『お気に入り』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「お気に入り」
1番のお気に入りは人に教えたくない。
だって教えたら、僕だけのものじゃなくなるから。
誰にも話さなければ、自由にしていられるでしょう。
だから、おあずけ。
恋愛の難しさを今日知ったほんとに好きな人になった人とは報われない
君が好きだよって簡単に言えるのに言えない
白雪ふみ
お気に入り
大好きなラーメン屋さん
お気に入りてす
にんにく凄いから、翌日辛いけど、
金曜ならOK
今から行きます
ダイヤのネックレスお気に入り。
主人からのプレゼント。
SHIROのクリームお気に入り。
息子からのプレゼント。
好きなキャラクターのマグカップお気に入り。
娘からのプレゼント。
そんな家族の笑い声がお気に入り。
私にはお気に入りのぬいぐるみがいる
くまさんと呼んでいる
名前の通りくまのぬいぐるみだ
私が1歳の頃から一緒にいる
物心がついた頃には既に毛も抜けていてぼろぼろになっていた
もう10年以上20年近くになる
布も破れて劣化が凄まじい
直せるほど布に強度がなく縫い合わせたところからほつれてしまう
そんなぼろぼろのぬいぐるみ
そんなぬいぐるみだけれど
寝る前に隣にいないとものすごく不安になる
いないと一生懸命探して見つけてからでないと眠れない
ある意味依存している
傍からすればごみに見えてしまうかもしれない
歳で言ってもぬいぐるみと一緒に寝るようなものでもない
かわいらしい名前もなく見た目もこんなに傷つけてしまった
それでも大好きでかけがえのない存在なのだ
今後も捨てられる自信はない
これぞまさにお気に入り、と言えるのは、
去年、自分で作ったハーバリウムだ。
花の配置を何度も直して、どの角度から見ても
満足のいく出来になった。
それを、しばらく眺めていたりした。
物だけとは限らない。
時間だったり、景色だったり、映画や音楽
だったり、いろいろとあるだろう。
マインドフルネスや瞑想に聴く自然の音や
音楽を、目覚ましに使っていたり、
初夏の爽やかな光や風を浴びたり、
そういうのも、お気に入りのひとつに
なるだろうと思う。
これからも、そういう存在が増えていったり
するのかな?そうだったら楽しいだろうな。
「お気に入り」
【お気に入り】 #18
ふとしたときに美しいと感じるもの
手に入れたいと思うもの
もし私の頭の中に
ブックマークできるスペースがあれば
きっとお気に入りで溢れかえってしまう
「貴方はお気に入り」って言ってくれる人は俺の本当の気持ちを知ってもそう言ってくれますか?
太陽の匂いがするふわふわな布団
とあるお店で買った美味しいお茶
静かに一人で過ごせる喫茶店
心を揺さぶる言葉とストーリーの詰まった本
大好きなアーティストのCD
ありきたりであろうとも全部が私のお気に入り。
それは古くなろうと壊れようと、
もっと言えば存在がなくなろうとも
きっと変わることはない。
心の奥底、こっそりと持つ宝石箱に
お気に入りは静かに蓄積されていく。
忘れてしまうこともあるけれど、
そっと取り出せばあっという間にきらりと光を取り戻す。
お気に入りは私に安らぎをくれる。
お気に入りは、暖かい。
「お気に入り」
『お気に入り』
ゆめみたいな
あのおかのうえで
はなにまみれながら
ゆらゆらゆら
ひがさして
てんきあめ
にじもみえて
あっというまの
ほしふるよる
それでもいろあせることのない
りんとしたはなばながさく
このばしょが
わたしのおきにいり
ゆらゆらゆら
いつまでも
おどっていられそうだよ
私のお気に入り
それは初めて買った真っ赤なリップ。
メイクの仕方も知らないわたし。
憧れだった真っ赤なリップ。
お小遣いを貯めて手に取った真っ赤なリップ。
鏡を見てキラキラと目を輝かせているわたし。
懐かしい真っ赤なリップ。
キラキラの夢が詰まった真っ赤なリップ。
『お気に入り』
集めたハンドスピナー
小箱に入れて
ひとつずつ
くるくる回す
心が静まるお気に入りの時間
手に伝わる振動が心地良くて
ひとつひとつ
みな違うの
まわすだけなのに
単純なのに
はまる
「お気に入り」
仄かに輝く街灯と、
ベンチしかない小さな公園だけど
ここには色々なものがつまっているから
一番お気に入りだ。
小さな思いを
ガラス瓶に詰めたの
誰も知らない
あなたの思い
抱えて生きていくわ
“お気に入り”
子どもの頃買ってもらったプリンセスの絵が描かれたピンクのノート。1番のお気に入りで、どこへ行くにも持って歩いた。
どうしても遊びたかった子が、そのノートをくれないと遊ばないと言うから、渡して一緒に遊んだ。
家に帰ってもあのノートが忘れられなくて泣き続けた。
いつまでも泣き止まない私に困って、最後には返してもらった。
あのノートはいつから無くなったのだろう。
角度によって絵柄が変わる手鏡。手鏡自体は使わないけど、絵柄が変わるのが可愛くて毎日眺めては引出しに仕舞っていた。
あの手鏡はまだ引出しにあっただろうか。
毎日聴いていたあの曲。恋とはそんな気持ちになるものなのかと期待が溢れてワクワクしていた。まだ口ずさむ事はできる。
あの曲を最後に聴いたのはいつだろう。
よく誘ってくれたあの人。どこへ行っても、何をしても楽しくて、くだらない話でも永遠にしていられた。
あの人はもう随分と誘ってくれない。
『お気に入り』
君は驚いた目で僕を見る。そりゃそうだよね。だってここは君の知らないところだもん。
「なんで、俺をこんなとこに連れてきたんだ?」動揺したかのような、震え声で聞いてくる。
「そりゃあ、君が僕のお気に入りだからさ。君が別の女の子と話してるのを見ると君を独占したいっていう気持ちになっちゃってね〜」にまっと笑いながら君のとこに行く。君は諦めた表情で僕を見つめる。
その顔が堪らなくて。
ああ、僕のお気に入りの顔はこんなにも繊細で、壊れやすくて、可愛いんだね。
─お気に入り─
お気に入り
優しい君も泣き虫な君も
どんな君も大好きなんだよ。
「こっちにおいで」って呼ぶ君も
「ここ座って?」と誘う君も
どんな君も大好きなの。
膝に座れば…ほら、いつもの優しい笑顔、
君を独り占めできる膝の上が
私の1番のお気に入りの場所だよ。
…でもそれは内緒にしておくね、…ちゅっ、
友達
コレクター
お気に入りは、
みんなの嫌われ者。
今晩だけ逃げ出そうよ。
僕と君のお気に入りの場所へ。
隙間の空いたカーテンから漏れた光に顔を上げた
ちらりと端を摘んでめくれば暗かったはずの外は
いつのまにか明るくなっていた
ベッドの上に三角座りしたまま寝こけていたらしい
固まったままの足をゆっくりとほぐして下ろしていく
伸ばした足にもふりとぬいぐるみが当たった
ベッドの上にはぬいぐるみが積まれている
ふかふかの山に足を埋めていく
冷えたマットレスを覆うように温もりを与えてくれるぬいぐるみたちは、皆愛らしい顔をしている
輝く黒い瞳に、曲線を描く縫い目の笑顔
その誰もが愛おしくて
愛おしくて、私はそれらを足で蹴飛ばした
笑顔の動物たちがベッドから崩れ落ちる
それでも笑顔でたたずんでいる
こんなことをしたってどうにもならないのに
どうにもならないことなど一番私がわかっているのに
それでもこの苛立ちを、愛を、苦しみを
罪のない動物たちに押し付けられずにはいられない
どの子達もお気に入りのぬいぐるみだ
全部、彼がくれた愛なのだ
たとえ彼が、もう私にくれる愛が尽きたと言っても
この子達に込められた愛が蒸発し無くなったとしても
私たちはこの子達を愛さずにはいられない
彼に渡せないこの愛を軽い綿に沈み込めるように
蹴散らした愛し子たちを、ぎゅうと抱きしめた
自然と溢れた涙が豊かな毛並みを固めたとしても
強い力が形を崩したとしても
それでも抱きしめずにはいられなかった