NoName

Open App

#君と一緒に

「一緒にいってほしい」

そう言って、君は手を差し出した
氷のような風が、優しく頬を撫でる

...予兆を見たのは、何時だったか?

僕を見つめる君は
つい最近、ずっと前から叫んでいた

...再度、君の顔を見て、僕は自然と頬が緩んだ

歪んだ君を、安心させたかった訳じゃなくて
これは、ただ単に嬉しかったから出たものだ

不謹慎だ、そう思われてもいい

なんでも笑顔で誤魔化す君が
僕に”お願い“をしてくれた

その事実が、ただ嬉しかったのだ

「良いよ」

僕は、君の手を取った
目を見開く君に、僕は続ける

「一緒に、逃げちゃおう」

そう言って、今度は自分の意思で笑った
すると、君は安心した様に笑って

「うん」

っと、一言
...嗚呼、ありがとう

”一緒に逝って欲しい“

そう言ってくれただけで、僕には十分だから
君が言ってくれたから、君と一緒に逝ってあげられる

隣の君にもう一つ笑みを零し

そして、今度は僕が、最初に一歩を踏み出した

1/6/2026, 11:20:51 AM