『あいまいな空』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
今日は曖昧な空、私はそのような空が結構好きだ。
暑くもなく寒くもなく私にはちょうどいい。
曖昧な空は好き嫌いが分かれると思う。
晴れた日の方が好きという人もいるからだ。
昨日の空は天色だった。
昼間は紺碧。今は紅掛空色。
これから日が暮れていく間にまた変わるのだろう。
時間とともにうつろいゆく、あいまいな空。
曖昧な空を彼女はいつも晴れと言う。
僕はいつも曇天だと思う。
だから僕は彼女に憧れた。
隣にいると晴れやかな気分になる。
いつか気持ちを打ち明けようとしたがやめた。
彼女には明るく生きてほしいから。
僕の暗いのが邪魔だから。
あいまいな空
まさに日本の今の季節
晴れそうで晴れない
雨が降りそうで降らない
どっちつかずの空
いっそうのことどしゃ降りなら諦めつくのに
白黒つけたくなるような空
だけど
白黒つけなくてもいいのかも
人生だって同じだ
白にも黒にも転ぶんだから
晴れにもなるし雨にもなる
晴ればかりじゃないし
雨ばかりじゃない
晴ればかりだと暑いし
雨ばかりだと洗濯物乾わかないし
あー…、だけど、暫くは晴れてほしいかも
イベント、コロナ後のイベントやっているから
今日もあいまいな空
だけど、雨はやんでいる
お題
あいまいな空
『あいまいな空』
晴れなのか
雨なのか
わからない
曇り空
はっきりしないのは
僕の意志のよう
移り変わる
心の色は
グラデーション
去年の夏は
来る日も来る日も
泣いていたよ
心のpHが変わり
冷たい雨さえ
今は心地いい
あじさいの花が
終わる夏に
君を思い出しても
もう
泣いたりはしない
ねえ
私
前を向いて
歩いているよ
「あじさい」
講義をサボって街に出た。
一時間一本のバス、大学に向かうそれとは逆方向。三十分かけて、人の少ない車内に揺られて王様気分。
少し前に友人と行ったカフェでお茶をして、駄菓子屋で大人買い。そうだバスボムを買おうとスーパーを覗く。
……知ってた? 商店街ってバスボム売ってないんだよ。
カモメの鳴き声が聞こえる。別に確認したわけじゃないし、海辺の出身でもないから、本当にカモメかはわかんないけど、とにかく海の音がする。
海の方とは真逆に歩くと、山の麓に踏切と鳥居。鳥居の奥に秘された踏切はなんだか大仰な気配がした。
みんな仕事してるのかな、学校かな。戻ってきた商店街には客が居ない。
あーあ、明日からどうしよう。今日の講義、中間テストなんだよねぇ。
正直不安で仕方がない。物語で見るような破天荒な性格でもないし、だからと言って真面目が性に合うわけでもないから、休んじゃったら仕方ないって気分と、落としたらどうしようって気分が同居してる。
はぁ。ため息が出た。空を見ると曇ってる。やだな、こんな時くらい晴れててよ。商店街のベンチに座って一休み。すぐに体がソワソワして歩き出す。あてもない。早く帰ったほうがいいのにさ。
自己責任、自己責任。別に自由が嫌いじゃないけど、欲しかったわけじゃないし、うるさいお母さんに怒られて過ごすのも嫌いじゃない。自由が欲しい大多数と違って、敷かれたレールをただひたすらなぞるのは楽しいし、苦じゃないんだ。
わたしはわたしの人生を結局自分が楽しむためにしか使えないし、その為にはスマホひとつさえあればいい。無責任に文字を書いていたいんだよ。
でも大人になると自由が強要される。一緒に勝手に自己責任までついてくる。人生のお得パック。別にどっちも欲しくない。
「ま、休んだんなら仕方ないよねぇ」
今更後悔しても仕方ない。人生も休講も。
でもやっぱ、心の奥では単位落としたらどうしようなんて思ってる。くだらないね。
「ああもう、晴れたらいいのに」
朝からあいまいな空模様は、今度は雨らしい。
まるであなたのようね。
いや、わたしかな。
#4
『濁水に浮かぶ』
濁水に浮かんで見る空は 唐変木 私の苛立ちを見るようだった 人が汚したこの水もあの空も 未発表の
抽象画のように佇んで 私の世代に残ってしまう
浄化しようとすればするほど 私は濁水に溺れてく
# あいまいな空
あいまいな空
今日は何降るって
ネギ 砂糖 魚
最近おかしなモノばかり空から降ってくる。
ほら、言ってるそばから、何か降ってきた。
「あいまいな空」
日焼け止め忘れた。
傘も忘れた。
仕方ないよね。何考えてるか分からないから。
でも皆そうだよね、誰にも言えないことがあるから
今日だって葛藤してる。ゆらゆらと泳いでいる。
いつか言おう。やろう。
空って全く同じ景色がないから好き
雲と太陽と青のコントラストがきれいに層になってるとき、その移り変わりを眺めるのめっちゃ楽しいからみんなにやってほしい
──────「あいまいな空」
天気予報によると、今日は雨が降るらしい。目覚めてから窓を開けてみると、そんな予報が嘘かのように陽射しが照っている。
もしかしたら、これから天気が崩れるのかもしれない。けれど、そうじゃないかもしれない。
さて、どうしよう。今日は傘を持っていくべきか否かと悩むが、ここは無難に折りたたみ傘を鞄に入れておくことにした。
本日は二人の友人と待ち合わせをしていた。集合場所に着いてみると、見知った姿が二つ、すでに並び立っては何やら会話に耽っているようだ。駆け足で近付き待たせたことを謝るも、二人は気にしていないというように首を振った。
では行こうかというところで、ふと二人の友人の対照的な姿が目に付く。一人は財布とスマホくらいしか入らないだろう小さなウエストポーチのみを引っ提げ、もう一人は中くらいのリュックを背負いつつ、片手には大きめの雨傘を携えていた。こちらの視線に気付いたのかウエストポーチのみの友人が、傘を持った友人のことを指差す。
「あっ、お前も思った? いくら今日は雨が降るって言っても、今はこんなに晴れてるんだから、大きな傘なんて荷物になるって、さっき言ってたところなんだ」
確かに雨が降っていない時に、長さも大きさも嵩張る傘を手に持つというのは、自分だったら面倒に感じるような気がする。
そんなこちらの懸念をよそに、傘を持つ本人は「いいの、いいの、これは俺が好きでしていることだから」と、何ともあっけらかんとしていた。
本人が良しとするなら、こちらがこれ以上言うことはない。では行こうかと互いに頷き合い出発した。
今日は電車やバスを乗り継いで、いくつかの場所を訪れる予定でいた。ルートは順調に進み、そろそろ昼食にしようかと思う頃、晴れていたはずの空に、どんよりとした灰色の雲が立ち込め始める。案の定、昼食を終えた後には大粒の雨が降り始めていた。
「ちょっとコンビニで傘買ってくるわ」
雨天の空を見上げたウエストポーチの友人が、昼食を終えた店の軒先で近くのコンビニまで走り出そうとする。やはり彼は傘自体を所持していなかったらしい。
「わざわざ行かなくていいよ。俺、傘、持ってるから」
「いやいや、いいって。入れてもらうのも悪いしさ。だいいち男二人で相合い傘したとこで楽しくもねぇし。せっかくお前がここまで苦労して持参した傘なんだから、半分ずつ使ってお前が濡れたら元もこもねぇだろ」
申し出を断った彼の眼前に、大きな傘がそのまま差し出される。
「これ、お前が使えよ」
「へっ?」
傘を差し出した友人は、柔和な笑みでそう告げる。
「それじゃあ、お前はどうするんだよ」
「大丈夫。もうひとつ持ってるから」
背負っていたリュックを下ろし、友人は中から折りたたみ傘を取り出すと、「だから遠慮なく使ってくれ」と、大きな傘をもう一人の友人の手へ強引に握らした。
「何で二つも持ってるの?」
折りたたみ傘があるなら、雨傘をわざわざ手に持つ必要もなかっただろう。そんな意味も込めて浮かんだ疑問を口にすると、リュックを背負い直した友人は少し考えるようにして空を見上げた。
「俺さ、こういうあいまいな空模様の日に出掛ける時は、傘を二つ用意するようにしてんの」
上向いていた視線をこちらへ戻し、友人は何の気なしに言い放つ。
「そうすれば雨が降った時、困っている誰かに貸してあげられるだろ」
そのためなら、俺の荷物がひとつ増えるくらい、どうってことないよ。
闊達な笑顔を浮かべながら、清々しいまでの友人の宣言は、今日のあいまいな空が霞むほどに晴れやかだった。
【あいまいな空】
告白の返事は先延ばし
真剣に考えて言ってくれたんだから
私も真剣に答えないと
彼への応えが見つかるまでは
彼に返事は伝えない
あいまいな空が私を飲み込んでしまいそう
いつか雲ひとつない空が広がるまで
私の心も靄がかかる
─────『あいまいな空』
あいまいな空
小さな
かみなりの子が
いるよ
あいまいだ。
今日も空模様はあいまいだ。
ハッキリともしないし
どよーんと暗くなる訳でもない。
"あいまいな空"。
それは僕の心の色みたいだ。
ハッキリしない心。
ドヨーンと暗い心。
そのどっちかに行きたい
僕の心の眼差しは変わっているのだろうか。
どっちみち…僕はずっとこの空の下で暮らすことになる。
だから不満も何も無い。
68テーマ【あいまいな空】
「なんだか雨が降りそうだね」
「んー」
学校の図書室の窓から外を見て天気の心配をする僕。
彼女はスマホ画面を見ながら曖昧な返事をする。
興味……ないんだろうな。
僕にも天気にも。
「今日から梅雨入りだって」
「あ、そうなんだ。なら明日から折りたたみ傘もってこないとね」
「折りたたみ傘? 大きな傘じゃなくて?」
「折りたたみ傘と、大きい傘。ふたつとも持っていくよ」
「ふたつもいらなくない?」
「うん。でも、きみが傘忘れるといけないから」
うん。なんか今、恥ずかしいこと言ったかも。
梅雨入りだって分かってるんだから、傘忘れるはずないじゃんか。
「……今日、傘ないけど」
「え?」
「今日は傘、持ってないの?」
「えっと……折りたたみ傘しかない……かな」
「じゃあそれでいいよ」
「え」
「雨、降ってきた。早く帰ろう」
僕に興味があるのかないのか曖昧な態度。
「あ、晴れた」
この空と彼女はとても似ている。
#31 あいまいな空
あいまいな心
あいまいな空
空の上の透明な大気
その気配すら
心の中に見つけられない
繭の中でまるまるだけ
自分の糸に絡め取られ
煮えたぎるお湯に放り込まれる
こぶしを固め
力をみなぎらせて繭を破ろう
目を見開いて
大きく息をを吸いこんで
あの空の先まではばたけなくても
ただあるがままに命をみなぎらせて
何者でもないじぶんのために
生きよう
─あいまいな空─
起きると、見たことのない場所に居た。
そこは花畑のようで、どこか不安を感じさせた。
どれだけ見渡しても人の影はなく、一人だった。
どうしようかと考えていると、背後に恐怖を覚えた。
怖くなり、急いで振り向くと、とても黒い、
花畑に合わないような見た目の何かが、
こちらへ迫ってきていた。
ただそいつから逃げる。
息苦しくて、辛くて、でも止まれなくて。
ふと気づいた。
もう「何か」が来ていないことに。
良かったと胸を撫で下ろした。
そのとき見た空は、さっき見た快晴ではなく、
あいまいな色をした空だった。
僕はいつ、この夢から抜け出せるのだろう。
~あいまいな空~
できれは雨が降ることを望む
誰だってお気に入りが使えるなら
憂うつな雨だって楽しくなる
56文字の黒の史書