お題『真夜中』
「亥清さん」
「どうしたの、巳波」
「星が珍しく綺麗だったので呼んでみました」
「星が?」
こんな都心のマンションで星が綺麗に
見えるのか?と、疑問を持ちつつ
ベランダに出て巳波の隣に立ち
上を見上げる
「わぁ…綺麗…」
星が見えたのだ
綺麗に輝くいくつもの星が
「ね?綺麗でしょう?」
「うん…すごく綺麗…」
こんなに綺麗な星を見たのは
ŹOOĻのみんなでノースメイアに
行った時以来かもしれない
綺麗な星が出ていても気づいてなかった
だけかもしれないが…
「都心では珍しいですよね、こんなに
星が綺麗に見れるなんて」
「だよね、いつもビルの明かりで
こんな綺麗な星は見れないのに…」
「ふふ…こんな真夜中にまで
起きてて良かったですね」
「うん…!」
綺麗な星、そして嬉しそうな巳波の顔
今日のことは忘れることは無いだろう
忘れてたまるもんか
この目に焼き付けてやる
そう思いながら俺は巳波の横顔に綺麗な星を
笑顔で見つめていた
5/17/2024, 12:42:18 PM