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お題:どこにも書けないこと


長い間、妙な違和感とと共に生きてきた
見えてるもの、聞こえているもの、感じるもの
すべてが膜一枚隔てた、夢の中のような感覚
気がつけばそこにあった空白
みんながみんな持っている感覚なのだ
そう信じてきた

なんとなく、大人には言えなかった
言ったところで信じてもらえるはずがない
きっと大人たちが言うところの、子どもの空想なのだ
そう、心の片隅で思っていた
そんな不信感を心の奥底に押し込めて
記憶の端へ追いやった
けれども夢見心地からは醒められなくて
空想に囚われたまま大人になってしまった

けれども、この夢から醒めたいとは思わない
世界の全ても、自分の感覚ですらどこか他人事で
自分の感情の変化、毎日少しずつ違う世界
そんな移ろいを眺める日常が、好きなのだ


正しい評価とはなんだろう
私は、どんな人なのだろう?
周囲は、過剰に持ち上げるか貶すしかしない
私情をできる限り排除した、率直な評価が欲しかった
ずっと、それが不満だった

私以外から見た私を知りたかった
せめて家族だけでもちゃんと私を見て欲しかった
率直に現実を教えて欲しかった
けれども、伝えたところで帰ってくる答えは同じだ
「そう思ったから言ってるんだよ」
ああ、優しさとは残酷だ

2/8/2024, 12:26:44 PM