"小さな愛"
奥様方の井戸端会議だとか、男連中の寄り合いだとか。
結構明け透けに個人の情報を話したり、勝手な持論や想像で面白おかしく話を盛り上げたりする。
いきなり近所に現れた子供なんかは噂話の格好の的だったわけで。
お茶出しを手伝っている時に、襖の向こう側から自分の話が聞こえてくると気まずいんだよなぁ。
たまに、大人としての義務感なのか、それとも罪悪感なのかは分からないけど、しゃがみ込んで耳を塞いでくれる人がいた。
あんまり意味は無かったけど。
普通に聞こえていたし。
慣れているから今更なんとも思わないし、あなたも以前別の場所で似たようなことを言っていましたよね、とは思いはしたけど。
でもまぁ、なんだか泣きそうな顔をしていたから。
何も言わず聞こえないふりをして、笑って頭を撫でてあげたのです。
6/26/2025, 7:19:25 AM