『すれ違い』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
父親は昔ながらの人だった。母は居ない。だけど子供は女1人の男4人の大家族だった。
「図体ばかりでかくても子供だな。お前はまだ中学生なんだぞ。命を預かることをなんだと思ってるんだ! 帰ってきたとたんに猫を飼いたいだの世話をするだの…ふざけておるのか!」
父には手を上げられたことはないが、厳しくしつけられた。
兄弟も誰も父親には歯向かわなかったし、全員食いっぱぐれることなく育ててくれてた。だから末っ子のヒムも、絨毯の上で正座をして父の言葉に従った。昨日までは。
「でもよ…親父」
「猫も杓子もない!」
「その猫なんだけどよ」
1人掛けのソファにふんぞり反る父の膝には、その噂の猫が鎮座してあくびをしていた。
「飼わんとは言っとらん!!」
父はすでに子猫にめろめろだった。
姉は姉で「お父様。猫用のゲージ設置致しました」完璧に猫のスペースを管理し、
兄は兄で「猫用のご飯を飼ってきたぞヒム。写真みせたら2ヶ月ぐらいだろうと言うことだったので柔らかい物を勧められた。チュールも買った」得意の俊足を生かしてスーパーまでひとっぱしりしてきてくれた。
「なんなんこの家!!!」
ヒムは温かすぎる我が家に涙して顔を覆った。
すれ違い
小学生の頃は毎日のように一緒に遊んでいたのに。
中学生になった今は全く話さなくなってしまった。
たった数年の間で友達の縁が切れてしまったのは
なぜだろう?
小学校の最高コンビと言われていたこの二人。
喧嘩をしてもすぐ仲直り。
問題は二人で解決。
テストは一緒に赤点補習。
まさに『一心同体の相棒』
なのに、中学に入った途端に
深い絆は細い糸のようにプツンと絶たれてしまった。
二人が通う中学校には、〇〇小学校だった児童と
二人がいた△△小学校だった児童が
5:5の割合で入学した。
二人をAくんとBくんとする。
Aくんは中学校に入ったら気持ちを入れ替えて、
〇〇小学校だった同級生と仲良くしたいと考えていた。
一方Bくんは、〇〇小学校の同級生よりも今まで相棒のような関係だったAくんと引き続き仲良くしたいと考えていた。
Aくんは新しい友達を作りたくて色んな人と
話していた。
BくんはAくんが話しかけてこなくなったのが
きっかけで話し相手がいなくなり一人になって
しまった。
そして今に至る。
このように人間関係はお互いの考え方の違いなどにより
いとも簡単に崩壊してしまう
儚いものなのだ。
充実した人間関係とは社会で生きていくなかで
最も大切であり、最も難しいものであると
私は思う。
すれ違い
離れていても向き合っているのに
真っ直ぐに相手を見ればいいのに
右手と左手を伸せば手は届くのに
ただ歩み寄れば良かっただけなのに
少しのズレが大きくズレてすれ違う
『人工島から』
人工島から勘違いの嵐が吹いて 話はますます噛み合わない 硝子が割れる 鋭利になって こっちを見てる 言葉だけでのやりとりでは生きている間に私たちが出会うことは無いだろう ああ、海が見えないほど
に高い壁に囲まれている
すれ違いかあ
すれ違いすぎてどこ歩いてるのか分からない
もう全てどうだっていい
とりあえず自分のこと好きでいてほしいし健康でいてほしい
私と関わりを持ったっていいことなんかある訳ないから
扉を閉めよう
これすらすれ違いなのかもしれない
悲しい
寂しい
私はやめられないから
きっかけは作ったから
誰も悪くない
のに。
産休に入る人がいて
その
すぐ周りにいる人は
その分
仕事が増えて
それが負担で
気持ちが
落ちてしまって
休みがちになって
結果
みんな
しんどそう。
ほんとは
おめでたい話
なはずなのに
どうして
こうなった?
#すれ違い
「擦れ」違えるなら良いじゃない
こちとらせいぜい
回線くらい
あーああーああーあ
(すれ違い)
#すれ違い
君はいつも
私とは反対方向へ向かおうとする
だから君は
私より先にいってしまう
振り返ろうが
走ろうが
きっと君はもう見えない
けっこういつも『すれ違い』。今朝はどんな顔してた?明日はどんな顔してる?
すれ違い
多分その時は同じで、でも直線のスタートラインに立っていただけなんだと思う。君が一歩、踏み出した瞬間を私は覚えてる。私が空を見上げたとき、君がどこを向いていたのか知らないの。今日も空が綺麗だね、なんて言って、ただ私と同じ空を見たと信じたかったの。
《 すれ違い 》
私は、学生だ。
部活に勉強に
人間関係に
充実しているような、
押しつぶされているような、
追い込まれているような、
そんな風にして、
今日も私は生きている。
私は、器用でないし、
ギフテッドでもない。
勉強もスポーツも
平均より少し劣っている。
これと言った
強みも、
取り柄も、
私には無い。
本当に模範的な平凡だ。
「やらなきゃいけない」
なんて分かってる。
それなのに、
私は逃げてばかりだ。
自分の努力が、
結果に繋がらないのが
怖いからだ。
自分では100%頑張ったつもりでも、
それが必ず結果に繋がるわけではない。
でも結果に繋がらないのは、
私の100%が足りなかっただけ、
だから、次はもっと頑張れば良い。
そう思う人もいるかもしれない。
でも、私は、
それが出来そうにない。
私だって、
何事にも全力に取り組んで、
何事でも全力で頑張りたい。
でも、
何事にも全力で取り組めない、
何事にも全力で頑張れない。
いつも1歩引いてしまう。
失敗するのが、
結果に繋がらないのが
怖いからだ。
全力でやらなければ、
「私の全力じゃなから」
と否定できる。
でも、
いつも思う。
「あの時、全力でやってたら、
この結果は変わったのかな……」
と、。
自分で言い訳を、
逃げ道を作っているくせに、
後から毎回後悔する。
でも、
私は臆病だから、
弱いから、
ダサいから、
どうしても逃げようとする。
「全力でいたい私」
と
「1歩引いて言い訳が欲しい私」
が
今日も私の中で
すれ違う。
すれ違い
今の世の中、すれ違いって起こるのかな?
あっ、道を歩いていてすれ違うってのは、置いといて。
若い頃はたまにあった。
待ち合わせに来ない…と思っていたら、
お互い違う出口で待っていたりとかね。
携帯とかなかった時代はね。あったな。
あとは、感情的なすれ違い…とか?
あ~。あいにく、こういう繊細な出来事とは無縁なんだな。
paki
いくらすれ違っても良かった。だってきっとまた会えると思っていたから。でも階段の窓から見た時に見えた空から降ってくる君とすれ違った時。もう会えないことが分かった。
すれ違い
すれ違いざまにドロップキック。
すれ違いざまにバックドロップ。
何をと思われるかもしれないが、これは対ぶつかりおじさん用のガード戦略だ。
自慢ではないが私は身長が高くない。
男性にぶつかられでもしたらことによっては休職沙汰になる。
毎日頭の中でシミュレーションをしながら人混みを歩くことで自分を守っているのだ。
少し足早にこちらへと歩いてくる男性を見たら、重心を傾けて踏ん張る用意。
広い道ならすれ違う寸前に一歩踏み出して躱す。
掴みかかろうとする酔っぱらいなら……
すれ違いざまにドロップキック。
すれ違い
一瞬、すれ違いと勘違いを間違えそうになる。
すれ違い…互いに
勘違い…片方だけ(もしくは互いに)起こること?
すれ違いって、
上手くいかなかったり
もどかしいイメージもあるけど、
友達とどこかですれ違ったり
ポジティブな意味でも使うよね。
「さっき〇〇とすれ違ったよね〜!」と
はしゃいでいた学生時代を思い出す。
地元に居ても、
知り合いとすれ違うなんて機会
めっきり減ってしまって
こんなすれ違いなら
たまにはあっても良いのにな、なんて。
君と心が通じ合ったと確信したときのこと
一歩近づけたと思ったときのこと
心がすれ違ったと感じたときのこと
君の心が完全に離れてしまったと気づいたときのこと
どれも全部、昨日のことのように覚えている
もう遠い昔のことなのにね
いつも一緒に歌を歌ってて、お互いに美術部で絵を描くことが好きで仲良い友達がいる。
友達は本当に絵が上手で、だけど私は後輩にすら見下される底辺。ずっと努力してるつもりなのに、1歩も上手くならない。だから友達が褒められてたり自慢してたりするのを見て、辛くなるし、嫌気が差してしまう。隣で絵を描くことに自分へプレッシャーや気まずさを感じている。たまにあの子のことが苦手になる。
届いた招待状には
時間も場所もない
ボクが描いてゆく
手繰り寄せた糸を
美しい色に染めて
何度も巡り会った
何度も恋に落ちた
報われない恋をと
生まれてくる前に
二人で決めていた
乗り越えられると
どこかで信じてた
誰も知らない物語
5年前キミを見た
心が苦しくなって
気持ちに蓋をした
気付かないフリで
今日もやり過ごす
小さなボクがいた
『すれ違い』
たがいがたがいを思いやれていたころと今でキンモクセイのにおいがちがっていて、そのことに泣いた、季節はずれの雨ひとすじ、胸にともったきみの思い出がすりへっていく。
『すれ違い』2023.10.19
営業の外回りの途中、懐かしい顔とすれ違った。すらっと背が高く、印象的な髪の色と、西洋人特有のすっきりした顔。あれは高校の時のクラスメイトだ。
人懐っこく気さくな性格で、自分ともちょくちょく世間話をしたことがあるし、派手な見た目に反して気のいいやつだった。
最後に会ったのはいつだったか。多分、高校の卒業式以来、会っていないのではないかと思う。
彼は同窓会にも参加していないし、連絡先も交換しなかったから、卒業後なにをしているのかもしらなかった。
しかし、最近ではよく彼の顔を見るようになった。主にテレビで。
彼はミュージカル俳優をやっているらしく、かなり人気者で舞台だけでなくバラエティー番組や音楽番組にも出演している。
初めてそれを知ったとき俺はたまげて、幼なじみの女友だちに連絡をした。
すると彼女は特に驚いた風もなく、よく会うから知ってると答えた。
曰く、彼女は彼の所属する事務所の下でカフェを営んでおり、よく彼と顔つきを合わせているようだ。
それこそ驚きだったし、それなりに親しかったと記憶しているので、そのすれ違いに少しばかりショックを受けた。
気が付くと踵を返して彼の後ろ姿を追っていた。
どうせ覚えていないだろうし、ファンとして声をかけてみよう。そんな気持ちで彼の肩を叩き声をかけた。
彼が振り返る。
名前を呼ぶと、彼は一瞬迷惑そうな顔をしたが、俺の姿を認めると少しだけ驚いたような顔をした。
そして、その表情を笑顔に変えて、高校のときのままの気さくさで俺の名前を呼んで再会を喜んでくれた。そのあとは軽く話をして連絡先を交換し、今度飯でも行こうと約束をした。
もし、今日彼とすれ違わなかったら、こんな奇跡は起こらなかっただろう。