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児童期。夜は、わたしを匿ってくれた。
連れられた飲み屋街で朝まで父親の用の終わるのを、同じように待っているがき共と追いかけっこをして遊んでいた。
入れ墨に食われた兄(あん)ちゃんが、やるよとわなげチョコを握らせてくれたのを、垢だらけの頰で、鼻を垂らして微笑んだのだ。染みに縒れた服の皺すらも、口角のように婉曲だった。
寒くない孤独はないが、寒い充足はあるのだと、言葉におこそうと考えない程、体の深部で知っていた。
わたしの味方。わたしの家。
だから、わたしは夜中の飲み屋街が好きだったんだが…。
若年になってから――女と他人に裁決される歳になってから、どうもぶが悪い。
どうやら搾取の対象になってしまうようで、このボディタイプでは夜と相性が悪くなってしまった。
あぁ、そんな。そんな爪弾き、そんな裏切り、あの頃が嘘のように。
また捨てられてしまった、母なるものに!

6/12/2024, 11:42:18 AM