rororu

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『明日、もし晴れたら』

明日、もし晴れたら、部屋から出ません。危険な暑さになると思うので冷房の効いた部屋に居たいです。
と、リアルの声はさておき、、、
創作します。

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「おかあさーーん!私のワンピどこーー。」

階段の上から大声を出しているのは、我が家のお姫様だった思春期のワガママ娘だ。
「大声出さないで。近所迷惑になるでしょ。どのワンピースのことを言っているの?」と、私は夕食の準備をやめ、2階へと向かいながら娘へ返答した。
娘は半泣きになりながら「この前買った白いワンピだよー」と、地団駄を踏んでいる。
白いワンピース?ああ、そういえばクリーニング店に出したかもしれない。すっかり忘れていた。
「クリーニング屋さんに預けてるから、取りに行くけど、急ぎなの?」と聞くと、娘は「明日、もし晴れたら、みんなでゆう君の応援に行く約束したの。」と情けない顔でしょんぼりしていた。
これは、たぶん、他の服を勧めたところで「こどもっぽくて恥ずかしい。」と、泣き出すだろう。娘はそういう子だ。
夕食の準備は後回しにして、クリーニング店へ向かうことにした。

 ゆう君は娘の幼馴染で、幼稚園から仲が良かった。昔から足が速くて、今も陸上部に入っている。その応援に可愛くして行きたいのだろう。女の子らしくて微笑ましく思う。
親の邪推かもしれないが、娘はゆう君に恋愛感情があるように見えた。特に口出しするつもりはないが、応援したいのが親心というものだろう。急いでクリーニング店を後にする。

「おかあさん、ありがとう。」と、ニコニコの、機嫌が戻った娘が出迎えてくれた。
「明日、晴れるといいわね。」と、ワンピースを手渡す。

「一緒にてるてる坊主、作ろっか!」と、娘と私、二人同時にハモってしまった。私たちは、どうやら似た者親子らしい。明日、もし晴れたら、てるてる坊主のおかげね。

8/1/2024, 11:55:35 AM