『はなればなれ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「はなればなれ」
…頑張ってね
それが最後の会話だった。
顔は見せなかったけどきっと泣いていた。
色んな思い出がよぎった。
私だって辛かった。
訳あってはなれて暮らさなくてはならなくなった。
私にとってただひとりの親だから。
悲しかった。
強く生きていかなくてはいけない。
ひとりは孤独だ。
でも自分で選んだから振り返らない。
前に進む。
いつか笑い話になる日が来るといいな。
「俺達は赤い糸で繋がってるから、離れ離れになったってきっとずっと一緒だ!」
「はなればなれになっても友達でいようね!」
幼かったあの頃だったから言えたセリフだった。
私たちの手紙の締めくくりはいつもこれだったよね笑
そういえば、最後に手紙を送ってからもう5年以上たったよ。
何を書いたかすら私はあんまり覚えてないけど、、笑
いつのまにか、私も君もお酒が飲める年齢になったね。
最近、ほんとに君を思い出すことがよくあるの。
「ねぇ、君は今どこで何してるの?」
「どこかでばったり会うなんて奇跡、私たちの間では起きそうもないけど、いつかまた会えたらいいな。」
#はなればなれ
小学校から中学校に上がって虐められるようになった。
初めは軽くぶつかられるくらい。でもだんだんエスカレートしてって。今ではほらっ、体操服が破れてたり下駄箱荒らしなど定番のラインナップでございます笑
なんでこんなに楽観的かといいますと、クラスの一部にやられているだけで他の人たちとはなかよしだからで〜す!➕底辺すぎて笑
だけど君は友達だと思ってたのにな〜?
いつの間にか敵陣営。立場、心は離れ離れ。
はなればなれ
人間はみんな離れ離れ。親とも元々離れ離れだったし、ずっと一緒にいる人なんてどこにもいない。
そう思っていたけど、一生一緒にいたいなんて人、みんなあったことあると思う。
僕もあったさ。すごく気があって、何をするにも一緒。まぁニコイチみたいなもんかな。
だけど、人身事故に巻き込まれて亡くなった。
「はなればなれ…か」
とっても悲しかった。人生の大部分を失った気分だった。
こうして僕達は「はなればなれ」になった。
これでも僕、好きな人とかいたんだ。
大好きな先輩がいて、みんなから憧れる高嶺の花って感じの。
でも、やっぱりその先輩って可愛かったんだ。だから誘拐されちゃって。そこからもう行方が分からなくなってった。生きてるか生きてないかもわかんないくらい。
「ほらね。またはなればなれ。」
1作目
【はなればなれ】
横たわった二匹の猫の亡骸を、君は黙々と紐で縛り上げていく。ひそひそと周囲が交わす陰口になんて一切の興味を示さずに。
「ねえ、何してるの?」
問かければちらりと、君は私へ視線を向けた。情動の映らないガラス玉のような瞳に、私の姿が無機質に反射している。この恐ろしいまでの透明さが、同年代の中では異質なのだ。クラスメイトたちが彼を怖がるのは、言動の突飛さもさることながら、この瞳の底の見えなさによるところもあるのだろう。
「……はなればなれは、可哀想だろ」
短い答えだった。それきり関心を失ったのか彼の意識は私を離れ、車に撥ねられ命を落とした二つの骸だけへと真摯に注がれる。いつも二匹で行動していた野良猫たちの姿を思い出して、少しだけ口角が持ち上がった。
(やっぱり君は、優しい人だ)
天国に昇っても、或いは地獄の底でも、決して二つの魂が分たれることのないように、その亡骸を繋ぎ合わせていく――亡骸を弄ぶなんて残酷だと囁く人々は、伏せられた君の眼差しによぎる寂寞と慈愛をきっと知らないのだ。私だけが、それを知っている。
仄暗い優越感を抱えながら、君の横から手を伸ばす。寄り添いあった猫たちの亡骸を、いたわるようにそっと撫でた。
ひどい、酷すぎるわ!私たちはただ一緒にいたいだけなのに!あんまりだわ!!なんで……なんでこんなっっ!S極ーーー!!!
はなればなれ
離れ離れになるのは寂しい。
なぜなら、いままで近くにいたと感じていた無くなる気がするから。
今はまだ皆が近くにいてくれるけど、いつかは1人で暮らす時も来るだろうし。
はなればなれ
はなればなれになったとしても
私はあなたのことを忘れたりしない
できればあなたも私のことを覚えていてね
忘れたとしても私はずっと忘れない
付き合っている人がいても趣味趣向は違うわけで、長期休暇の旅行は気の合う友達と行ったりする。
君は君でかなりな趣味の人だからそれぞれはなればなれでもやることは山ほどある。
だけども、いやだからこそ、か。そんなあとで久しぶりに会った時はそりゃあ距離がなくなる。
会わない間に互いがやってたことを1から10までマシンガントークで喋り倒し、いつしか会話が止まって、ただただ鼻先で互いを見つめ合い、そして。
「ほんとはね、おれ、さみしかった…」
「俺も」
甘えた君のその言葉が、会話を止める合図。
その次は、秘密。
▼はなればなれ
電車のホームでの事だった。
誰かに背中を押されボクは迫り来る電車の目の前に落下した。
#はなればなれ
君とはなればなれになることがあるなら、その頃は
お互い成長してるといいね。
子供だった今よりもっと。
11/16「はなればなれ」
繋いで走っていた手が、不意に引き離された。
「急ぐぞ!」
「父さん?!」
持ち上げられた弟は父の肩に担がれ、追いかけるように走る俺を不安げに見つめている。上空に戦闘機の音。
「走れ!!」
路地裏を抜けようとした時、爆発が起こり、瓦礫が崩れ、煙が視界を覆った。
「父さん!!」
煙が晴れた時には、目の前に道はなかった。俺はつい先程まで弟の手を握っていた右手を、じっと見つめることしかできなかった。
―――弟の手をもう一度掴むことができるのは、10年以上経ってからのことだ。
(所要時間:9分)
11/15「子猫」
にゃあん、と鳴いて膝の上に転がり、そのままごろごろと甘えてくる。
「でかい猫だな」
「子猫だよぅ」
「でかい子猫だな」
本を読む邪魔をされるのを嫌って押しやれど、その手に黒い耳を押し付けるようにして撫でるのをねだってくる。やれやれ、人型になっても猫は猫だ。わしゃわしゃと撫でてやる。
「うちの猫はいつ恩返しをしてくれるんだろうな」
「癒してるよー? きゅーとでしょ?」
「そういうんじゃないんだよなぁ…」
まあいいか。一人暮らしのおっさんに娘ができたと思えば悪くない。少なくとも退屈はしなそうだ。
(所要時間:8分)
11/14「秋風」
低くなった午後の陽を浴び、紅葉する山々を遠くに眺め、杖をついてゆっくりと散歩する。
「こんにちは。ご機嫌いかが?」
聞き覚えのある風が話しかけてくる。暦の割に暖かいが、今日は誰だっただろう。
「今日はわたし。秋風よ」
「そうか。今年は随分とゆっくりだったね」
「そうね、それにあまり会えないわ。来週には木枯らしと交代」
「そうか、残念だな。夏風にもよろしく言っておいてくれるかい?」
「いいわ。それじゃあ、また」
楓を散らしながら飛び去って行く。体に堪える季節がやって来る。
(所要時間:8分)
はなればなれって求め合う者同士が、突然他者や物理的なことによって引き離された寂しい状態のことだと思う。
別れを告げて納得のうえで会えなくなった者同士は、はなればなれとは言わない。
寂しいけれど。
〜はなればなれ〜
トイレの中と外、扉一枚隔てて、まるでこの世の終わりかのような声で鳴きあう猫二匹。
朝っぱらから何してんの。
欠伸をしながらトイレの扉を開けてやれば、此方を非難するような冷ややかな目を向けてくる猫ども。
抗議するように短く鳴いて、仲良く階段を駆け上がる二匹。
助けてやったのになあ、とそのままトイレに入って用を足していると、再び、二匹の悲愴な鳴き声が響き渡る。
……雄同士で何やってんの。
テーマ「はなればなれ」
別れてから数週間、さみしさで溢れたがらんどうの部屋を飛び出し、心の中で流した涙を忘れようとしていた。
街中を歩く中、ふと見上げた雑踏の中で、微笑む彼女の姿があった。
あれからはなればなれになったはずなのに。
偶然の再会に胸が高鳴り、彼女に近づこうとした瞬間、彼女は消えた。
ショックだったけれども、あの笑顔とともにいつか忘れることができるのだろうか、僕は考えながら立ち尽くした。
心と体が離ればなれ
何がしたいのか分からない
体が動かない
そんな時は無意識さんに問いかけよう
無意識さん、あなたは私に何を求めているのかと
お題:はなればなれ
いつも一緒だった。
私が離れ離れにさせちゃった。
でも美味しいから仕方ないのです。
赤い宝石のようなサクランボをはなればなれにしながら。
「サクランボが美味しいのが悪いのだわ」
と私は言い訳のようにその宝石を食べるのです。
学校指定のジャージ上下がずっと部屋着だったが
ズボンの股がいい加減修繕不能になった。
卒業後もずっと上下一緒に活躍してくれたが
今ここに、はなればなれになる日がきた。
さようなら、ありがとう。ジャージ下。
そしてジャージ上。今日からは600円ちょっとで買ってきた
新品ジャージのズボンとコンビを組んでもらうことになった。
以前は上下緑色だったからカエルジャージと呼んでいたが
これからは下は茶色だから…
ツリージャージだな。ラインはお揃いの白だ。よかったな。
まだまだよろしく頼むぞ!
【はなればなれ】
靴下が片方ない。
乾燥が終わったところで取り出してみると、片方が行方不明。
「おっかしいなぁ」
あちこち探してみても、ない。
「小人が持って行ったかなー、返しておくれー」
そんなことを言いながらソファの下や、部屋の隅を探していたら、さっき帰って行ったばかりの恋人からのLINE。
“ごめん。靴下片っぽカバンに入ってた”
はなればなれの靴下。
ゆうべは一緒だったのにな。
靴下も俺らも。