川柳えむ

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 深夜に首都高を駆け抜ける。車はまだたくさん走っていて、ランプの光が向こうからこちらへ、こちらから向こうへ。四方八方へと散らばっていく。
 適当にラジオをつけると、誰かのトークや人気のナンバーが流れてくる。内容を聞くというよりもBGMとして流す。
 真夜中0時丁度。
 工場地帯に辿り着き、車から降りる。
 近未来を感じさせる建物の光が幻想的な風景を生み出している。
 深夜のドライブ。目的地はこの夜景。
 冷たい風を感じながら、ただそれを眺める。定期的にやりたくなる趣味だ。
 夜景を見ながら、仕事のこと、人間関係のこと、人生のことなんていう、途方もないことを考える。それより、明日も仕事だから、そろそろ帰って眠らないとまずい。いつも最終的にはこの考えに至り、帰り支度を始める。
 まだ見ていたい気持ちも勿論ある。離れてしまうのが勿体ない。でもこの場所はなくならない、少なくともきっと何十年かは。だから、また近いうちに来ようと心に決める。
 日付が変わってラジオの番組も変わっている。またそれをBGMにして、帰路につく。


『ミッドナイト』

1/27/2024, 2:17:35 AM