時の雨

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子供達が帰った後、ブランコが微かに揺れる。ブランコに腰掛け、たそがれているのはまだ若いのに顔がやつれているスーツの男性。
はあ、と大きな溜息を吐きそのまま視線を地面に向けている。
「どうしたの?」
と声をかけた。男性は思った以上に業務が忙しく、つまらないもので希望を見出せないらしい。可哀想に。
「私が助けてあげるよ。お兄さん。」
歳をとってしまうからいけないんだよね?任せて。
お兄さんの大きな手をとって導いてあげる。今は私の時間。逢魔が時、黄昏とも言うんだっけ。...詳しいことはどうでもいいか。
「お兄さんの味は悪くはなかったよ」


2024/10/18 #たそがれ

10/2/2024, 9:24:42 AM