白樺

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 君と出会って、二十年。気がついたら大人になっていた。
貴方とは小学二年生から高校生までずっと一緒で親友とお互い呼び合っていた。
 社会人になってから、会える機会は減りそれでも私の心の支えになっていた。
 よく、昔は結婚式に招待してスピーチをしてもらう。と約束はしていが、ついぞその約束は果たされることはなかった。
 改めて思う。あの約束は何だったのか?何故にお前の結婚式に私を招待しなかったのか?
 彼女が結婚したことを知ったのは、つい一週間前。皮肉にも彼女の結婚三年目の日であった。
 高校時代には、喧嘩だってしたが社会人になって最後に会った時は何事もなく別れた。原因がわからない。
 私が何かしたのかもしれない。彼女は実は私のことが嫌いだったかもしれない。けれど嫌いだったらあんなにも長い時間付き合えないだろうし、親友だから言ってくれれば直したはずだ。
 スピーチは任されなくてもいい。せめて招待してほしかった。
 彼女の結婚を教えてくれた友人から送られた写真に映る貴方の綺麗な姿と貴方が好きになった人に会いたかった。
 貴方と一緒にその輝かしい写真に笑顔で映りたかった。

5/5/2024, 3:21:29 PM