ささほ(小説の冒頭しか書けない病

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花咲いて

いつもの慣れた山に蕗を取りに行っただけなんだ。沢で足を踏み外した。怪我はしなかったけど、顔を上げるとそこはいつもの山の沢ではなく見渡す限りの原っぱで、紫色の花が一面に咲いてた。こどもが適当に描いたような丸い花びらの五弁花、なんだっけ、カタバミという花に似た花の陰から、親指大の小さな爺さんがでてきて、こっちを指さして「人のくるところじゃないわい、帰れ」とつぶやいた。それからどうなったかよくわからんのだ。気づいたらこの病室に寝てて、身体中に紫の花咲いたような痣。大丈夫だよね? おれ死なないよね? なんでみんな何も言わないんだ? どうして?

7/24/2024, 9:31:22 AM