『冬のはじまり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
甘酒を飲んで
ほうっと白い息を吐く
甘い匂いがひろがる
ふやけた酒粕が
とろとろと喉をつたい
指の先まで血が巡る
/ 冬のはじまり
今日は少し寒いかな
外の匂いがいつになったら
冬の匂いになるのかなー
寒いのはすきじゃないけど冬は嫌いじゃない
冬が淋しそうだったので、となりに座って話を聞いた。
ハル、ナツ、アキ、は、名前に使われるのに、フユっていう名前は聞いたことがない。誰か使ってくれないかな。
と、冬は落ち込んでいる。
じゃあ、わたし芸名変えようかな。どうせ売れないから。と提案すると、冬はなんだか嬉しそうだった。
今年の冬が暖かいのは、わたしのせいかもしれない。
自然のイルミネーションみたいな
紅葉した樹。
灯台躑躅、公孫樹。
ついにすべての葉が舞い散った。
落葉掃除は大変だけど
これはこれで、悲しいものもある。
これで、秋の終わり。
いよいよ冬が始まる。
そう告げている。
さて、今度は
手箕からママさんダンプに
バトンタッチ。
…今年はあんまり雪、積もらないといいな。
お題冬のはじまり
紅葉が終わり
時雨が降る
きんとした空気に
白い息が消える
手先と鼻先を赤く染めて
寒いねって笑う君に
片思いして2回目の冬
アラームが鳴る前
君がもそもそと動き出す
僕の体温を探し
さまよっている左手
起きなきゃと分かっていても
くっついてくる寝起き前
冬のはじまり
「冬のはじまり」
せっかくだから
日本の四季を楽しみたい
てぇへんだっ てぇへんだっ 冬がくるってよ!
なんだ なんだ
どうした どうした
なんでいきなり冬がくるんだよ この間まで夏だったじゃねえか
わかんねぇけどよ、とにかく冬がくるらしいんだよ
おいおい 勘弁してくれよ まだ全然冬眠の準備ができてねえんだ
こんな皮下脂肪じゃ安心して眠れないよ
今週末に寒波到来の予報だ とにかくそれまでに詰め込めるでけ詰め込んでしまえ
まいったなあ…
オレは他の奴らにも知らせてくるヮ おぉーい おまえら 冬がくるってよー…
なんだなんだ どうしたどうした…
〈冬のはじまり〉
薄暗い朝
止まった風
遠くを行き交う車の音
吐く息の白さ
マフラーと手ぶくろ
準備はOK
さぁ、出かけるよ
いきおいをつけて
門を開ける
ステキな季節の始まりだね
『冬のはじまり』
冬のはじまりは
雪が降るね
ちらちら綺麗
雪が私の手のひらにのって
溶けた 冬のはじまり
君を忘れようと努力して
…もう随分になる
一向に君は消えてくれない
いい加減に僕に近寄るのを
やめてもらえないかな
君の無邪気さが嫌になってきた
僕を狂わす
冷たい表情と言葉
僕はもう君の知ってる僕じゃない
寒い冬が来るよ
その冬のはじまりを知るがいい
『冬のはじまり』
気づくと目がいつも
あなたを探してしまうから
誰も知らないあなたを
知りました
あなたが熱っぽい目で
彼女を見ていること
伝えれない想いが鉛になって
私を砕いてしまう冬
#冬のはじまり
冬の始まりは、段々と、指の曲線が、角張って、欠けてくる。
10テーマ【冬の始まり】
最近、肌寒くなってきた。
少し前までは暖かかったのに。
街の木の葉っぱももう少しで落ち切る。
周りがクリスマスモードに入る中、僕はいつもと同じように公園のベンチに一人きり。
家族は家族で楽しんでるみたいだし、
僕はまた一人で冬を越すのかな。
近所の親子はサンタの話で持ちきり。
朝目を開けて、窓のほうに行くと少し白くなっていた。車も少し白くなっていて。
そろそろエアコンが必要な時期かな。
冬の始まりはもうすぐそこだ。
この街も
もうすぐ静かに
白くなる
冬のはじまり
温もりを
言葉に変え
送り合うはずの
君のいない・・・
「冬のはじまり」
『冬のはじまり』
寒くなると
なかなかお布団やこたつから出れなくなる
あゝ、冬がはじまる
毛布やこたつが私を怠け者にさせていく🦥
「冬の始まり」
今年の冬は、例年とは違く11月の終わりとしては暖かい陽気だ。普段なら、厚手のコートを見に纏った人達が冷たい風に凍えながら歩いてく。そんな姿を見ているはずなのに。
「なんだか、今年の冬はあったかいね」そんな言葉が多く聞こえてくる2022年の冬の始まり。
ちょっぴり不安で心地のいい暖かい冬の始まりも悪くない。
暗くなるのが早いから
あなたに会いたくなるのも早くなる。
日が沈んでから
あなたまでの距離……あと2時間…
早く過ぎて。
冬のはじまり
そろりそろり、肩を並べて座るあなたに伸ばした手が触れたとき、冷たくて驚かせてしまわないかな。今日の楽しかった出来事を楽しそうに話すあなたを見ればつられて頬がゆるんだ。もう少しで指が触れる。ばちっ。小さな破裂音で話が途切れて、息を飲む。おそるおそるあなたの表情をうかがえば、子どもっぽい意地悪な笑顔と目が合った。「びっくりしたね」
// 冬のはじまり
「適応」とは生存力である
自然界は多くの未知と恐怖に溢れている。
故に危機を退けるか、危機と共存を選ぶか
どちらにせよその行動は、危機への「適応」だ。
その積み重ねで今も尚種として栄える生命は
正しく生存力が有る、知的な生命と言えるだろうさ
「…で、そんな当たり前の生物学引っ提げて
何の反論なンです?「センパイ」」
目の前の年上?の後輩…だったかが荒々しい語気を
隠そうとせずに詰ってくる。
物臭そうな風情を隠さない女…詰られてる
「センパイ」たる女は、気にするでもなく
筋を残した手元のみかんの一欠片を口へ
放り投げ、飲み込んでから堂々とこう言った。
「端的な話さ、
今日は外が寒いから部屋内の炬燵で団欒しながら
語るのは何も間違ってないだろう?」
「そういう話じゃねえンですよねぇええ!!!!!」
ほどよい暖かさのリビングの窓を突き抜け、
頭を抱えた後輩の叫びはこだま…したかもしれない
話は約30分程前に遡る。
女の趣味である数式等の探究は、場所を選ばない。
…とは言え、より冴えた思考を叩き出すのに
脳が詰まった肉体のパフォーマンス維持は
理論的とも言える。
この冬のはじまりと言える時期は、
自然界生命にも人間に対しても「温度低下」という
厳しさを発揮する。
数年前は最低限度の対策を考えていたが……
ここ最近になって女は考えを改めていた。
炬燵こそ冬の作業環境として最適解ではないのか、と
そこに脳への甘味補給にみかんもセットである。
最高だ!常世の春とも言えよう!
……しかし、問題が発生してしまった。
「みかんを気付いたら食い尽くして?」
「ふむ、(むきむきむき)」
「しかもいつもの家政婦がまだ帰らないから?
まこと遺憾ながらに久々の外に出て?」
「んぐ、(もきゅもきゅ)家政婦じゃない。同居人だ」
「そこまでのニュアンスの違いは知りませんよ。
で、寒さ極まる温度だから?玄関から数歩程度の
距離で倒れ込んだまま?オレがたまたま見かけて?」
「そして君が買っていた荷物にみかんがあったから、
私は現在こうして無事に帰還できたという訳だね」
「阿呆かッ」
男…女の後輩は本日数度目の大声を荒げてしまう。
そもそも男にとっては予定外が積み重なり続けて
脳処理のキャパシティが、非常識情報で
雪崩を起こして生き埋めにされる寸前だ。ふざけるな
男は、数年前世間的に天才と持て囃される前の
女の大学時代の同期であった。
自身より歳若く、されど余りにも愛想も何もなく
「普通」な周囲は次第に女を異物として弾いていた。
男は遠巻きにそんな女の姿を見ていた側である。
知的で無機質ながらも狂気の域とも言える
「探究」への貪欲さも、それ以外への無関心さも
全てが完璧な「天才」たり得るモノだと。
ゾワリと鳥肌が止まらず、身震いを覚える程だった。
故に男は、そんな女を同じ探究者…とまでは
言えもしないが、密かに気にしていた。
同期ではなく、「センパイ」と言っていたのも
幾らかの…言い知れぬ感情を隠したものだ。
それが…それが……
「そういえば、名前も不明な後輩君。君なんで
こんな所に来れたんだい?」
私長い間引きこもっていたんだけどねぇ、
過去の言い知れぬ感情よ。
これがお前の崇めた「天才」の未来だ。
より一層複雑化した心情を知りもせず、
「センパイ」はオレの購入したみかん一袋の半分を
平らげ、続け様に恐ろしい爆弾を暴投した為
暫く炬燵の天板で項垂れたまま動けなくなった事は
仕方が無いと言わせて、欲しい。