『ジャングルジム』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ジャングルジム。
白い透明な肌。
真っ直ぐな瞳。
暗黒の髪。
「…遊舞ッ」
「……おねーちゃん、」
___久しぶり_________
目覚ましの音で現実に引き戻される。
遊舞とジャングルジムで遊んだこと、覚えてるよ。
そんな寂しそうに、私に“存在”を証明しなくていいよ。
私の中の遊舞は、まだ一緒にジャングルジムで遊んでるんだから。……まだ生きてるから。
そんな悲しそうな顔をしないで。
私も辛くなっちゃうから、。
チャレンジ65(ジャングルジム)
最近の公園には、ジャングルジムを見かけない。正確には、鉄製のジャングルジムを見かけない。安全を考慮してか、あまり高さがなく、樹脂製の物が多いように思う。材質とデザインが変わっても、ジャングルジムに登る爽快さ、下をくぐる楽しさは変わらないはずだ。オリンピックのクライミング競技を見て、遠い日のジャングルジムを思い出した。
金曜の夜は流れる人達の動きが変わる
思いのほか遅れてしまった
入口の前で一度、静かに息を吸い込んで居酒屋の引戸を開ける
店員から奥の座敷に案内されると、すでに乾杯は済ませている様だった
ああ、どうも遅れてすみません
私の登場に
おお、と先に座敷に座っていた面々が沸く
あの、さては、、茶ソバさんですか?と
奥の席から声がかかる
あっ、はい、皆さんはじめまして、茶ソバです
あ、でもこれ、はじめまして、になるんですかね?
少し照れながら私が答えるともう一度座敷が沸いた
うわあ、本物だ、とか
イメージ通りです、とか各々笑顔で話し掛けてくる
私の名前は茶ソバ
もちろん本名ではない
SNSを始める際に適当につけた
それから10年あまり茶ソバを名乗っている
だけど、まさか現実で茶ソバと呼ばれる日が来るとは思ってもみなかった
では改めて、乾ー杯!と皆でグラスを合わせる
じゃあ、茶ソバさんも来られたことですし、もう一回自己紹介しましょうか、
では僕から、と奥に座っていた人が話始める
私はあ、と気づいた
この感じは恐らくキャンドル土田さんだ、と思ってたら
ペパーミント西川です、と挨拶をした
正直驚いた、この人がペパーミント西川さんなんだ、SNSの印象と全然違う、落ち着いた雰囲気の人だった
次は隣の女性が挨拶を始める
ど~も~、はじめまして、兜武士で~す
こちらも衝撃だった、完全に男性だと思っていた
それから順にカールスモーキー立浪さん、吉田ホェニックスさん、DEMON’s GATE PARKさん、営業一平さん、キャンドル土田さん、とSNSでは知った顔が自己紹介をする
多少のギャップはあれど、次第に調和し良い雰囲気で会は進む
勇気を出してはじめてのオフ会に参加して良かった、と思っていたが
一人足りない
会が盛り上がりをみせる中、カールスモーキー立浪さんにそれとなく尋ねる、そういえば会長は?
ああ、来るとは言ってたみたいですよ
会ってみたいすよね、会長
ハンドルネーム、ジャングルジム前田
通称、会長
なんで会長と呼ばれているのかは謎だがSNSの古参でレジェンド的な存在
実は私が今日、勇気を振り絞ってここに来たのも本物のジャングルジム前田を見てみたかったから
会長がオフ会に来るらしい、と聞いて
いても立ってもいられなくなった
どうしても顔を見てみたかった
なんとなく会えない様な気はしていたけど
会えないなら会わない方が良いこともある、と言い聞かせていた矢先
ガラガラガラ、と居酒屋の戸が開いた
ペパーミント西川の連れやけど、と店員に話す声が聞こえる
場の空気が変わる
こちらに向かって真っ直ぐ歩いてくる
会話が止まる
全員が顔を見合わせる
心臓が高鳴る
期待と
現実が
今、交錯した
『ジャングルジム』
「ジャングルジム」
ジャングルジムの1番上に立ち
空を手にしたあなたを
ただ眺めていた
眼下に広がる世界を眺め
雲ひとつない青空を抱いて
あなたは何を考えたのだろう
見上げるあなたははただ眩しかった
#20 【ジャングルジム】
ジャングルジムは、
よく空間把握を間違えて
頭をカーン!!と打ったから苦手。
逆に形は似てるけど
地球儀みたいな形をした、ぐるぐる回る大きな遊具は好きだった
地球儀のどこかを掴んだまま、全力で走って地球儀をぐるぐる回して、一番速くなったと思ったらサッと地面を蹴って隙間から地球儀の中に入って休むか
そのまま外側に飛びついて、遠心力を楽しんでも良かった。
事故があったらしくて、最近ではすっかり見なくなってしまったけど
ジャングルジムなんかより、よっぽど身体を使えるいい遊具だったと思う。
ひとりになりたかった。
暗い公園。街頭はひとつしかなくて、私のいるところには届かない。なんだかそれがスポットライト見たいで、その光が私に向く事は無いのだろうとぼんやりと眺めながら、自嘲気味に笑って顔を伏せた。
何も考えなくないのに。次々に溢れてくる自分を責め立てる言葉は、胸の中でぐるぐると廻って黒いシミを作っていく。
「ハニー」
___声が聞こえた気がする。愛しいヒトの声。暖かい声。甘い、蜂蜜のような。
顔を上げると視界いっぱいに赤が広がる。
「え」
「え、じゃないよ!ハニー!何度も声を掛けたのに、気づいて貰えないなんて俺ちゃんもう泣いちゃう!嘘、実はそんなに声掛けてないよ。3回くらい。どうしたの、こんな時間にこんなところでひとり。心配したよ。」
僕を正面から優しく抱き寄せながら額にキスを落とす。あまりにもあたたかくて、じわりと瞳に涙が浮かんでしまう。
泣き出す僕に戸惑っている彼の背に腕を回して、強く、つよく。抱きしめた。離さないで。
不安定な足場で互いに抱きしめ合う光景は、きっと可笑しくて。奇妙に映るだろうけれど。
─── ジャングルジム ───
天辺から見た景色
色褪せて
記憶の片隅で震えてる
登るって楽しい。
身体全体で身体を引き上げて、その度にグンと近づく空と、その瞬間の軽い浮遊感。
頼りない、でも確かな足場をしっかり踏みつける爪先と、不安定に揺れる上半身。
登るって楽しい。
その足場が、鉄だろうと岩だろうと枝だろうと。
登るって楽しい。
だから、私は今日も、走る。
二時間くらい走る。
夜の公園は、広々と涼しくて、身体を吹き抜ける風が、涼しくて気持ちいい。
子どもや遊具を使う人がいないことを確認してから、遊具に近づく。
障害物競走だ。
タイマーを押して、駆け抜ける。
風を切って、腕を振って、足を跳ね上げて。
掴んで、引き上げて、しがみついて、飛び越えて。
地面を蹴って、壁を蹴って、足を掛けて、腕に力を込めて、速く、高く、軽やかに。
パルクールは楽しい。
どんどん身軽になれる。
どんどん高く登れるようになる。
どんどん空の中に居れる時間が長くなる。
アスレチックは楽しい。
どこまで身軽になれるか。
どこまで高く登れるか。
いつまで空の中に居られるか。
試すことができるから。
ずらりと埋め込まれたタイヤをまとめて飛び越えて、シーソーの上を素早く渡って、身体を翻しながら平均台を渡って、登り棒を蹴って…
跳ね回って、走り回って…
ふっと目線の端に映った遊具に足を止める。
それは、公園の外周を駆け巡る私の視界のはずれ、遊具の真ん中にまるでこの公園の王様みたいに、鎮座している。
ジャングルジム。
そういえば、私が登る楽しさに気づいたのは、ジャングルジムで遊んだ時だった。
足を止める。
初めてジャングルジムを遊んだ時を思い出した。
幼い自分の三倍はありそうにそびえ立つ頂点。
丸くてつやつやした棒に手をかけた時の、あの沸き立つようなワクワク。
意を決して、足の裏の半分もないつるつるの鉄に足を掛けて、身体を引き上げる時のスリル。
一段ごとに、グンと近くなる空と、遠くなる地面。
上半身は、登るにつれ、涼しくて優しい風に煽られて、不安定に心地よく揺れる。
そして、登りきった天辺の、不安定な鉄の棒に尻を預けて、見下ろす公園。
天辺を吹き抜ける爽やかな風。
あの日のあの感覚。
あの日確かに、私はやっと目が覚めたような気がしたのだ。
私はこの風を受けるためにここにいるような気さえした。
だから、私は今でも、登る。
今でも走る。
空の中に居たいのだ。
上半身を揺らして、下半身と四肢を弾ませて、そうして最後に爽やかな風を感じて、空と地面を見つめていたい。
月と街頭のスポットライトに照らされて、ジャングルジムはひっそりと立っている。
堂々と、この公園の王様であるかのように。
汗を拭う。
虫の声と街頭の雑音が、ジーッジーッと聞こえる。
爽やかな夜風が、私の肌に触れて、吹き抜けていった。
題【ジャングルジム】
(登場人物→天宮莉緒、瀬川隼人)
前回の続き❤️
「なんなのあの天宮って子。私の好きな隼人と仲良くしちゃって、嫌いなタイプ!」
ー朝ー
「ん、ん~!おはよー。」
こんにちは!今日もヒロインになりたい、莉緒だよ。
なんか夢で、小学生の私がジャングルジムで遊ぶ夢見たんだけど…、まぁ、良いや!
「みんな、おはよう~!」
「あっ、姉ちゃんおっはー!」
「おはよ。和樹。」
「起きるの早いね、和樹。」
「姉ちゃんが遅いんだよ。」
「あ、あはは。起きるのが苦手で…。」
「もう、これからは僕が起こしに行ってあげるよ」
「ほんとに!?ありがたい~!」
「そのかわり、条件な!」
「なに?」
ゴクリ。
「俺がお願いした日は、一緒に登校して!」
「うん。全然良いよ!」
「ああ!もうこんな時間!?」
「行ってきます!」
「俺もそろそろ出ないとな~。」
「和樹も早く登校しなさい!」
「は~い!母さん!」
「急がないと!まだ入学してから2日目なのに!」
遅刻だけはやだ!電車は混んでなければ…。
「混んでる~!!!」
ドンッ!
「「あっ、ごめんなさい!(すみません!)」」
「「えっ!?瀬川くん!(天宮さん?)」」
「天宮さんも遅刻ギリギリ?」
「そんな感じ…、瀬川くんも?」
「そうなんだ~。」
電車の中で話しているうちに駅に着いた。
「手。」
「どうしたの?」
「手、を繋いで?」
「な、な、な、なんで!?」
「はぐれたりしたら大変だから。エスコートするよ。」
「あ、ありがとうね。」
初めて男の子と手なんか繋いだ!?
瀬川くんは普通のことなの!?まぁイケメンだし?
よく分からないけど、結構ヤバイかも!
「着いたね。」
「そ、そうだね!」
力んじゃった。変って思われてないかな?
「なんとか間に合った~!!」
「そうだね。」
クラスの男子「お前ら、なんで手なんか繋いでんの?付き合ってたっけ?」
「えっ?あっ!」
繋いだまんまだった!?
「あの!これには訳があって!」
やばい、やばい!勘違いされちゃってる!?
「ああ。俺からお願いしたんだ。手、繋いでくれない?って。」
クラスのみんな「えっ?」
そうはそうだけど!瀬川くん!?誤解をうんじゃう言葉だよ!?
「あれ?だよね?天宮さん?」
「あっ、」
私に話題を振らないで~!!
なんて言えば良いの。そうだよ?違うよ?
どっちもどっち!
「へぇ。てを繋いだっですて?付き合ってもない2人が?やばいですわよ?」
「「?」」
「あなたは、確か…、桜ノ宮さん、だっけ?」
「はい、そうです!私の幼馴染みの隼人に何をしたの?」
「私、別に何もしてないです。」
「嘘つきなさい!隼人はそんな付き合ってもない人と手なんか繋いだりしませんよ!」
「違うよ、優月。」
「えっ?」
「俺が繋いだ方が良いと判断したから繋いだ。」
「え、え?そんなの、嫌だ。なんで?もうチャンスは?私の方が好…な…に。」
「?」
「今日のところは見逃してあげるから!」
「えっ?あっ。はい?」
「許さないから!天宮莉緒!」
「えっ、ごめんなさい?」
「ふん!」
なんか、悪いことしちゃったかな?
「瀬川くん、あれ友達?」
「うん、まぁ。幼馴染み。意外と仲良いよ。ちょっと口が強いとこもあるけどね。」
モヤモヤ
今、モヤモヤ?って。
なんで?
「あらためてごめんね、手なんか繋いじゃって。」
「全然良いよ!勘違いされちゃっただけだし。」
「でも!」
「私が迷子にならないようにしてくれたことでしょ?だから、ありがとう。」
ドキッ!
「う、うん。」
なんで?俺今ドキッって。
「今日も授業、頑張ろ~!瀬川くん!」
「うん。頑張ろうね。」
なんか、そのときに笑顔になった君が、とっても可愛くて…。
明日に続く♪(?)
「ジャングルジム」
ジャングルジムには鬼ごっこや上まで登れる競争をした思い出がある。
今は遊具で遊ぶこともないけれど、
公園の横を通ると懐かしい。
昔は、青空のもと遊んでいた。
今は、夕暮れの空を眺めるための1番上まで登りたい。
夕焼け展望台。
時間を忘れてゆっくりと。
ジャングルジム。
ジャングルジムは
本当に細いのに
太陽に向かって
グイグイ
登ってく。
お母さんの
「早く帰ってきてよ」って
言われてても。
【ジャングルジム】
家の中はどこか狭苦しくて、一言近くの公園に出掛けると玄関で叫ぶように言ってから、返事も待たずに外に飛び出した。
もしかしたらお母さんが心配して玄関から飛び出してくるかもしれない、とドキドキしながら道を駆ける。時々後ろを振り返って、誰もいないことを確認すると心のドキドキが少なくなって少し残念に思う。
いや、別に追いかけられたかった訳じゃないし、別にいいんだけどね。
全力で走ってきてぜぇはぁ言う口を休めるように、小走りにスピードになる。
歩かないと到底使ってしまった体力は戻ってきそうになかったが、もしかしたらまだ追いかけてきてる途中かも、と思うと走る足を止められなかった。
太陽が熱い。風が涼しい。
まだ夏を抜けきれてない暑さに少しイラつきながら、全身で感じる風の心地よに身を委ねる。
あ、ここの道は右から行ったほうがちょっとだけ早い。
真っ直ぐ走っていた足をぐっと右に向けた。
先程の車が通れる大きさの真っ直ぐな道とは打って変わって、グネグネ曲がった自転車ひとつが通れたら御の字の道を走る。
時々別れ道があったが、何度も公園に行っている自分の足はもう考える間もなく正解の道を選ぶ。
そろそろ体力の限界だ、というところで、やっと公園の入口に着いた。
はぁはぁと膝に手を当てて息を整えながら公園の中を覗く。
誰もいないことと、ついでに不審者が何処にも隠れてないことを確認して、走り過ぎで少し震える足を無視して公園の中に入った。
取り敢えず座って休もうと、目の前にあるジャングルジムの中に入って棒に腰掛けた。ベンチに座らなかったのは、前に鳥がフンを落としているのを見たから。
ジャングルジム捕まっている手から鉄の冷たさを感じながら、足をブラブラとさせる。
火照った体にもっと風が欲しくなって、ジャングルジムの一番上を目指して登ることにした。
檻のようになっている鉄の棒をよじ登って頭を上に出すと、新鮮な空気が吸えたような気分になる。ジャングルジムの中はスカスカだから別にそんなことはないんだけども。
頭を出したジャングルジムの頂上に体を引き上げて、落ちないように注意しながら横になる。
場所が高くなったぶん風が強く吹いているように感じて心地よかった。
でも、遮るものがひとつも無くなったぶん太陽はジリジリ肌を攻め立ててくる訳で。
強い光を目前にした目がチカチカして、思わず手のひらで太陽を覆い隠す。
それだけでも大分と抑えられた陽光に少し安心していると、自分の手のひらだけでは抑えられずに指の間から漏れていた光がスッと消える。
何だと思って上に上げていた手を下ろすと、太陽が雲に覆われて見えなくなっていた。
ジャングルジム
ブランコ
いつも誰かが遊んでたから遊べなかった。
理由もなく何故かバイ菌扱いされていじめられてた幼き日々。
何故そんなこと言うの?
言い返せなかった自分が何か悔しい。
僕は小学校の頃、ジャングルジムで、
とある女の子と毎日遊んでいた。
しかし、中学、高校、とどんどん大人になっていくとその子と連絡を取らなくなっていた。
だが、20歳を超えたあの日、僕はあの子との約束を思い出した。
"20歳超えたらさ、ここの公園にまた集まろうね!"
"うん絶対ね!"
その日、僕はあのジャングルジムに向かった。
「あ。」
僕は思わず声を漏らしてしまった。
あの長くて綺麗な黒い髪の毛、肌は白く、美しい瞳。
あの子だ。
そう思った。
僕は声をかけ、その子は振り向いた。
"20歳超えたら、ここに集まろうって約束覚えててくれたんだ。"
あぁ…この透き通った声変わってないな。
「もちろんだよ。」
"じゃあもう1つ。約束覚えてる?"
あれ、約束したのはそれだけだったんじゃ。。
"20歳超えたら…"
ジャングルジム
人生は複数の手段でゴールまで進んでいくものだと思う。ジャングルジムで例えるなら、ジャングルジムはどこから昇っても最終的には同じところに着く。それと同じで、どこをどう踏み間違えても踏み間違え無かった時とおなじ結果になる。ただ手段や出来事が違うだけだ。だから失敗は恐れなくていい。たとえ失敗しても結局は成功した時と同じ場所に着くのだから。
【ジャングルジム】
何にも無い空き地だった場所に
少しずつ人が集まって
いつの間にやら遊具が出来てた
ジャングルジムはそのうちの一つで
誰が1番に上に行くのかを競う場所だった
手を滑らせて地面に叩きつけられる人もいれば
軽々しく器用に登って頂上に着く人もいた
僕はそれを下から見るのは首が痛いからと
いつもの空き地に近かしい遊具の場所に
走って目を逸らした
このジャングルジムのシステムがこんなにも
今に影響するなんてその時は思っても見なかったから
2024-09-23
ジャングルジム…
小学生時代に見た風景の一部。
いい思い出など無く、学校は大嫌いだ
った。
特に5〜6年生位の、女になりかけた
女子は最低だった。
運動神経のいい女子2人は仲がいいの
に時々喧嘩をする。私はその時だけ、
どちらかに呼ばれ、期間限定の親友に
されるのです。
それが何回も繰り返され、いい加減に
してよ と言えずただ悲しかった。
そんな思いをした風景の中にジャング
ルジムがあった。
何十年経っても嫌な思いをした風景は
覚えているものです。
《ジャングルジム》
動物みたいに登る 気分はボスザル 等しい長さの直線が直角に交わる交わる交わる交わる…… スケルトン カラスが一羽止まる、《鳥》の恐怖が幕を開ける
「こわいよ、ねえ、おにいちゃん、まってよぉ」
「ガハハっ!怖がりだなオマエは!」
「うう…」
「ほら、オレの手に掴まれ」
「あっ、」
「ほら、登れたじゃんか!」
「…!!」
おにいちゃんのちから、すごいなぁ…
「ねぇ〜おにいちゃん!おえかきしよ!」
「あー、ごめんなぁ、」
おにいちゃん、ずっとへやにいる…なんでだろう
「オレのことは良いからさ、お友達と遊んで来いよ、な?」
「はぁ〜い、」
おにいちゃん、どうしちゃったんだろう
あれ、おうちは?
めらめらって、してる
あかいくるま、しろいくるま
「家の中には子供がいたんだってぇ」
「えぇ〜?その子、どうなったの?」
「さぁ、救急隊員の方が戻るのを待つしかないわぁ」
、?なにいってるの、このひとたち
「あら、君、どこの子?」
「えっ、あ、」
「あ…」
「あらごめんねぇ、泣きやんで、ほらぁ」
「ねぇ、もしかして、ここの家の子じゃない?幼いし、家の中にいる子の妹とか…」
「えぇっ?」
「ねぇ、君、お兄さんいる?」
「うっ…くずっ…いる、」
「まさか…本当に…」
数年後⸺
「お爺ちゃん、お墓参りに行ってくるね」
「おぉう、気をつけてなぁ」
後々わかった。お兄ちゃんは自らこの家を燃やした。
私は気づかなかったけど、私達の親は毒親というものらしい。
お兄ちゃんは私を守るためにやったのだろう。
お兄ちゃんへ、私は今、お爺ちゃんと暮らしているの。
ジャングルジムにも一人で登れるようになったよ。
友達もいっぱい増えたよ。
私、今、幸せだよ!
お兄ちゃんの分も精一杯生きて、これからももっともっと幸せになるから。
見守っててね⸺。
いつも一緒に帰る友達が
知らない人と並んで歩いたので
久しぶりに遠回りしようと
少し寄り道をした
昔はよく通った道
自分より遥かに大きかったジャングルジムは
なんだか縮んだのか
私が大きくなったのか
分からなくともぼろぼろで
きっと来月には無くなっているだろう
世は残酷なもので
楽しいものから消えていく
彼もきっと
来月には傍から居なくなっているだろう