『冬のはじまり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「冬のはじまり」
吐く息が白い。朝の静まり返った、澄んだ空気が好きだ。
いつも、暑さがどういうものだったか思い出せなくなってきた頃に冬が来る。
忘れたくないものを覚えておくなんて不可能なのだろう。
匂いを忘れて、肌の感覚を忘れて...。
きっと寒さを忘れた頃に、また僕は冬を思い出せなくなる。
この今が尊い。
冬の始まり。
この時期がまた来た。
去年の冬は寒かった。でも楽しかった。
恋人が居なくても、笑いあったりお話することがあった。
喧嘩もした。正直な気持ちもぶつけたり、応援もしたり。
沢山アナタや貴方の周りとも交流して輪が広がった。
意味無い訳じゃないけど、真剣になれた。
頑張れた。今年はどうだろ。
今までしてきた事に別れを告げ、お話も出来ない。
ほんとに今年の冬は寒くなりそうだ。
「冬の始まり」
白く 白く 染まりゆく季節 芯から冷え込む心を
温めうるのは あなたの声だったりする
「冬の始まり」
街に買い出しに行く少年
街で出会った、不思議な商人のオジサン
人の思い出をボトルに集めて、売り買いしているんだ
思い出を売る商人
少年は貧乏だった、なんとかして妹の病気を治す薬が欲しかった
少年の記憶はどれも、輝いていて魅力的だった
少年は昔友達と誕生日会をした思い出を売った
少年はお金が貰えた
別のお客のお得意さん、富豪オジサンはお金を持っていても、思い出を売り続ける
たくさんの思い出を持ってる事自体にうんざりしていたから
富豪は自分の記憶を売って何でも初めての経験にしたがる
少年は妹を治すために思い出を売り続ける
妹もすっかり良くなり、体が戻ったんだ
冬の始まり雪が落ちていく
思い出を売り続けた少年はもう自分が何者なのか思い出せず、雪の畦道で座り込む
名前も忘れた少年の前にあの富豪が駆け寄ってきた、
少年のあまりの様子に商人から少年の思い出を買取っていた
両手一杯にボトルを抱えた富豪は少年の頭に中身の粉を振りかけて行く
思い出を取り戻した少年は富豪に感謝を伝える
富豪は誰かに与える喜びを思い出して、少し涙がこぼれた
少年と富豪は思い出した少年の家に向かう、治った妹の歓迎会に
新しい思い出を作りに。
…冬のはじまり…
雪が降る
クリスマスがやって来る
寒さを感じたら
冬のはじまり
_end_
車をおりた時
すべての木漏れ日が死ぬ
一瞬で青グロく生まれ変わる向日葵が
鼻先からつま先に震えるみたいに怯えている
雲の存在が恋しくて でもどこか肌寒くて
どこからか鳴き声がして 悲しかったと思う
誰かを待っている でも待つのが怖い
待角が面倒くさい 山の麓から声がしてくる
今だけ不死身な気がしている 金縛りが起こっている
あなたが死んでいるように思えてきていた
宇宙のカーテンが広い
曇は埃かな
でもね
あまり開けたくないと思っちゃってる僕がいる
目だけが太陽 あなたが月のままでいい
今だけ不死身な気がした
トラックは通らずに
小さなコロコロ
あしの麓に あなたの瞳孔
『冬のはじまり』
「はあ。」
学校で嫌なことがあって、ため息を吐く。
息が白い。
周りをよく見ると、葉っぱに霜もついていて、
クリスマス商品が売られ始めていた。
寒いから冬は嫌いだ。
でも、冬になると、君が電車通学になるから。
少しだけ頑張ろうと思えるんだ、
空気が変わる
ピンと張りつめて 頬にささって
歩くとキュッキュッと足から伝わる霜の音
家の中のあたたかさで満たされて
ホットミルクでほんわりほぐして
冬の始まり
『冬のはじまり』
あ、もう8時じゃん。やばい。
急いで靴を履いて玄関を出る。
アパートだから階段を5階分降りて。
外の空気が肌に触れる。
いつもより冷たくて乾燥した風が髪を揺らす。
やば、これは寒い。
でも歩いてたら熱くなるんだよな。
だからといって玄関出たこの瞬間の寒さは慣れない。
防寒具をなにか持ってくるべきだったか。
ただでさえ遅刻しそうなのに戻る時間はない。
明日はもっと冷えそうだなぁ。
行ってきます。
甘酒を飲んで
ほうっと白い息を吐く
甘い匂いがひろがる
ふやけた酒粕が
とろとろと喉をつたい
指の先まで血が巡る
/ 冬のはじまり
今日は少し寒いかな
外の匂いがいつになったら
冬の匂いになるのかなー
寒いのはすきじゃないけど冬は嫌いじゃない
冬が淋しそうだったので、となりに座って話を聞いた。
ハル、ナツ、アキ、は、名前に使われるのに、フユっていう名前は聞いたことがない。誰か使ってくれないかな。
と、冬は落ち込んでいる。
じゃあ、わたし芸名変えようかな。どうせ売れないから。と提案すると、冬はなんだか嬉しそうだった。
今年の冬が暖かいのは、わたしのせいかもしれない。
自然のイルミネーションみたいな
紅葉した樹。
灯台躑躅、公孫樹。
ついにすべての葉が舞い散った。
落葉掃除は大変だけど
これはこれで、悲しいものもある。
これで、秋の終わり。
いよいよ冬が始まる。
そう告げている。
さて、今度は
手箕からママさんダンプに
バトンタッチ。
…今年はあんまり雪、積もらないといいな。
お題冬のはじまり
紅葉が終わり
時雨が降る
きんとした空気に
白い息が消える
手先と鼻先を赤く染めて
寒いねって笑う君に
片思いして2回目の冬
アラームが鳴る前
君がもそもそと動き出す
僕の体温を探し
さまよっている左手
起きなきゃと分かっていても
くっついてくる寝起き前
冬のはじまり
「冬のはじまり」
せっかくだから
日本の四季を楽しみたい
てぇへんだっ てぇへんだっ 冬がくるってよ!
なんだ なんだ
どうした どうした
なんでいきなり冬がくるんだよ この間まで夏だったじゃねえか
わかんねぇけどよ、とにかく冬がくるらしいんだよ
おいおい 勘弁してくれよ まだ全然冬眠の準備ができてねえんだ
こんな皮下脂肪じゃ安心して眠れないよ
今週末に寒波到来の予報だ とにかくそれまでに詰め込めるでけ詰め込んでしまえ
まいったなあ…
オレは他の奴らにも知らせてくるヮ おぉーい おまえら 冬がくるってよー…
なんだなんだ どうしたどうした…
〈冬のはじまり〉
薄暗い朝
止まった風
遠くを行き交う車の音
吐く息の白さ
マフラーと手ぶくろ
準備はOK
さぁ、出かけるよ
いきおいをつけて
門を開ける
ステキな季節の始まりだね
『冬のはじまり』
冬のはじまりは
雪が降るね
ちらちら綺麗
雪が私の手のひらにのって
溶けた 冬のはじまり
君を忘れようと努力して
…もう随分になる
一向に君は消えてくれない
いい加減に僕に近寄るのを
やめてもらえないかな
君の無邪気さが嫌になってきた
僕を狂わす
冷たい表情と言葉
僕はもう君の知ってる僕じゃない
寒い冬が来るよ
その冬のはじまりを知るがいい