「同じ空で繋がっている」なんてものは嘘だ、と、キャリーケースを引きずりながら嘆息した。 住み慣れた辺鄙な田舎から、ビルがひしめく都会へ。テレビの中をのぞき込んで何度も見た光景を、テレビの中に入り込んだかのようにまざまざと見せつけられる。 私は今日からこの街で暮らすのだ。 地元では叶えられない夢を掴むために。 だから怯んじゃいられない。 首を横にぶんぶんと振って、コンクリートの大地を踏みしめた。
4/12/2023, 10:19:10 PM