君だけが私を理解してくれる。
君だけが私の特別になれる。
いつも悲しそうで、苦しそうで、それでもぎこちなく私に微笑んでくれる。
震える手で私の傷口に触れてくれる。
今が現実か夢かもわからないと俯きながら、恐る恐る心を開いて見せてくれる。
くしゃくしゃの髪で、よれよれの服で、大きな眼鏡で、今にもばらばらになりそうな自分をかろうじて人間の形に留めている。
それはまるで私のよう。
きれいに人間の皮を被って生き続ける孤独を、君だけがきっとわかってくれる。
君の傷ついた手から微熱が伝わってくる。
君の苦しみも孤独も、私だけが全部受け入れてあげられる。
体が君の温度になってゆくのが心地良い。
この世界に、私と君の二人だけが独りだ。
君の微熱に浮かされた私は、久しぶりに心からの微笑みを浮かべていた。
11/27/2023, 6:03:04 AM