「欲望」僕は走った。がむしゃらに腕を振って僕は走る。血の味がして脇が痛くて息が苦しくて、心は少し、軽くなった。なんかもう苦しくて、脚を止めてしまった。ずしりと重い身体。楽になりたくて止まったのに、のたうち回って死にきれずにいる感情が、頭から心まで全部を支配する。こんなにも苦しいのに、何も吐けない。変わらない。この見慣れた街並みを出ることすらできない自分が心底嫌になる。僕は、
3/2/2024, 2:21:32 PM