夏の雨

Open App

「あ、居たんだwww」
「気づかなかったーww」
「………」
「ちょっと?聞いてんの?」
スルーして通り過ぎようとした私を女子軍のリーダーが前に立ちふさがる。
「何か…?」
「はぁ…だからあんた皆にも嫌われんだよw大人しくしとけば何もしないのにww」
嘘だ。大人しくしたって意味はない。
「…………」
2人の子以外は皆こちらを見ているだけ。いわゆる傍観者って奴だ。その中に私の親友も居た。
私とその子はいつも仲良しだった。なのに裏切られてしまった。前にもいじめの様な事が起こったが、その子は私に優しく接してくれていた。でも流石に2回目は駄目だったのかな…呆れられた、のかは分からないけれど親友は離れてしまっていた。……
どうせなら1回目も優しくしないで欲しかった。
なんて我儘過ぎるけど…。
「あんたみたいな奴がでしゃばんなよ?」
「そーそー。無能なのに私達と同じ教室ってどうなんだろうねw」
今日は随分と言ってくれるな。
「あ、…」
すると誰かがボソッと呟いた。
「もう少しで休み時間終わる…」
「……本当だわ。はぁ…また後でにしよ〜」
「おっけ〜」
「次教室違うよね?音楽だっけ?」
「そうだった気がする」

「………いつか絶対にバシッと言ってやる。」
いい加減にしてほしい。
皆が去っていった後、1人教室で呟いた。
我儘だけど、親友にもはっきり言おう。

#優しくしないで
優しくしないでってなんかエモいね。

5/2/2023, 11:24:44 AM