しそわかめ

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1年前

この璃月には、何人もの仙人が人間に混ざって当然のように息をしている。神代から生きる彼らは、見るからにその存在が偉大であったり、逆にひっそりと人を守っていたり、政務の根幹を担っていたりと、その在り方は実に様々だ。それもそのはず、一概に仙人と言っても、その存在自体が様々なのである。戦に生きる夜叉、からくりや細工にに長けた獣、音楽に生きる者、麒麟と人のハーフ、人に捨てられ人世を見失った者、などなど。これだけ多種多様であれば、その在り方も多様であればこそ。そんな自由な都は、今日も彼らに支えられている。
ー、とまぁ、そんな感じの報告書を認めて、刻晴は一息ついていた。約1年前、璃月の生みの親、繁栄の礎であった岩王帝君が亡くなった。それからというもの、政務はほとんどの人人の手に委ねられ、正に人の世が始まろうとしている。そんな黎明期真っ只中、その政務の中核の一端を担う刻晴が、暇であるはずがないのである。元より様々な業務に追われていたにも関わらず、その場にただの人間という存在が求められるようになったこの頃。刻晴はほとんど毎時毎秒、幾つもの部署から求められるようにさえなっていた。休む間もなく働き詰め。最早人がこなす物量を超えている、なんて愚痴を零しながら、一向に減る気配の無い資料の山と睨めっこを続ける日々である。

…とまぁ、この辺まで。

6/16/2024, 5:18:41 PM