YUYA

Open App

物語タイトル:「千剣影の継承者」



第一章:影より生まれし剣

霊圧が乱れる戦場の中心、静かに佇む一人の死神がいた。
黒の死覇装をまとい、目を細めながら相手を見据える。

「……読めた」

男の名は 霧島悠也。斬魄刀「千剣影」を持つ者。
その刃は、敵の剣技を映し、幾重にも連鎖する”影の剣”を生み出す力を持っていた。

悠也の前に立ちはだかるのは、虚夜宮(ヒュエルムンド)から現れた謎の破面(アランカル)。
漆黒の仮面を半ば砕かれながらも、敵は不敵に笑う。

「ほう……俺の剣が読めると言うのか?」

破面が大剣を振り上げる。
それはまるで巨大な獣が唸るような、圧倒的な斬撃。

しかし——

「見えてるさ」

悠也の手元で千剣影が砕け散る。
その破片が無数に宙を舞い、まるで戦場全体が鏡の迷宮へと変化したかのようだった。

「“始解”——見極め、討て。千剣影!」

刹那、砕かれた剣の破片が集まり、敵の斬撃を完全に模倣した斬撃を逆方向に放つ。
鏡の中に映ったかのように、同じ威力の斬撃が破面に襲いかかる。

「なっ……!?」

破面は驚愕する。
自らの攻撃がそのまま跳ね返され、避ける間もなく直撃した。

「俺の斬魄刀は、お前の動きを読み、“次の攻撃”を映す。つまり——お前の剣では、俺には勝てない。」

悠也はゆっくりと刀を構え直した。
千剣影の破片が、まだ宙を舞い続けている。

しかし、破面はまだ倒れない。
口元の血を拭いながら、狂気の笑みを浮かべた。

「なるほど……ならば見せてやろう。俺の”真の姿”をな……!」

周囲の霊圧が一気に膨れ上がる。
虚夜宮最強の破面が、解放(レスレクシオン)を始める。

悠也は息を整え、静かに目を閉じた。
——そして、決める。

「ならば、俺も終わらせるまでだ」

彼の足元に、千の剣影が広がる。
その瞬間、戦場が閃光に包まれた。

「卍解——『万剣連鎖』!」

3/1/2025, 5:25:58 PM