満身創痍で それでも
毎日頑張って
頑張り過ぎて空回りして居るあの子を見て
僕はその緊張感のある空気に
馴染めずにいた
何でだろう
何をそんなに頑張る必要があるんだろう
何が彼女をそうさせて居るんだろう
彼女の周りの空気は
何かピリピリとしていて
僕は近寄りがたいと感じさえした
ある日を境に
彼女は学校に姿を見せなくなった
ことの発端は
彼女をいつもいびる女子が
彼女を激昂させたのだ
激昂したというのは友達から聞いた話で
僕は直接見てはいない
彼女は激昂し
椅子を投げて停学処分になったと言うのだ
幸い椅子は誰かに当たることは無く
大きな音を立てただけで済んだらしい
そういや
彼女はいつもどこか
怒っていた
誰かに腹を立てると言うよりは
不機嫌そうだった
あれから何日かして
連絡帳とプリントを渡すため
先生と一緒に彼女の家に行った
家はがらんとしていて
彼女自身がオドオドした様子で
玄関にて僕らと対面した
元気出してね
僕が言うと
彼女は泣き出した
先生が
お家の人は今は居ないのかな
と彼女に聞く
…はい
彼女は答えると
出てって
と言い
玄関を乱暴に閉めて鍵をしてしまった
いろんな事情があるからね
先生は言うと
さ 帰ろうか
今日は一緒に来てくれてありがとう
と先生と僕
2人家を後にした
僕はその日の夜
連絡網の電話番号から
彼女の家に電話すると
彼女自身が電話に出たので
いろいろあると思うけど
不機嫌はもう終わりにして
一緒に遊ぼうね
と
彼女に言うと
電話口で
呟くように
ありがとう…
と聞こえた
7/15/2024, 11:28:21 AM