「……貴女を大切に思っている人たちのことを考えるべきだ」
ムリナールは彼女の背中を擦る。
乱れた呼吸を落ち着かせるように、規則正しく。
空いた右手で彼女の頬に伝う涙を拭う。
「すまなかった。だが、憂いているんだ。彼女たちも、私も」
呼吸と咳が落ち着いたところで、彼女を抱きしめた。極寒の地に晒された頬は凍てつくような冷たさにまで落ちていた。
「フローリア」
手のひらにアーツを纏わせ、両手で包み込む。
「帰ろう」
「……はい」
2023/11/29(※明日方舟)
「終わらせないで」
11/29/2023, 9:58:13 AM