空を舞う、ひとひらの花びら。
身軽な花びらは、あっちへ行ったり、こっちへ来たり、風にもて遊ばれている。
強風が吹き、花びらはどこかへ飛んでいき、見失ってしまった。
私が死んで天国へ行くときも、あんな感じなのだろうか?
いずれ私は、あの花びらのことを忘れてしまうだろう。
同じように…皆の記憶から、私の存在が消えていくのだろうか?
そう思うと、少し寂しい。
「捕まえた!」
ジャンプして、何かをキャッチした私の彼氏。
「この花びらをずーーっと目で追いかけてからさ。嫉妬して捕まえちゃったよ」
彼氏は照れた顔で手のひらを広げ、捕まえた花びらを私に見せる。
彼氏の可愛らしい姿を見て、さっきまでの嫌な考え事が頭の中から出ていき、風と共に飛んでいった。
4/14/2025, 3:13:23 AM