【 大空 】
『ねえ、お母さん。何で鳥は飛べるの?』
『羽があるからよ。何か気になるの?』
『だってね――』
そこで夢は途切れ、目が覚めた。
近所の森の散歩道、母に手を引かれながら歩いた記憶だ。
(懐かしいなぁ…久々に夢見た)
あれから二十数年、今では自分が親になった。
「ねーママ。鳥さんはどうやって飛ぶの?」
「手の代わりになる羽を使うんだよ。気になるの?」
「お空を飛べたら天国のばあばに会えるでしょ!」
唐突に、今朝の夢が蘇る。
続きはそう、これだった。
『だってね、お空のお父さんに会いに行きたいから!』
12/21/2023, 12:56:50 PM