Bimi

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華奢な身体も、鈴のような声も持ち合わせなかった。
私はいつでも真っ当な女の子の反対側で
それが苦しくて仕方なかった。

私の骨格の大きい身体も大人びた声もずっとずっと嫌いだった。

それでも大人になるにつれ私は私の身体の美を見出せるようになって、私にしか着こなせない形、私だけの美を追求した。
私の低くて掠れている声に似合う歌を見つけた。

私はいつしかそんな自分に満足できるようになった。
それでも華奢な少女でありたかったという願望は
胸の奥でじりじりと私を灼く。
決して消えることはない。

だから私は、理想の華奢な少女を描く。
想像の中で創り上げる。
それが私の人生の慰みなのだ。

3/27/2024, 4:36:43 AM