あなたのお気に入りになりたかった。後ろから聞こえる、あなたの低くて響く声。後ろの席に座るあなたに対して、どれだけ声を掛けたかったか。プリントを配る時、腕まくりしたあなたの腕、手、指、血管を見てはどきどきした。もちろん、あなたとは違う進路を辿る。これでさよなら。卒業式の日。僕は、遠くから彼を見つめたまま、校門を後にした。
2/18/2024, 3:15:09 AM