人生は同じことの繰り返しで作られている。
きっと明日も、平凡で単調な日常が繰り返されるのだろう。
変わらない退屈な日常をぶっ壊す出来事が起こればいい。
……そんなことを呪詛するように願っていた罰が当たったのかもしれない。
私は車にはねられ、あっけなく死んでしまった──
と、思った。
気がつくとそこは病室……だったらどんなによかっただろう。
気がつけば私は牢獄に囚われていた。
これは一体どういうことだ?
無論、考えてもわかるはずがない。
もしや、死んだことで異世界転生でもしたというのか?
そんな馬鹿な……漫画じゃあるまいし。
牢獄は重たい静寂が取り巻いており、どうやら虜囚は私しかいないようであった。
このどうしようもない状況に途方に暮れている時であった。足音がこちらに近づいてくる気配を感じた。
さて、足音の主は私にとって敵になるのか、味方になるのか……。
考えるまでもなく、絶対に味方であってほしい。私は思いつく限りの神仏に全力で祈りを捧げる。
ただ、もし味方であっても、平凡で単調な日常は帰ってこないだろう。
きっと明日も……そんな風に考えていたことが、遥か昔のことのように感じられた。
テーマ【きっと明日も】
9/30/2022, 11:41:11 AM