軟弱であり、一方資産家の令嬢である彼女はロマンスを求めた。それ故の逃避行の決断者であった。
湖の深度が深まるごとに、彼女の姿を覆い隠すようだった。服は糸がほどけたようになり、彼女の本来の色がむき出しになる。
それを見ていると、意外と呼吸は苦しくない。
これから苦しくなるのだろう。
そう思えど、そう思えど。
どこか忘れている。
世界の一部が終わろうとしているというのに。
思考はとめどなく溢れている。
死を後悔しているのか。この決断を躊躇っていたのか。それだけは違うと理解できた。
何なのだろう。
もうこのまま湖の底に沈積して、時代に忘れられる化石燃料になってしまえばいいのに。
しかし、頭の方までは化石にならず、意識は、はっきりとしている。
ねぇ、と女の唇は水中で動く。
生きていた頃、吸い込んでいた濁った空気が、口から男の方へ。ぽこりと大きく発泡する。
泡が頬に当たり、視界が……
いつまで寝ているつもり……?
そう口が動いているのをみて、視界が覚醒する。
一気に浮上する感覚。
男の身体が軽くなり、湖底から見上げるようにすると、石のようになっていた意識から目覚めることができた。
長い間、病室のベッドで眠っていた男はついに、ベッドのそばで待ちわびた人を一目見ることができた。
あれは、夢だったのか……?
その顔を見ると、随分と待たせたようだった。
澄みわたるほどに空は青い。その色は平和。
虹のジェットコースターに
乗ってるみたいな
あなたと過ごす一日
楽しくて 気持ちがキラキラして
ずっと一緒にいたくて
分かれる時は
キュっと寂しくなるけど
ポップコーンの気軽さで
じゃあね!
背中合わせに一周して
また会えるよう
つま先を外に向けて歩き出す
(テーマ 別れ際に)
もう会えないあの子いつもは別れ際では、「またね」って言っていたでもその子が転校する時別れ際、「じゃあね」そう言って転校していったあの時は全然気にしていなかったでもあとから「あぁ、あの子がじゃあねって言っていた意味がわかった」もう会えないからそう言ったんだなそう言う意味だったと気づいたんだ
最後のデートだと分かっていたなら
別れ際にキスをしたかった。
最後の思い出を最高にするには
君の好きなカフェラテの味のキスで幕を閉じるのが
最適だと思った。
だけど、もう遅いかな。
僕たちはもう会えない。
なぜなら、君は僕の知らない街に行ってしまったから。
もう一度会えたら言いたい。
「僕にとって一番最高の言葉をくれたのは君だよ。
『外見以上に貴方の心は男らしいよ』
なんて言ってくれた人は後にも先にもいないから」