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虹のはじまりを探して

 雨が上がって綺麗な虹が出た。
何となく詩的な気分になった俺は、ソファーで本を読んでいる彼女に声をかけた。
「ドライブに行こうか、虹の麓まで」
えー、と彼女は顔をしかめる。
「いいよ暑いし。虹の根っこなんて見飽きてるし」
「見飽きたって…」
ふざけた言い草に、俺はちょっとムッとする。
「へぇ、どこで見たって言うんだよ」
「だってうちの田舎じゃ珍しくないもん」

 ほら、と見せられた画像には、田んぼの真ん中からにょっきり生えている巨大な虹が写っていて、俺は目を疑った。

7/28/2025, 3:11:20 PM