とある恋人たちの日常。

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「ふふふ〜」
 
 ソファに座ってニヤニヤしていると、恋人が呆れた顔して私を見てくる。
 
「どうしたの、ニヤニヤして」
 
 頬が緩んで引き締まらなくて、ずーっとニヤニヤが止まらない。
 
「だって嬉しいんだもん」
 
 難しい書類を間違えずに書いて、大切な人達にお願いをして書いてもらって準備は万端!!
 
 明日はこの書類を役所に提出する。
 
「そんなに嬉しい?」
 
 そんな彼も嬉しそうに見えて、私の頬は更に緩んでしまう。
 えへへ。
 
 彼は私の頬を下から優しく持ち上げて、もにゅもにゅと顔をいじくる。
 
「ふにゃー」
「だって緩みすぎだよ」
「ふれしひの!」
 
 頬から手を離して、ゆっくりと私を抱きしめてくれた。
 
 明日、私は彼のお嫁さんになります。
 大好きな苗字だけれど、この苗字は今日で……これで最後。
 
 
 
おわり
 
 
 
三七六、これで最後

5/27/2025, 11:59:59 AM